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「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

衝撃の事実 同軸ケーブル 都市ノイズ プリアンプ??

2020年09月04日 04時59分48秒 | 同軸コリニアアンテナ

先日同軸ケーブルの損失について書いた。

都市部のノイズレベルの高い環境下では5dBの損失と1dBの損失を持つ同軸ケーブルが受信時に与える影響差は0.4dBしかないことが分かった。

(で極論して都市部では430MHzでも5D2Vで十分と書いた)

この数字の意味をAさん一家を例に上げて分かりやすく??説明したい。Aさん一家はダブルインカムで大のギャンブル好きだ。

月に100万円をギャンブルに投入している。(つまりギャンブル=ノイズだ)

当然生活は苦しく食費2万円を1万円にしようと話し合っている(食費=同軸の損失

「食費を削って102万円を101万円で生活する」これをdB計算すると食費を3dB減らす、つまり同軸の損失は確かに減少している。

しかし、全体に与える影響をdB計算すると10log(101/102)=0.428dB、全体へ与える影響度はこの程度という数字だ。

先の記事は3dBの食費を減らしても0.4dBしか影響しないの意味だ。(既に分かっている人も多いか?)

Aさん一家は食費(同軸損失)を云々する前に「ギャンブル」への資金投入(ノイズ)をもう少し減らせば良いだけだ。

Aさん一家を笑ってはいられない。

この意味するところは、特にVU帯での

無線設備は総合的な判断でボトルネックを分かった上で「同軸損失」「プリアンプ」を考える必要があるという事だ。

【ノイズ再考】

下記の写真は色んな場所で登場してくるので見飽きた、聞き飽きた方も多いだろう。

最近、同軸コリニアを使用されている方も多くなったのでまとめの意味で再度書く。

これは2018年6月に横浜の標高30mの高台でメーカ製5/8λ8段GPアンテナ(11.4dBi)と12段同軸コリニアの比較実験の結果だ。

持ち込んだ機材はアンリツのスペアナ、ハンディスペアナ、リグはIC7100(これは訪問先所有)

メーカ製GPはアンテナ高も高い、仮設のコリニアは変換コネクタや3Dケーブルを動員してどうにかシャックへ同軸を届かせた。

同軸ケーブルの損失的には圧倒的に固定GPが有利だった。

実験を始めたがSメータ的にはメーカ製GPの方が上のことが多かった。(今から思うと当時はこれに気づいていなかった)

ところがメーカ製アンテナで全く聞こえていない信号が聞こえる。しかも1つ2つではない!!

直ちにスペアナでメーカ製アンテナの信号レベルを確認すると-98dBmだった。

これで433.84の信号の入感がない。何が起こっている?

瞬時に同軸コリニアに切り替えた。その時の衝撃は忘れようもない。すべての意味が理解できた。

理論計算、利得解析等なにをやっても同軸コリニアの優位性が見いだせなかったのに、この数字は衝撃だった。

有名な学者達にも否定されてきた同軸コリニアの本性が見えた瞬間だったのだ。

同軸コリニアで入感するこの局の信号強度は-104dBmだった。それがクリアに聞こえている。

スペアナで確認するとこの機材の測定限界まで見えている。少なくともノイズフロアは-115dBある。

同軸コリニアのノイズフロアは-115dBm、メーカ製GPは良くても-100dBm。

この差は少なくとも15dBもあった。その結果、宮城の港湾土木メーカからのレポート、「AIS用の同軸コリニアがメーカ製GPの3倍も受信出来た。」(10倍の面積)ことの意味も分かった。

アンテナだけで15dBも差があっては、メーカ製GPでは10DFSAに取り替えようが、プリを入れようが同軸コリニアに敵うわけがない。

-100dBm以下の信号は何をしようと取れないのだから。

これが結論だ。

世の中は面白い!この記事を読まれた埼玉の局(彼はループアンテナを製作、販売されていて、元アンテナメーカの方)が追試を行った。

その記事はここ

結果を書くなら7エレループのスタックと比較しても12段コリニアは7dBノイズフロアが低い、との結果だった。

(7エレループx2のゲインではノイズフロア7dBを埋めることが出来ない!)

ところでなぜ同軸コリニアはノイズが低いのか?理由は2つ

●同軸コリニアは非常に帯域幅が狭い

同軸コリニアは段数が多くなると一般的に帯域が狭くなる。144MHz8段や430MHz16段ではSWR2.0はバンド内を確保するのがやっと

また、中心周波数から1%程度離れると10dB以上の減衰が急激に発生する、フィルターとしては非常に優秀

●垂直面が地上に向いてない

エレメント数の少ない(10ele以下)ビームアンテナは地面にもパターンが向いている=ノイズも拾う

ということだ。

以上の事実が判明すると・・

このアンテナはバンド内がSWR1.0となり非常に良いものだった!!みたいなコメントには要注意だ

場所をわきまえていう必要がある!ノイズの低い場所では、都市部では限りなく

今日もいろいろ書いてきたが、パワーポイントで20-30枚の実験データと詳細説明を書かないと俄には信じがたい事実が多い。

逆に書いたとしても読む気にはならないだろう。

受信環境の向上には下記の手順が正しいだろう

1 受信設備のノイズ環境を調べる(ノイズレベルが-100dBmあったら同軸損失、プリを入れても無意味)

2 その上で設備強化方針を立てていく

  アンテナゲインを上げる(ビーム系ならば簡単)

  ノイズレベルを3dB下げればアンテナゲインを3dB上げるのと同等の効果

(HFでは微小ループが上記にあたる、ゲインの減少以上にノイズが減る。また同軸コリニアもノイズ削減には非常に有効)

  アンテナを屋根より1mのところから2mへ上げると最大6-12dBの伝搬損失を軽減できる可能性あり

3 設備に頼る(伝搬損失やノイズ低減から考えると、意味は少ない気がする)

  同軸の損失を下げる

  プリアンプを取り付ける(最大でも3dBの効果)=同軸の損失補償

商業誌CQhamradioには掲載してもらえないと思うけど、真実を書いた。

実際に「同軸コリニア」を使用された方は実感できることを書いていると思う。理論、原理的にはこれが

「同軸コリニア」の耳の秘密だ。多くな方が同軸コリニアを使って頂ければ、「呼んでも取ってもらえない」ことが減るのにと思う今日この頃。


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