ありがとうって伝えたくって

「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

住宅地では使ものにならなかったダウンチルト、でも同軸コリニアって不思議!

2019年06月30日 18時08分55秒 | 同軸コリニアアンテナ

今日はメンバー宅(標高約30m)で「ダウンチルトタイプ」の同軸コリニアによる通信実験を行った???

このダウンチルト同軸コリニア?は地上で使うとX7000と比べ総じて10dB以上聞こえなかった。

ま、前回の尾根筋のテストでもダウンチルトは使い方を誤ると武器のはずが・・ゴミと化した。

なので即実験中止し12段同軸コリニアに切り替えてX7000と比較したが、それではX7000は全く相手にはならなかった。

「ダウンチルト同軸コリニア」の使い方は

通信方向に樹木を除き直線距離1k程度かつその間-40m下に障害物が無い場合だけ有効!!!とでも表現するか?

都市ノイズの多い場所では

8段同軸コリニアはX7000よりもノイズフロアが少なくとも7.5dB低い。

しかしノイズの少ない山岳で比較すれば・・差は縮まる。

ダウンチルト同軸コリニアはノイズの少ない山岳で比較しても見通し外の飛び受けが同軸コリニア8段よりも6-7dB良くなっている

このダウンチルトタイプの同軸コリニアのエレメントは通常よりもかなり短い。

製作マニュアルでは 235mmを推奨した。

 今回のダウンチルトアンテナは1/2λエレメントが199mm~207mmだ。これで430MHzに共振する。

以上より430MHz帯の同軸コリニアは

●1/2λエレメントの長さは235mm~190mm程度まで許容しているようだ。

●1/2λのエレメント長が短くなると当然起電力が減少する。なのでこれへの対策が必要だ。この対策を行えば通常タイプ以上の性能だ

●エレメント長が短い方がSWRでいうと430MHz帯全域でSWR1.5以下となる(これは不思議、ただSWRが低いことが良いことではない)

となった。

結論:(430MHz帯の事例です)

●1/2λのエレメントサイズ誤差を0.1mm単位1mm単位で気にする必要は全くない。

→メーカごとに同軸の短縮率を正確に求めても意味がない

→実際ダウンチルトアンテナも205mm±1mmでOKと指示が飛んだ

→但し、通常タイプは製作精度が高い方が帯域は広くなる・・がダウンチルトタイプのいい加減なつくりの方が断然広いので・・世の中うまくいかない??

●スタブは短い方で同調させると高い周波数で共振する。長めの1/4λ以上の長さで調整すると周波数が低くなる。これだけで周波数が5MHzは動く。これ重要

●また上側位相整合部を長短させると周波数がある程度自由に調整できる。ダウンチルトでの結果は1cm~1.5cmで中心周波数が1MHz移動した。

→ただ無限に調整できるわけではなく、425MHzから1cm切って1MHz周波数が上昇して429MHzまでくる。更に1cmカットすると425MHzへ戻る。つまり一定の範囲での調整になる。

→それでもスタブと組み合わせるとかなり自由に動かせる(手間はかかるが)

さて新しい製作マニュアルには・・どう書くかな??


ダウンチルトの効果!←予想以上でした

2019年06月23日 16時12分05秒 | 同軸コリニアアンテナ

本日23日も鎌倉の尾根(140m)でダウンチルトの効果を確認しました。

あいにく午後は雨予報でしたので短時間のテストになりました・・たかが140mの標高でしたが予想以上の効果が見えて来ました。

下記がこの2週間のダウンチルトタイプと通常の8段コリニアの比較結果です。良い結果だけを選んで掲載している?と思えるかもしれません。

(8段コリニアはメーカ製のGPは相手にならないほど高性能です。それとの比較です)

ダウンチルトアンテナですから山岳移動局や山岳反射局は弱くなります。しかし表のように遠距離局には強い傾向がはっきりと見えて来ました。

先週6-7dBの差があるのでは?と予想していました。その予想を裏付ける結果が本日得られました。

表中5の印西市の局があります。ハンディ機でローカルと交信していました。

ダウンチルトアンテナではSは振れませんが問題なく入感していました。勿論相手局も聞こえています。次に通常の8段同軸コリニアに切り替えると・・印西局は全く聞こえないのです。

同軸ケーブル外れたか?と思いましたが相手局は弱くなりましたが聞こえています。

6dB以上の差があれば・・これは説明できます。

次に松戸局ダウンチルトアンテナで53、8段で51でノイズ交じりです。これも6dB以上感度差があることが窺えます。

赤城山移動局、標高があるように思えますが・・140kmの距離からすると電波は水平または地平線下からも飛んできます。結果に納得です。

埼玉固定局、75km先のハンディが聞こえますのでGPなので聞こえて当然です!

