どんぴ帳

チョモランマな内容

くみたてんちゅ(その4)

2009-06-03 21:46:28 | 組立人

 さて、仕事で中国に来たので、仕事をしない訳にはいきません。
 朝はホテルに迎えのバスが到着することになっています。
「えーと、どれかなぁ?」
 新垣さんがバスを通りまで探しに行きます。
「こ、これ?本当にこれ?」
 迎えにやって来たのは、なんと49人乗りの観光バスが一台…。しかもベンツのバスです。


こいつが49人乗りの観光バスだ!
「あの、新垣さん、いくらなんでも贅沢すぎませんか?」
「いや、僕はこんなのは頼んでないよ…」
 そりゃそうです。現段階での工事メンバーは、日本人4人、アメリカ人2人、中国人3人の総勢9人です。
「うははは、めっちゃ贅沢ですね!お金は誰が払うんですか?」
「い、いや、ウチはこんなの払わないからね…」
 初日の朝から責任者の新垣さんは、渋い顔で困惑しています。

 お金の問題は横に置いておいて、とりあえずは客先の工場に向かいます。
 今回の工事内容は本体100t、周辺パーツを合体させると150tになる巨大な工作機械の設置です。
 もっともメインのお仕事となる100tの本体の設置は、中国の日通みたいな会社『青龍』が行うので、我々は周辺部品の木箱(航空輸送にしろ海上輸送にしろ、大概の機械は梱包用の木箱に入った状態で運ばれて来る)の開梱や洗浄、組み付けが主となります。

 客先の工場内に入ると、すでに巨大な門型(重量物を吊り上げる為に組み上げた鋼製の部品)が設置され、木箱に入ったままの工作機械本体が横たわっていました。
「佐野さん、やってますねぇ、結構デカイですね」
「まあ、中国の日通さんのお手並み拝見だな」
 佐野の本業は、彼らと同じ『重量屋』なので、佐野は興味深く青龍の道具類を観察している。
「このタイプは日本で入れたことは無いんですか?」
「まず無いね、ウチが普段やってるのはこの下のタイプだからな。下って言っても、この機械の三分の一程度の大きさだけどね」
「それにしても、木箱のまま工場の中に入れちゃったんですね」
「ああ、なんか契約上の問題らしいよ。工場の中に入れるまでは運送会社の責任だから、工場の外の通路で木箱をばらすのは出来なかったって」
「でも会社の敷地の中ですよね」
「敷地の中でも何があるかは分からないから、絶対に木箱は開けるなって指示だったらしいよ」
「それでシャッターと壁を壊したんですか?」
 工場の入口は、壊したばかりの壁と柱の補修工事が進んでいる。
「ま、そういうことだね」

 本体はこれから木箱の開梱が始まるので、我々も周辺部品の開梱作業を開始することにした。



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2 コメント

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メンテナンス (カミヤミ)
2009-06-17 22:13:48
黒柳さんは、パーツ取り換え作業の為、親方の居ない間、山本リ○ダと同じ滞在型リゾート工場に入ってたと東京北京スポーツの四国中国版の100面に、記事が出てましたよ!見出しは「トシの割には、ヤングマン○!!ヒデキ感激っ!!」でしたっけね。機械は、親方お得意の軍事機密系であって欲しいです。現地で、親方がスパイ容疑で逮捕されたら、国家機密の「シビレ河豚、ぱっこり姫、処女膜付き」を密輸してた!とワイドショーで証言しますね。
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中国にも… (どんぴ)
2009-06-17 22:39:06
 残念ながら軍事機密系では無く、企業コストダウン系、つまり単なる自動部品製造機です(笑)
 迷惑が掛かるといけないので、あんまり詳しくは書けません。

 国家機密の『シビレ河豚、ぱっこり姫、処女膜付き』は、普通にホテルの向かいの通りにその手のお店がありました。
「え?中国に大人のおもちゃ屋が!?」
 とちょっと驚きました(笑)
 店員は若い女の子で、なぜかナース服(帽子付)を着用、外から笑顔で観察すると、その子はいつも下を向いて顔を隠していました(笑)
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