前回は電車で空港まで移動したが、今回はタクシーを利用する。
佐野は空港まで電車で移動しようと思っていた様子だが、私は佐野に力強く言った。
「タクシーに乗りましょう!金は俺が払います!!」
「いや、金はイイんだけどね…」
佐野としては赤城の手前、あまり贅沢な移動方法をチョイスしたくなかったのだろうが、すでに私の全身の筋肉は限界点に達している。
「もう1メートルも歩きたくない…」
それが私の本音だった。
またしても事故に遭遇(左車線)
中国に来て一週間、事故を見なかった日は無い。それほど交通事故が頻繁に起きている。
ちなみにこのタクシー運転手は、中国では非常に珍しいジェントルな運転をする正真正銘の『プロドライバー』だった。
全部で六台の玉突き事故
車間をガンガンに詰めて走っているので、当然追突事故が起きればこの有様。
空港に到着すると、またしても『ボンバルディア社』の自動制御モノレールに乗り、搭乗口へ向かう。
金属製のつり革
厳密には革ではなく、金属製の蛇腹に樹脂製の握りが付いている。
中華的サービス精神全開!
一両に8席しかないシートだが、前側4席中3席を空港職員が占拠(笑)
しかも若い二人は携帯でしきりにメールを打っている。
この国に、
「お客様へのサービス精神」
が根付くにはまだまだ時間がかかりそうです。
これで後は飛行機に乗るだけだと思っていたら、やはり偉大なる中華人民共和国、すんなりとは飛行機に乗せてくれないらしい。
「おい、タバコを持っているんじゃないのか?」
私本体(身体)はすんなりと金属探知機を通過したにもかかわらず、手荷物をX線透視装置で監視している空港の男性職員が、モニターを見ながら私に英語で話しかける。
「ノー」
そもそも私はタバコを吸わない。
「いや、タバコを買っただろう」
「ノーだって…」
理由は分らないが、何か嫌な予感がする。
「このバッグを開けて中を確認させてもらってもよろしいですか?」
若い女性職員が私に訊いて来る。
「もちろん」
若い女性職員が私のデイバッグをガサガサと引っ掻き回し始めた。
「ア…」
女性職員の手が止まり、ふっと苦笑いを浮かべる。
「もしかしてポッキーじゃねえのか?タバコって」
角度によってはX線で透視をすればタバコに見えてもおかしくはない。
「お菓子だと思うわ」
正確には分らないが、彼女は中国語で同僚に『タバコの正体』を伝える。
「・・・」
X線担当の男性職員は視線を一瞬だけ向けて、軽く頷く。
ところがこの女性職員、ここで止めればよいのに、さらにガサゴソガサゴソとバッグの中を漁り続ける。
「ア、アア…」
「あ、あら、あ…」
あろうことかその女性職員、私がスーツケースに移し忘れた『火鍋の素(赤と白の2パック)』を引きずり出してしまった。
「チッ、うかつだったなぁ…」
よくよく考えればレトルト食品とは言え、中身は立派な『液体』だ。しかも容量は間違いなく100mlを超えている。
「ガサっ、ガサガサ…」
女性職員はさらに手を突っ込む。
「まだ漁るのかよ…」
ウンザリとして私は彼女の行動を眺める。
「ズボッ!」
彼女はバッグの底から白くて薄い物を引きずり出した。
「は?それはギャツビーの『サラサラ爽快シート』じゃないのか?」
かなり昔に購入し、バッグの底に放り込んで忘れていたはずの品だ。
「・・・」
「・・・」
私と女性職員を挟んだ白い机の上には、火鍋の素(二種類)と、ギャツビーのサラサラ爽快シートが置かれ、変な沈黙が流れる。何だか異様な光景だ。
「・・・」
「・・・」
女性職員はギャツビーのサラサラ爽快シートを手に取り、じっと考える。
「・・・」
「・・・」
おもむろに女性職員はサラサラ爽快シートを私に向かってズイっ突き出し、思わず私はそれを受け取った。
女性職員は二つのレトルトを手に取ると、やや申し訳なさそうに英語で言った。
「この火鍋の素は没収になります…」
「・・・」
私と彼女の間に、『テレパシー的会話』が交わされる。
「それ、どう見ても単なるレトルト食品だよね、しかも中国製の…」
「ええ、それは分ります、お好きなんですね火鍋が、私も好きですよ!でも規則なんですよ…」
(完全な私の妄想ですので、本気にしないよーに!笑)
私はどうせならギャツビーのサラサラ爽快シートを没収してもらいたかったのだが、やはり規定量を超える液体は見逃してもらえないようだった。
遅れること数分、私は佐野と赤城に合流した。
「どうした?」
「いや、うっかりスーツケースに移し忘れた火鍋の素をボッシュートされちゃいましたよ」
「あははは、それはうかつだったね」
「ええ、でも味の素のレトルトカレーは箱入りだったんで見落としたみたいですよ」
「無事に通過したんだ」
「ええ、しかし火鍋の素はショックだなぁ…」
それから1時間後、私は佐野と赤城に見送られ、中部国際空港行きのエアチャイナに乗り込んだ。
行きに12時間も搭乗を待たされた佐野と赤城は、予想通りに帰りも1時間以上搭乗を待たされ、心からエアチャイナにウンザリとして羽田空港に到着したらしい。
もう北京はお腹一杯かな(笑)
佐野は空港まで電車で移動しようと思っていた様子だが、私は佐野に力強く言った。
「タクシーに乗りましょう!金は俺が払います!!」
「いや、金はイイんだけどね…」
佐野としては赤城の手前、あまり贅沢な移動方法をチョイスしたくなかったのだろうが、すでに私の全身の筋肉は限界点に達している。
「もう1メートルも歩きたくない…」
それが私の本音だった。
またしても事故に遭遇(左車線)
中国に来て一週間、事故を見なかった日は無い。それほど交通事故が頻繁に起きている。
ちなみにこのタクシー運転手は、中国では非常に珍しいジェントルな運転をする正真正銘の『プロドライバー』だった。
全部で六台の玉突き事故
車間をガンガンに詰めて走っているので、当然追突事故が起きればこの有様。
空港に到着すると、またしても『ボンバルディア社』の自動制御モノレールに乗り、搭乗口へ向かう。
金属製のつり革
厳密には革ではなく、金属製の蛇腹に樹脂製の握りが付いている。
中華的サービス精神全開!