【結果】

少なくとも遠距離通信ではダウンチルトにより6dB以上利得が増える←これ確定!

これを飛距離に換算すると1.5倍。200km聞こえていたとすると300kmになるのです。

そもそも印西、松戸が鎌倉から75kmも離れている事は戻ってから知りました。

75km先のハンディ機が聞こえる??偶然、障害物がなかったにしても凄い!!

コリニア仲間が茨城に住んでいます。鎌倉から75kmです。彼は12段コリニアも持っています。

かつて300mの標高で通信実験を行いました。この時は交信出来ませんでした。

1.5倍にサービスエリアが拡大しているのならば・・確実に交信出来ます。次は実験してみましょう!

【気づき】

・最初ダウンチルトが聞こえなかったが設置方法が悪くダウンチルトが地面に引っかかっていた。なので高さを上げて解決した。(注意して下さい)

・同軸ケーブルを取り付けて送信するとSWRが1.5だった。1に調整したはずなのに。そこで430MHzに最適化した同軸ケーブルに取り換えるとSWRが所定の数字となった。


ダウンチルト同軸コリニアの数値データ(修正あり)

2019年06月21日 05時29分18秒 | 同軸コリニアアンテナ

新開発のダウンチルト同軸コリニアの測定データを公開しよう。

従来型の16段と比較してある。

地上近くでの測定なので地上近くのデータ(マイナス角側)には反射波が入りこんでいて正確ではない。放射の高い角度側は影響が少ない。

空白になっている部分は-20dB以下電界強度で有効な放射と思えないもの。

しかし大筋を捉えている数字だ。旧型?従来品は0°放射もあるが放射の打ち上げ角が高いものが多い。

一方、ダウンチルトタイプは放射が-1°~-4°に全て集中している。

先日ダウンチルトを使った結果は興味深いものだった。

                          ダウンチルト、    従来型

赤城山移動局 (標高1200m,距離140km,八木,見通し)  S5        S4

大塚山移動局 (標高900m,距離70k,8ele八木,見通し外) S1(メータ振れず)S3

埼玉固定局  (標高不明,距離80k,GP,見通し外)      S5        S3

ダウンチルトタイプは更に遠距離交信が出来るようになったと考えている。

タイプの違う2本の同軸コリニアを使うと相手がどの方向へアンテナを向けているか?までよくわかる。


ダウンチルト同軸コリニアを試してみた

2019年06月16日 12時24分21秒 | 同軸コリニアアンテナ

設計、製作の完了したダウンチルトタイプの同軸コリニアを鎌倉の140mの尾根筋で試してみた。

比較したのは現8段同軸コリニアと新型の20段、16段コリニアだ。

実は比較するにはちょっと標高が低いのだけど・・全く飛ばないとか不測の事態は確認できる。

しかし現地は15m程度の突風が吹き荒れていて比較実験には不向きか?それでも基準の8段と比較用アンテナを上げた。

【左が20段ダウンチルト同軸コリニア、右が現8段同軸コリニアだ】

いよいよ実験開始だ。まず8段で受信する。Sを確認したら20段へ切り替えてSの確認を行った。

正直、大きな差は殆どなかったが(20段なのに?と言われそうだが20段だからだ)Sが2-3違う局もあった。

偶然にも2つのアンテナの特徴を体感できる移動局と交信が出来た。

8段同軸コリニアで強風下でも安定的にS3で入感している900mの山岳移動局を見つけた。

ダウンチルトタイプ20段ではSメータは振らない(ダウンチルトでは当然)けど強風下こちらも安定的に入感。

相手局の使用しているアンテナは8ele八木、出力は100mWとアナウンスしていた。

まず8段2.5Wで声をかけると風の影響か?57-55だという。次に出力を500mWに絞る。

ここで思わぬことが風のせいか時々聞こえなくなるそうだ。

→疑問?こちらには安定的に100mWが入感しているのに、強いはずのこちらの信号が聞こえなくなるとは変だな?(相手は7dB出力が低い)

