『プロジェクト TATEYAMA』はダウンチルトが目的ではなかったのですが試作時の輻射角調査で「ダウンチルト」(打ち上げ角が主に下向き)の同軸コリニアがあることが判明しました。
しかしながら同軸の短縮率とは異なるエレメント長なので目的周波数に合致させることは困難を極めました。
昨日(6/1)の午前中に調整して持ってきた同軸コリニアもグラスポールに入れると全滅(目的周波数で共振しない)でした。
食事を終えてメンバー3人と再調整を始めて・・ある程度共振したところで
メンバーの一人が「ここで良いのでは?」私「いやもっと追い込むぞ」するともう一人のメンバーも「終わりにしよう!」
私はしぶしぶアンテナをグラスポールに入れてリグのSWRメータを確認するとなんと430MHz~439MHzMの全域でほぼSWR1のアンテナになっていた。
測定器による共振周波数は430.5MHzと439MHzの双極。つまりその領域すべてがSWR1となった。(下記写真右)
試作した同軸コリニアは10本を超える!しかも15段20段ばかり!!!この3週間の週末で・・・作るのは簡単、再現性確保が困難だった。
メンバー4人は最近過酷な週末を過ごしていました。脱線しました。
【完成した新方式 430MHz10段同軸コリニア(左)と430MHz15段同軸コリニア】
「重要」
もうひとつ重要な事実を上げてみます。(430MHz同軸コリニア調整時の出来事)
●測定器の共振周波数とリグのSWRメータ表示が大きく異なることがある
●リグまでの同軸ケーブル長を変えるとSWR1付近の共振周波数も測定器とは似ても似つかぬ結果になる。
●じゃあ、この同軸コリニアの共振周波数は何が正しい?
「測定結果」
従来の同軸コリニアよりもマイナス角への輻射(5.5-7.5dB)が大きいことが確認できた。
また15段20段ではほぼピンポイントに電界強度の強い場所がある
電界強度 | |||
打ち上げ角 | 新アンテナ 10段 |
現形式 12段 |
差 |
5 | -18.5 | -20.5 | 2 |
4 | -18.5 | -20.5 | 2 |
0 | -20.5 | -19 | -1.5 |
-1 | -18 | -25 | 7 |
-2 | -16.5 | -22 | 5.5 |
-3 | -16.5 | -24 | 7.5 |
-4 | -15.5 | -21.5 | 6 |
-5 | -15 | -20.5 | 5.5 |
プロジェクト TATEYAMAも8合目くらいです。完了まであと少し頑張ります。
ダウンチルト同軸コリニアは山岳移動用として8段から10段程度ならばどうにか使えそう。試用を皆様にお願いする予定です。
ダウンチルト同軸コリニアのお問い合わせは7K3DIWまでお願いします。