前回、川越に来たときに高い建物の殆ど無い郊外は、特にVHFの運用には非常に良い場所だと思っていた。
今回ラーメン二郎「川越店」へ行くにあたり「コリニア」の伝搬実験を荒川土手で行う予定を立てた。
実験は430MHz帯の26段同軸コリニア、10段同軸コリニアと簡易スペアナ、新規導入グラスポールを使い19、20日に実施した。
実験は、下記のように2本の同軸コリニアを用意し電界強度を計測した。
今回使用した機器はRF Explore COMBO 3G。まあ、電界強度の測定だけならば十分な精度を持っている。
最小分解能1kHz,RBW分解能が3KHzだ。中心周波数433Mhz,スパンを500kHzに設定して測定した。
当日午前中は風も無くアンテナの揺れも無かったので測定は順調に進んだ。
通常の伝搬はどの交信も26段コリニア、10段コリニアでは4dBmの差が計測された。
ところが、その差が出ない局が多い(半分程度)事が判明した。
ハンディ機で受信してみると共通点がある。『山岳移動局』と『山岳反射』だった。
この伝搬は電界強度が2dBm以内または差が無かった。
場所の判明した無線局、2局をピックアップして計測する。
1局は川越から40km先の800mの山頂から、もう1局は男体山反射(2500m弱←最大値)で交信をしていた。
26段を傾けると電界強度は上昇するが4dBmの差にはならなかった。
男体山反射で送信していた局が川越局と交信を始め、アンテナがこちらを向いたので、その電界強度も合わせて計測した。
[コリニアを測定中。対象局はハンディホイップで受信し、コリニアを取り付けたRF Exploreで計測した]
ここでの結論:(周りに高いビルが無い、田園地帯における結論)
- 26段は1°の打ち上げ角の変化にも敏感に反応する。とは言え、確実に距離は伸びそうだ。
- 26段はビルに囲まれた都市部(つまり上方向から電波が到来が多い場合)での使用ではsが落ちる可能性あり。
- 逆に回りに障害物なく山岳との距離も50k程度あるならば多段のメリットを生かせる。
- 10段程度ならば電波到来方向の仰角変化1-2°は影響しない模様。
※ビル反射や山岳反射が体勢を占めるロケーションでは26段は信号が弱くなるだろう。
●同軸コリニア研究会、名誉会長 冨田様!交信ありがとうございました!
●早朝の訪問にも関わらず実験地への視察かつスペアナの使用方法をご教授頂いた7K1CRZさん、大変ありがとうございました。
次回訪問時もよろしくお願いします。