Bacon繋がりで、頭に浮かんだのが「賢者の石」。コリン・ウィルソンと言う現在となっては評価に困る批評家/哲学者/ミスティクに対する評価のリトマス試験紙となると思っています。アウトサイダーがカルト的な支持を受けていたコリン・ウィルソンが出した長編小説群は当時としては驚異的な速さで翻訳されています。その中の一つが「賢者の石」、ベーコン・シェークスピア説、ヴォイニッチ手稿、旧支配者とガジェト満載。小説としての主要ストリームである「ジュリア・ソーム」物が二十世紀初頭の英国オカルトとりわけアレイスター・クロ―リへの傾斜を強めていった*のに対して、こちらはラブクラフト**。
出版当時に読んだ友人達の評価は、”つまらん、時間の無駄”(哲学少年)、”書籍オリエンテッドな頭でっかち怪奇小説”(SFマガジン命少年)と散々でしたが、私の評価は初読時からあまり変わっていません。博覧強記と書物収集癖と同居する学的規矩(Discipline )の欠如。このバランスの悪さこそがコリン・ウィルソン。"孫引き・ひ孫引きも彼の魅力の一つ"との覚悟こそ肝要と言うもの。!(^^)!
このエントリー、蛙飛びしてもう一回続きます。
* とりわけ迷宮の神。**もう一つのラブクラフト物「ロイガ―の復活」どちらも中古本で手に入ります。
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