いよいよ、ダウンチルト新型アンテナに切り替えて送信すると・・・

相手からの応答がない!相手局が「聞こえてますか?」と呼んでる声が聞こえてきた。私は慌てて8段に戻した。

全く聞こえなかった?または殆ど聞こえなかったようだ。

→相手の移動地は70km先、標高は900m超え。標高差760m・・角度は0.75°なのだが。

つまり実測値通り0°を超えるローブは出てない事が確認できた。(設計通り)

→私が何度も経験した「9eleループでは聞こえない信号が同軸コリニアで聞こえた」意味が理解できた。

相手局も同軸コリニアを持っていたら間違いなく交信出来ただろう。

通常の同軸コリニアとダウンチルトタイプはこんなに違った。

【今回の比較ラインナップ左からダウンチルト型、16段→20段→15段、そして従来型8段】

結論

●ダウンチルト同軸コリニアは所定の性能を発揮しているのが分かった。しかし140mでは僅かな差だったけど上空への放射(0°以上)が確実に無いことが分かった。

(ある意味恐ろしい)

●同じコリニア研究会メンバー局が経験した山岳移動局への声かけ事件が発生した!(その時はS5の局に声をかけたが取って貰えない)今回はQRPP同士だったかつこちらの出力が7dB大きいので原因がはっきりした。

分かりやすく表現するならば

ビームアンテナは点と点で交信する(無限の大地と比較すると点)

なので点と点が受信限界点以下では交信が成立しない。

同軸コリニアは広い面と広い面で交信する。しかも面内の各点が受信限界以下でも面でかき集めて受信限界を超える電力となると復調可能なのだ。

偶然にも山岳移動局との交信で「同軸コリニア」の本性を捉える事が出来た。

かつて山岳移動で9eleループと同軸コリニアを持ち歩き毎回両者のSを確認していた。

勿論、殆どループの方が強いけど同軸コリニアで聞こえているのにループでは聞こえないことをしばしば経験した。Sが強い=良いアンテナ?は間違っている。

IQI伝搬(飯田市の谷間から3000m級のアルプスに超えの通信を同軸コリニア1本で八丈島や神津島と楽にできたこと)も全く同じ原理で説明できる。

ビームアンテナも良い面も多いが・・

最近いただいた同軸コリニアユーザの声を一部抜粋し紹介したい。

「(使用・運用の感想)
 ・研究会の記事にもあるように,ホイップアンテナと比較すると,強い局が必ずし
も強いわけでもなく,弱い局が必ずしも弱くない。コーリニアアンテナの傾斜に
よって指向性の円盤(レコード盤イメージ)が傾くのか,その円盤の指向性に相手局を合わせる必要があることを体感しました。

・総論的には,「UHFは難しい」先入観を打ち破って簡単に作れて,高性能であ
る。固定使用より移動運用がより良い。輪に束ねられので嵩ばらない。非常に良いアンテナである。

・頂いたV1.4マニュアルを次の方に,勝手に2次配布しています。御断りもなく御免なさい。」

それにしてもダウンチルト同軸コリニア?使える場面が非常に限られると思う。

しかし依頼のあった山岳レピータ局や全市全郡にはベストマッチ!!完全投入出来そうだ!

次は標高700m以上で追試だ。


新型同軸コリニアとはどんなもの?

2019年06月14日 05時44分02秒 | 同軸コリニアアンテナ

新型の同軸コリニア発表です。内容は下記の通りです。

【従来品15段との比較】

推奨段数 15段以上

ゲイン メインローブで従来比+7dB

打ち上げ角 0°~-4°

→-4°とは10kmで400m下へ、100kmで4000m下へ到達する。1000mの山でも4°ローブは25km先で地上に到達する。

ゲインがあるならこれが欲しいと思うのは早計。少なくともビルの屋上のような場所で見渡す限り障害物が無い場所への設置に限られる!または山岳移動局、レピータ局専用アンテナ

ビルや山に囲まれた場所に設置すると聞こえてくるのは自分の電波だけ。

従来の同軸コリニアと新型同軸コリニアの放射パターンを計測したのが下図だ。

従来の同軸コリニア、かなり広い放射角を持っていることが判明した。

これで8段以上あればメーカ製のマルチバンドGPは相手にならない。

破壊力はないが広い放射角がオールマイティな一面に繋がっている、つまり山越えOK、グランドウエーブ OK

先日報告した通り、50Wベースで750km超えの交信が実現した(海上伝搬、12段)

50Wベースで400km超えの交信が実現した(山越え?グランドウエーブ16段)

