会社のある友人が、山登りに行きましょう!と、言ったのがきっかけで、この山行きを始める事になった。
そこで私が「蛭から大倉に降りよう」と言ったのでこの計画は実行された。
二人共、丹沢のいろんな山に、様々な登山道を使って登ったが、縦走は初めてだった。
そして、4月7日当日。朝起きると「快晴」だった。
前日の気象庁の予報は「朝、夕、晴れ。昼間は曇りところにより雨」だった。
それで、この計画は中止になるかなと思っていたが、友人は、テレビを見て「一日、晴れ」との予報を見ていて何も疑問なく当日電車に乗ったそうだ。翌朝の天気は、快晴(午前6時頃)だった。
電車から、今日行く、丹沢の主峰がすべて綺麗に見えていて、天気予報がはずれて欲しいと願った。
橋本駅には、5時50分に到着。6時10分に友人と合流してバスに乗った。
これまで、2回このバスに乗ったけれど、一番の混雑だった。
定刻の6時20分に橋本を出発。途中の停留所でも乗り降りが続く。
そのせいで、月夜野行きバスの出発時間、6時55分には、三ヶ木(みかげ)に到着出来そうもない。
一つ隣の席の乗客が「大丈夫かよ。間に合わねえぞ。どうなっているんだ。」と何度も言う。ま、運転手には聞こえてはいないだろうが。
月夜野行きの乗客は、登山客なので、このバスが着くまでは、待っているのではと思った。
7時に三ヶ木に到着。思っていたとおり、月夜野行きバスが待機していた。
焼山登山口バス停で、4、5人降りた。残りは、蛭に行くのかと思ったが、東野バス停で降りたのは3人。
残りの席満杯のザックを背負った登山客は、どこへ??(神の川しか考えられないが、檜洞?)
7時30分に東野に到着。登山口を目指して釜立林道を登った。
林道の途中に「八丁坂の頭」への登山道が現れる。ここで、準備をしていよいよ、縦走が始まった。
この登山道は、急斜面の連続でかなり険しいが、蛭ヶ岳への最短経路だ。
途中に林業用のモノレールをくぐる部分がある。ここから少し先からが、一段と急な坂になる。
八丁坂の頭の尾根筋から今日の最初の目的地、蛭ヶ岳が見える。
まだまだ、本当に良い天気だ。ここで、小休止し軽く食事を取る。(10時半)
しばらくして、姫次に到着。富士山は頭が雲に隠れてはいたが、相変わらず素晴らしい景色だ。
左が、檜洞丸。そして雲に隠れた富士山。もちろん、蛭ヶ岳も山頂小屋がくっきり見える。
姫次から下って、しばらくすると、原小屋平に到着。
原小屋平を過ぎると、ブナ林を登山道が抜けている。
本当に回りには人がおらず、静かな深遠な山だ。
初めて歩いたとき、いつまでたっても人に出会わないので正しい道をたどっているのか不安になった。
地蔵平を過ぎた頃から、ところどころ、登山道に雪が現れる。
アイゼンは、着けてないので雪に付いた靴跡に足を乗せて慎重に歩く。
木の根元が丸く雪が融けているのは春間近のサイン。
ブナ林の上の斜面にハシゴが見えて、ブナの林に別れ告げるをいよいよ、蛭への350mの登り返しだ。
その、ハシゴの先の階段を登ると崩落地があり、そこの正面に檜洞丸が見える。
ついに、空は雲に覆われてしまった。
やっと蛭ヶ岳直下に到着。一部の階段が完全に雪に埋もれて、怖いところもあったけど、結局、ここまでアイゼンなしで来られた。
蛭ヶ岳まで、あと少し。
ついに山頂到着(12時半)。しかし、寒い。ついに雪が降ってきた。
蛭ヶ岳山頂でコーヒーを沸かして飲み、いよいよ雪が激しくなってきた。
ザックのペットボトルの水が一部凍っていた。氷点下5度以下のようだ。
鬼ヶ岩の様子を見る。
下の方にも鎖が設置されていた。登りの鬼ヶ岩は、あまり怖くなかったが、今日の雪と泥道なので、直前の狭い尾根の方がよっぽど怖かった。
鬼ヶ岩の鎖場では、足場がたくさんあり、鎖の必要性はなかった。
しかし、鬼ヶ岩からは怖すぎて、僕には降れないな。
恐る恐る、下を見る。
午後16時半、モノトーンの塔の岳到着。山頂の温度計は、氷点下3度。だけど塔の岳は、暖かく感じた。
ま、ほとんど人がいない。自分たち以外に一人と鹿一頭だけだった。
塔の岳からの下り。今日の雪で登山道はこんな感じだった。
花立山に着く頃には雪も殆ど止んで、湘南地域が見渡せた。
無謀と思えたチャレンジだったけど、無事に大倉バス停まで降りることができた。(19時少し前に到着)