一両に8席しかないシートだが、前側4席中3席を空港職員が占拠(笑)
しかも若い二人は携帯でしきりにメールを打っている。
この国に、
「お客様へのサービス精神」
が根付くにはまだまだ時間がかかりそうです。
これで後は飛行機に乗るだけだと思っていたら、やはり偉大なる中華人民共和国、すんなりとは飛行機に乗せてくれないらしい。
「おい、タバコを持っているんじゃないのか?」
私本体(身体)はすんなりと金属探知機を通過したにもかかわらず、手荷物をX線透視装置で監視している空港の男性職員が、モニターを見ながら私に英語で話しかける。
「ノー」
そもそも私はタバコを吸わない。
「いや、タバコを買っただろう」
「ノーだって…」
理由は分らないが、何か嫌な予感がする。
「このバッグを開けて中を確認させてもらってもよろしいですか?」
若い女性職員が私に訊いて来る。
「もちろん」
若い女性職員が私のデイバッグをガサガサと引っ掻き回し始めた。
「ア…」
女性職員の手が止まり、ふっと苦笑いを浮かべる。
「もしかしてポッキーじゃねえのか?タバコって」
角度によってはX線で透視をすればタバコに見えてもおかしくはない。
「お菓子だと思うわ」
正確には分らないが、彼女は中国語で同僚に『タバコの正体』を伝える。
「・・・」
X線担当の男性職員は視線を一瞬だけ向けて、軽く頷く。
ところがこの女性職員、ここで止めればよいのに、さらにガサゴソガサゴソとバッグの中を漁り続ける。
「ア、アア…」
「あ、あら、あ…」
あろうことかその女性職員、私がスーツケースに移し忘れた『火鍋の素(赤と白の2パック)』を引きずり出してしまった。
「チッ、うかつだったなぁ…」
よくよく考えればレトルト食品とは言え、中身は立派な『液体』だ。しかも容量は間違いなく100mlを超えている。
「ガサっ、ガサガサ…」
女性職員はさらに手を突っ込む。
「まだ漁るのかよ…」
ウンザリとして私は彼女の行動を眺める。
「ズボッ!」
彼女はバッグの底から白くて薄い物を引きずり出した。
「は?それはギャツビーの『サラサラ爽快シート』じゃないのか?」
かなり昔に購入し、バッグの底に放り込んで忘れていたはずの品だ。
「・・・」
「・・・」
私と女性職員を挟んだ白い机の上には、火鍋の素(二種類)と、ギャツビーのサラサラ爽快シートが置かれ、変な沈黙が流れる。何だか異様な光景だ。
「・・・」
「・・・」
女性職員はギャツビーのサラサラ爽快シートを手に取り、じっと考える。
「・・・」
「・・・」
おもむろに女性職員はサラサラ爽快シートを私に向かってズイっ突き出し、思わず私はそれを受け取った。
女性職員は二つのレトルトを手に取ると、やや申し訳なさそうに英語で言った。
「この火鍋の素は没収になります…」
「・・・」
私と彼女の間に、『テレパシー的会話』が交わされる。
「それ、どう見ても単なるレトルト食品だよね、しかも中国製の…」
「ええ、それは分ります、お好きなんですね火鍋が、私も好きですよ!でも規則なんですよ…」
(完全な私の妄想ですので、本気にしないよーに!笑)
私はどうせならギャツビーのサラサラ爽快シートを没収してもらいたかったのだが、やはり規定量を超える液体は見逃してもらえないようだった。
遅れること数分、私は佐野と赤城に合流した。
「どうした?」
「いや、うっかりスーツケースに移し忘れた火鍋の素をボッシュートされちゃいましたよ」
「あははは、それはうかつだったね」
「ええ、でも味の素のレトルトカレーは箱入りだったんで見落としたみたいですよ」
「無事に通過したんだ」
「ええ、しかし火鍋の素はショックだなぁ…」
それから1時間後、私は佐野と赤城に見送られ、中部国際空港行きのエアチャイナに乗り込んだ。
行きに12時間も搭乗を待たされた佐野と赤城は、予想通りに帰りも1時間以上搭乗を待たされ、心からエアチャイナにウンザリとして羽田空港に到着したらしい。
もう北京はお腹一杯かな(笑)
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