一方、新型コリニアは放射パターンが非常に狭い

この狭さだけで現同軸コリニアよりも∔7dBという事になる。実際に高台で使ってみたが従来型8段と比べると何も聞こえない騒がしく聞こえるほど差がある。

しかし放射は地平線から-4°の放射角しかない。よほど条件の良い場所でしか使うチャンスはない。

新型コリニアを使ってみたいという方は・・連絡ください。山岳移動局に優先的に貸し出します。

試作品の山から使えそうなものを通常交信用として2-3本(430MHz用)残してあります。

(新型の性能については実験中であり、この報告から変更される可能性もある)

プロジェクト TATEYAMA完了です

2019年06月09日 17時59分30秒 | 同軸コリニアアンテナ

5月初めよりプロジェクトを進めてきましたが本日完遂しました。

「xxxmm何段を明日まで!」のような無茶振りも笑って答えて頂いたメンバーには感謝しかありません。

正直に書くならば昨日まで本アンテナの「再現性に大きな疑問を持っていました」

しかし本日の同軸コリニア調整会で先週と全く同じものを2本作成でき再現性も100%になりました。

正直何度も諦めようと思いましたしメンバーも口では言いませんでしたが・・

何度やっても再現できない、思いの周波数にならないを毎週土日繰り返していたので本当は「無理じゃない?」の一言を言ってみたかったと思います。

「結論」

●ダウンチルトの同軸コリニアの設計が完了した。(再現性はあり、しかし誰にもでも作れるわけではない)

●ダウンチルトの角度は-3°±X°(段数により異なる、15段では-3°±3°)

●430MHz帯は全ての周波数でSWR1.5以下(測定器ではそうならない!!)

●従来型8段コリニアと比較すると別世界の耳を持つ(飛び受けともだと思うが)

●電界強度を測るとなぜか10段と15段では少なくとも3dBの差がある

●本方式ではラジアルがないとアンテナにならない(非同調の長さを使っている為)

●同軸コリニアの方式は3つとなった。現方式、現方式にラジアル付与、新方式。

【左10段、右15段のダウンチルト製品版】

「苦労した点」

●指定された周波数に共振を合わせる事

→ピッタリは無理

●これが一番困ったことだが、測定器の共振周波数とリグのSWRの低い周波数が4-6MHzずれた。

→しかし、一致することもある。測定器のキャリブレーション、信頼性まで疑った。

→元々リグのSWRメータは信用してないが・・測定器の共振点でリグがHighSWRを出し打つ手なし。

「気づき」

●最初、全域でSWR1.5以下と喜んでいたが・・受信するとモービルホイップにも及ばなかった

→SWRが飛ぶ条件ではない

●現方式の同軸コリニアはオールマイティタイプだ。新方式は山岳移動、レピータ局用だ。

 今後、数値データも解説したいと思う。


同軸コリニアアンテナで神津島移動運用!

2019年06月08日 06時17分37秒 | 同軸コリニアアンテナ

5月25日~28日まで「同軸コリニアアンテナ研究会」メンバーのJE2SDE局がVUバンド神津島移動を敢行した。

JE2SDE局は最近暇を見つけてはコツコツ全バンドの同軸コリニアを制作していた。

アンテナのラインナップは

50MHz 4エレHB9CV

144MHz 9段同軸コリニア

430MHz 12段同軸コリニア

1200MHz 20段同軸コリニア

と同軸コリニアとしては標準的?なもの。

【同軸コリニア軍団の移動運用風景はこんなもの】

【運用結果】

745局と交信出来た。

1エリア2エリア3エリア4エリア5エリア6エリア7エリア8エリア9エリア0エリアMM小計
7MHz16658302422312430331
50MHz681271
144MHz1265162185
430MHz9651211151
1200MHz527
           合計745

【同軸コリニアの不思議伝搬】

以下の不思議なレポートを頂いたようだ。

430MHz

●熱海局から銚子方向が一番強い(熱海から神津は南南東方向、強いのは東北東ということ)

●桑名局から伊吹山方向が一番強い(桑名から神津は南東方向、強いのは北←同軸コリニアではありがちなパターン)

●甲府市と59-59で交信出来た(盆地飯田市と神津が交信できている事例からIQI伝搬と呼ぶか?相手もGP系アンテナだろう)

【DX記録】

144MHz

北は福島市、東は大阪吹田。(両方とも300k超え)

430MHz

これは脅威!宮崎県児湯郡川南町

地図で調べたが神津島⇔児湯郡川南町(海沿いの町)間は障害物なく海上伝搬750km超えここでも同軸コリニアの耳の良さと360°へ睨みを利かせる全方向性が信じられない結果を出した。

交信した本人も信じられないを連発していた。VUの移動サービスは同軸コリニアが最高だ!!

