2日日曜日に13段同軸コリニアと6段同軸コリニアスタックの位相差給電を使い標高280mで比較実験を行った。
実は実験終了直後は失敗に終わったと感じていたが・・なぜなら近距離であるにもかかわらず13段の方が強い局が多いと感じていたからだ。
しかし、よくよく検討してみると大成功だったことが判明した。
ただ50k圏を超える局との交信は1局のみ。50k前後局とは2局。
下図は13段同軸コリニア(黒線)と6段同軸コリニア位相差給電の水平面パターンだ。
フロントゲインはほぼ同等で仰角のビーム幅は広い。つまり近距離の送受の信号強度を改善してある。
次に下図で水平面パターンの地域対応を見てみよう。
展望台の手すりに同軸コリニアを取り付けた時の地域分布だ。フロント方向に関東平野が広がっているのが分かると思う。
ここの展望台は同軸コリニアの実験用に作られたようなものだ。但し飯能・高崎方面の10k先には標高300mを超える山がある。
バックは丹沢主峰。上のサイドパターン(-10dBの位置)には仏果山尾根がある。
一方、下のサイドパターン(-10dBの位置)は茅ヶ崎・平塚方面だ。
バックの丹沢主峰による反射波による伝播もかなりあるようで埼玉方面局からは富士山ビームが一番強いといわれる。
この場所は丹沢主峰が衝立となって富士山は全く見えない伝播パスもない。丹沢主峰の反射と考えている。
(埼玉から富士山は南西方向、厚木は南南西)
まとめ
●1 近距離で明らかに13段の方が強かった局は藤沢局 59、平塚局51 距離20-25km
(CQ出して1局目が藤沢局で6段スタックよりも13段の方が良かった)
(実験中はなんで近いのに弱くなるの?と思った)
あとで確認すると水平面パターンのサイドに入っていたので当然だった。
平塚局は海岸でハンディ機だった。6段スタックでこちらには入感あったが相手には入感無いとのこと。
これはノイズフロア問題かも。
●2 港北区局 13段では54-55 6段スタックにすると59+
これは驚いた。12mHのタワーてっぺんにX300クラスが乗っているらしい。
で受け側のアンテナの仰角のビーム幅も広いから納得。また回りに高いビルも無く反射波の影響も受けないので極端に出たか?
●3 50k圏~それ以上で6段が強い
古河局5W 距離90k 13段 52, 6段スタック 54
↑相手局がシングル八木だったせいか?6段の実力か?
飯能局5W 距離50k 13段 51,6段スタック 53
↑50k圏では通常伝搬ならば少なくともSは同程度となる。しかしこの距離で6段が強いので地上の散乱通信だと思い「標高の高いところですか?」と聞くと「展覧山です」との回答で納得。
↑6段スタックは山岳移動局へも有効な事が分かった。
●4 勿論50k圏内でも13段の方が強い場合も少数ながらあった。
以上、まとめると
6段の広い仰角で50k圏内の送受信強度を上げるかつDXもできるという構想は成功した。
●2~●3の内容、結果は八木系アンテナしか使ったことのない方にはわからないかも。同軸コリニアは様々な伝播モードが体験できる。
特に私の移動地では「6段の2列スタックの位相差給電(-135°)」はメリットの方が多いことが判明した。
次は通常利用している標高から実験してみたいと考えている。残るは100km程度離れた地点との交信実験が必要と考える。
(追記)
以上は山岳移動での手法と考えるが地上で同軸コリニアを使う場合は、12-16段を2列にし90°の位相差給電するとよいだろう。
理由
①都市ノイズを他の形式のアンテナより10dB以上抑える事ができ3dB弱ゲインを上げる。
②但し、小型ローテータで回す必要がある。または2セット用意して切り替える。(この方が簡単!!)
これを30段で位相差給電を行えば18dBi程度になり、八木17エレx2のゲインに匹敵する。
この場合、十分に使いこなすためには仰角ローテータも必要となる。
『位相差について』
また位相差をどれほど持たせるか?は自身の運用地、条件を考えて決めればよいと思う。
私は
①全方向へ飛ばすということで極力円形の水平面パターンを維持する。
②バックの放射も維持しサイドもできるだけ減衰をしない。
ということで-135°または-120°の選択となった。
1/4λ~250mm間隔での位相差によるパターンと利得の違いは下図の通りだ。
黒線が位相差-90°、赤線-120°、青線-135°、緑線が-150°。
位相差0°の場合、1/2λ間隔で最大利得となる。この時水平面パターンは八の字特性となる。
一顔つなぎいただけたら幸いです。ブログのアップしました。参考までに
ブログ拝見ました。その後も着々検討を重ねられているようですね。
私の今回の位相差給電の裏には壮大な計画があります。
山岳移動でスタック八木は持って上がれませんが、スタックコリニアであれば軽量なので簡単に持って行けます。
山の上での大移動を計画しています。その予備実験です。
またコンテスト用です。
最終的には2mの位相差給電も製作します。
それからiau9229さんの作成しているコリニアですが、235mm前後の数字でチャレンジして下さい。
また、そのとき8段以上ではスタブ長は50mm以下になります。
電気長の1/4λを超えたスタブは誘導性が強く出ます。
これ以外のエレメント長ではアレイアンテナの特有の自立整合機能が働き同調していると考えられます。
(MMANAで解析しても多段コリニアアンテナモデルは色んな周波数で同調します)
つまり短く作っていますので185mmのエレメント長では20段ですが18段の利得より小さい。と考えています。
235mmのエレメント長の基準アンテナを製作することをお勧めします。
それからQマッチの製作で書きましたが
http://blog.goo.ne.jp/diw/e/9402050466cff81e2e4f13bf2f57e182
短い同軸で計測した短縮率と4-5m以上で計測した430MHzの短縮率は異なります。
これは同時ケーブルの仕様書にも書いてあります。
短いまま使う場合は小さい短縮率、長い場合はいわゆる普通の短縮率を使う必要があります。
色々研究してみましょう。これからも宜しくお願いします。