こちらは堂々の大ベストセラー。こちらは争論/スキャンダル絡みもあっての事ですが、上座部(テラワーダ)仏教に伝わる仏伝を、丹念に追った事が日本の読者にとっては鮮烈であったという事が大きな理由だと思います。
現代日本人の逆さ眼鏡(後代のFrame of Referenveに過去の事象を観察する事)の悲喜劇を余すところなく捉えた快著だとは思いますが、Trapに嵌った方も多いようです。
著者の捉えているのは上座部仏教におけるブッダ伝承の構造とこれに則したブッダについての説話。それ以上でもそれ以下でもありませんが、始原のオブセッションに囚われた方は、逆さ眼鏡が外れると、”真なる始原”として蠱惑される事に。杞憂かも知れませんが、この辺りも十分計算の上でお書きのように見えます。凡百のとっちゃん坊やなどかなうはずもありません。
中田孝さんと清水俊史も最大の共通点は存在そのものがエコーチェンバーである事。他者はプロジェクションでしかありません。まあ宗教家としては望ましい資質なのでしょうが・・・
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