【ボーンヘッド】

茨城の当研究会メンバー・・例によりメーカ製アンテナで聞くと神津島移動は聞こえなかったそうだ。

10mポールをベランダから上げて10段同軸コリニアで聞くと53で聞こえていたそうで、パイルが途絶えたときに何度か呼んだらしいが取ってもらえなかったという。

それをTATEYAMA プロジェクトの会合で話すと

「元々トークパワー弱いんだからコンプレッサーいれたのか?マイクを握って叫んだのか?」と皆から非難?を浴びた。

同等以上のアンテナを使用していてSが振っていれば交信できないはずがない。

交信頂いた皆様、交信に至らなかったけど読んで頂いた皆様、ありがとうございました。




衝撃的なニュースです

2019年06月07日 04時00分35秒 | 同軸コリニアユーザレポート

6月5日に同軸コリニア京都のユーザ様から衝撃的なニュースが飛び込みました。

『先ほどですが先日調整いただいた430MHz 16段で
千葉県船橋市と51-53で交信できてしまいました!
当方直下プリアンプ無しでしたので、やはり同軸コリニアの性能は驚異的ですね!
モードはSSBで送信出力は50Wでした。400km超の交信に大感激でした。』

この同軸コリニアは5月中旬に最終調整をさせて頂いたもので、使用を開始したばかりのアンテナでした。360°に睨みを利かせもれなく受信できる同軸コリニアの特徴を十分生かした結果でしょう。

一体どういう伝搬経路なのでしょうか?


同軸コリニアのダウンチルト完成

2019年06月02日 08時19分53秒 | 同軸コリニアアンテナ

『プロジェクト TATEYAMA』はダウンチルトが目的ではなかったのですが試作時の輻射角調査で「ダウンチルト」(打ち上げ角が主に下向き)の同軸コリニアがあることが判明しました。

しかしながら同軸の短縮率とは異なるエレメント長なので目的周波数に合致させることは困難を極めました。

昨日(6/1)の午前中に調整して持ってきた同軸コリニアもグラスポールに入れると全滅(目的周波数で共振しない)でした。

食事を終えてメンバー3人と再調整を始めて・・ある程度共振したところで

メンバーの一人が「ここで良いのでは?」私「いやもっと追い込むぞ」するともう一人のメンバーも「終わりにしよう!」

私はしぶしぶアンテナをグラスポールに入れてリグのSWRメータを確認するとなんと430MHz~439MHzMの全域でほぼSWR1のアンテナになっていた。

測定器による共振周波数は430.5MHzと439MHzの双極。つまりその領域すべてがSWR1となった。(下記写真右)

試作した同軸コリニアは10本を超える!しかも15段20段ばかり!!!この3週間の週末で・・・作るのは簡単、再現性確保が困難だった。

メンバー4人は最近過酷な週末を過ごしていました。脱線しました。

【完成した新方式 430MHz10段同軸コリニア(左)と430MHz15段同軸コリニア】

「重要」

もうひとつ重要な事実を上げてみます。(430MHz同軸コリニア調整時の出来事)

●測定器の共振周波数とリグのSWRメータ表示が大きく異なることがある

●リグまでの同軸ケーブル長を変えるとSWR1付近の共振周波数も測定器とは似ても似つかぬ結果になる。

●じゃあ、この同軸コリニアの共振周波数は何が正しい?

「測定結果」

従来の同軸コリニアよりもマイナス角への輻射(5.5-7.5dB)が大きいことが確認できた。

また15段20段ではほぼピンポイントに電界強度の強い場所がある

 

  電界強度
打ち上げ角 新アンテナ
10段
現形式
12段
5 -18.5 -20.5 2
4 -18.5 -20.5 2
0 -20.5 -19 -1.5
-1 -18 -25 7
-2 -16.5 -22 5.5
-3 -16.5 -24 7.5
-4 -15.5 -21.5 6
-5 -15 -20.5 5.5

プロジェクト TATEYAMAも8合目くらいです。完了まであと少し頑張ります。

ダウンチルト同軸コリニアは山岳移動用として8段から10段程度ならばどうにか使えそう。試用を皆様にお願いする予定です。

ダウンチルト同軸コリニアのお問い合わせは7K3DIWまでお願いします。