Invalid Life

「演歌・オブ・ザ・デッド」公式ブログ
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待ち伏せ

2007年09月30日 01時05分26秒 | 映画・DVD・テレビ番組
1970年 三船プロ・東宝
監督:稲垣浩
出演:三船敏郎、勝新太郎、石原裕次郎、浅岡ルリ子、中村錦之助(萬屋錦之介)、有馬一郎、北川美佳他

出演者を見ただけで、もう期待すんなよって言うのが無理なくらいの、主演しかせぇへんやろうっていう役者さんが、画面狭しと活躍している映画です。今で言うと、織田裕二やキムタク、役所広司、仲間由紀恵とかが揃って同じ映画に出るような感じでしょうか。あ、最近では僕は見ていないのですが、「有頂天ホテル」とかってそんな感じなんでしょうかね。

例によってネタバレしてますが、それはしゃーないでしょう。

昔ってこういう主演級の役者さんが揃って出るっていう映画ってよくありましたよね。群像劇になっていて誰もが主人公みたいなタイプが多かったような気がします。

この映画は、誰かが誰かを蹴落としてやろうとかそういうエゴみたいなものは画面から感じられず(実際には良い意味で他の役者を喰ってやろうっていう気概はあったと思いますが)、全員で一つの映画を作っているぞっていう迫力を感じました。「タワーリング・インフェルノ」みたいな感じでしょうかね。マックイーンだけ浮いてるのか、あれは(昔ファンでしたよっていうか今もファン)。浮いてるお陰でかっちょええんかもしれません。あれはマックイーンの映画ですよね。って話が逸れてます。

終盤まで飽きることなく、中だるみすることなく、二時間弱の映画を、時間を忘れて劇中に没頭させてくれます。丁寧に作っているのに、豪快さというか力強さがなくなっていないところが素晴らしいです。

ただ、最後、ごっつあっさりと終わっちゃうんですよね。もうちょっとだけ時間掛けて欲しかったよなぁと思いました。これまでの流れから、急にこじんまりとした形で落とされたっていう感じで、特に主要メンバーの最後の描き方に不満があるんです。

先ず三船敏郎演ずる用心棒なんですが、ラスボス?の陣地に乗り込むくらいの描写が欲しかったですね。あれではラスボス軍団がただの間抜けでしかないですよ。態々切られに出て来るなんて。予想出来るやろうに。それに三船敏郎を切る予定やねんやったら、屋敷内の方が都合がよくないですか。死体とか隠せるし、始末も楽でしょう。外なら埋めるとかにしても、時間が限られてくるし。

石原裕次郎演じるやくざ者ですが、役人を連れて来てハァハァ言ってる場面で劇中からフェードアウトっていうのは酷くないかいな。

勝新太郎演じる医者くずれも、死ぬなら死ぬではっきりと見せて欲しかった。

中村錦之助演じる役人は、劇中の出来事で性格が少し変わるのですが、唐突過ぎませんかね、変化が。あ、でも、あの役人なら、もう死ぬ心配がなくなった時点で、ああいう風に変わるっていうのはアリかな。

不満をぶちまけちゃいましたが、トータルでは結構面白かった映画です。

三船敏郎の役って、黒澤映画のあの用心棒スタイルのままですよね。勝新太郎と闘うところは、座頭市とのそれと似ているような。あ、用心棒と座頭市は闘ってる映画がありましたね。てかね、用心棒のあの右手であごを触るっていう癖?みたいな佇まいがあるんですが、織田裕二の例のリメイクでもやってるんですよね。それがね、なんか急に思い出されてしまって、三船敏郎と織田裕二がごっちゃになりかけちゃったじゃね~かよ、この野郎。ってなんで怒んねん。

三船敏郎の用心棒って、強いのか弱いのかわからないんですよね。風格はあるけど。という感想です。あれれ。


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