薄暗がりに沈む巨大なタペストリーのそこここに差し込むステンドグラス越の光に浮かび上がる細密なディテールといえば大室幹雄さんの「歴史の中の都市の肖像」がまず第一に浮かび上がります。プレリュードというべき「滑稽」「正名と狂言」、コーダもしくはカプリチオであるパノラマの帝国を含めると九部作。出版年次も四半世紀にわたります。
「劇場都市」に始まって「遊蕩都市」で終わる本体六部作。漢代から唐代にわたる壮大な都市国家群島(中国)とそれを浮かべる大洋(鄙)の壮大な物語。グランドイリュージョンとして堪能するのが粋というもの。承知の上で、以下浅黄裏の繰り言です。
❶時代を下り資料が増大するにつれ、細密さは増すものの、それが反ってイメージの結像を妨ぎ、より一層変化を繰り広げる万華鏡となっていくこと。
❷あくまで中国語資料およびシノロジスト・漢学者のパースペクティブ上の幻像であり、外世界からの視野は導入されていなこと
天可汗の時代で決了せざるを得なかった所以でもあり、21世紀になって箱庭世界(近世・近代日本)でのジオラマ(六義園)世界へと転進した所以でもあると勝手に憶測しています。
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