どんぴ帳

チョモランマな内容

ショボい巨塔(その9)

2008-12-31 15:08:53 | 病院
 去年の大晦日、私は病院に居ました。

 もちろん入院をしていた訳では無く、単なるアルバイトです。
 
 その日の夕方、病院に到着すると、私は驚愕しました。
「あれ?今日って普通の診察日だっけ?」
 そう錯覚するくらい、病院の待合ロビーには人が溢れていました。
「な、何事ですか?」
「さあ、知らないわよ…」
 看護師さんは完全にうんざりとしています。それもそうだ。事務員一人と、看護師一人、そして日直の医師一人で、大量の患者を捌いているからだ。

 その人波は、私が仕事を始めてからも一向に収まらなかった。この日が『輪番』という救急車の当番日だという事を考慮しても、その人数は異常だった。
 気付けば、内科医、そして小児科医、待機していた耳鼻科医までが呼び出され、さらにレントゲン技師と検査技師までもが呼び出されている。
 押し寄せる患者さんのほとんどは、
「急病です」
「救急です」
 と勝手に電話で申告して来る人たちばかりだ。実際は単なる風邪やインフルエンザの人たちだけど…。
「喉に魚の骨が刺さりました(まあ、仕方ない)」
「鼻に箸が刺さりました(どうして?)」」
「野良犬に手を咬まれました(なぜ大晦日に野良犬と戯れる?)」
 という人たちもやって来ます。

 この日だけ増員された二人の看護師は、本当にバタバタと走り回っていました。
 さらにそこへ、
「○○分署救急隊です!急病患者さんを一名お願いします!」
 なんて電話が入る。

 気が付くと、『紅白歌合戦』が終わり、ついに『ゆく年くる年』が始まっている。しかし、病院のロビーにはまだ付き添いの人間も含めて、十数人が椅子に座っている。
「あ…」
 そしてついに、この十数人の人たちは、病院の待合ロビーで新年を迎えてしまったのだ。
「理解出来ねぇ…」
 こっちは仕事だから構わないが、この人たちは何が悲しくて病院の待合ロビーで新年を迎えているのだろうか、私には本当に理解が出来なかった。
 
 そして新年一発目の電話は、
「オイ、この野郎!診療拒否をするってのか!?たらい回しかぁ!?」
 と叫ぶ幼稚園児の父親…。あんはっぴーなにゅういやぁでした…。
 
 大晦日は家でテレビを見て、大人しくしていましょう。
(格闘技を見て盛り上がるのは可です)
 そして、新年は自宅で迎えましょう。
(神社やお寺は可です)

 では、良い御年を…。


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4 コメント

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明けましておめでとうございます! (tokyo-distance)
2009-01-01 04:04:34
お久しぶりです!
今年はどんな年越しを過ごされましたか?

自分は秋葉原の片隅で
キムチ料理をツツイテました(w

今年はもしかしたら
自転車の旅(というか企画に近い形になるかもしれませんが)鹿児島もしくは沖縄あたりから
出発するかもしれません。

どんぴさんも近々、自転車で日本一周をされる予定があるとのことで、その際は是非とも教えて下さい。

それでは、今年も1年よろしくお願い致します。
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本年もよろしくお願い致します! (どんぴ)
2009-01-01 12:52:56
 明けましておめでとうございます!

 今年の年越しは、何故か滋賀県の山中で、雪の中を車で走っていました(笑)
 自転車の旅、企画で復活ですか?非常に面白そうですね。私も今年中に出発できるかどうか、挑戦してみたいと思います。

 それでは、今年もよろしくお願い致します!
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医療破壊…。 (都筑てんが)
2009-01-03 18:31:04
10リットルまでの水しか入らないバケツには、11リットルの水は入りきれません。

1リットルの水がこぼれてしまった事で、周囲の人間が「なんだこのクソバケツ!」と足蹴にしたら、

バケツが凹んで、10リットル入れられたはずの物が、9リットルまでしか入らなくなりました。

…っていうのが、今の日本の医療崩壊(ていうか、医療に無理解な人間による医療破壊)の現状。

教訓とかそういう以前の問題。

…。
……。
………。

…命を救うバケツ…使い物にならなくなるまで足蹴にされるのでしょうか?
ttp://punigo.jugem.jp/?eid=503
ttp://punigo.jugem.jp/?eid=500
ttp://punigo.jugem.jp/?eid=495
ttp://punigo.jugem.jp/?eid=491
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いるいる、こんなに… (どんぴ)
2009-01-03 19:18:25
 都筑てんがさん、コメントありがとうございます。
 いやぁ、世の中にこんなにたくさん居るんですね、自分のブログで堂々と書いちゃってる人が…。凄いなぁ…、違う意味で感心しちゃいます。
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