Invalid Life

「演歌・オブ・ザ・デッド」公式ブログ
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ブラッド BLOOD

2007年10月01日 00時11分04秒 | 映画・DVD・テレビ番組
原題:RISE

相変わらずブ(自主規制が入りました)なルーシー・リュー主演の吸血鬼映画。久々に映画館で映画を見ましたが、全国一斉後悔、ちっちっち、公開じゃないのはルーシー・リュー主演というだけではちょっとアピールが弱いのかなと思いましたが、映画の内容の問題もあったようです。

天七にある「ホクテンザ1」で初日に見て来ましたよ。ついでにパンフレット(400円)も買いましたが、どんな感じなのかは画像を見て判断して下さい。結構人が入ってたっぽくて(四割位の入り)、観客層もバラバラで(割引チケットとかやろうけど)、ちょっちびっくりです。

劇場公開だからといってネタバレがないなんて思ってもらっては困りますよ。

う~ん、従来の吸血鬼映画から脱しようとしている部分は認めるけど、それで面白くなくなっているっていう部分も認めるべきだと思うんですよ、監督・脚本の人(同じ人ね)は。

面白くなくなっているっていうのは、従来の吸血鬼ルールのどの部分を受け入れて、どの部分を無視してっていうところが、観客にちゃんと提示出来ていないと思えたところです。映画世界の背景(約束事)の説明が吹っ飛んでしまっていて、こういう映画でそれをやっちゃうと、何が劇中で起きているのか、どう対処していいのか(見ればいいのか)っていうのがもう制作側の脳内だけで進んじゃって、観客が取り残されるんですよね。それがわかっていない。

従来の吸血鬼ルールではなくて、新しい吸血鬼ルールを作る事自体は問題ないんですよ。その提示方法、観客への説明の仕方が問題なだけでね。

この映画の吸血鬼は牙を持ってなくて、吸血するには人を(ナイフとかで)切り裂いて流血させて、その血を啜るんですよね。で、血を吸われた人は吸血鬼になるわけではなくて、全部血を吸い取られた死体として捨てられてしまいます。猟奇殺人と変わりない描写です。

吸血鬼になってしまうのは、特別な吸血鬼に血を吸われる、吸われた側(人間側ね)の生命力が強い、吸血鬼にされるような血の吸われ方がある、とかこの映画ではあげられると思うのですが、上記の理由からちゃんと固定(というか設定、約束事を守ることが)出来てないように思えました。

ルーシー・リューが吸血鬼になってしまったのは生命力が強く、更に二人の吸血鬼に血を吸われたから(?)みたいですが、最後に刑事の娘が蘇るのは、既に死体となっている娘を(警察とかで保管されてるのにどうやってパクったのか不明ですが)ラスボスの女好きの三十路の金持ちっぽい男(ビショップという名前)が吸血鬼として蘇らせたからですよね。ただ、矛盾とまではいかないけど、結構御都合主義的になっていて、面白さも得られてないなと個人的には思える部分です。父親である刑事と対比させてびっくりさせるという演出目的以外にないですよね、これは。効果的とも思えなかったけど。

そういう部分からもね、吸血鬼映画というよりも、猟奇殺人犯グループに復讐しているっていう感じの映画になっちゃってるんですよ。意図的にそういう要素を取り入れているとは思うんですが、引っ張られ過ぎっていうかね、そっち方向に。吸血鬼映画を見たい層にはちょっと受けが悪いと思うんですよ、そうなるとね。

吸血鬼の弱点としては、日光に弱いのかどうかも不明で、鏡には映らない。あ、鏡に映らないのはルーシー・リュー的は弱点じゃないのか(あ、書いちゃってるよ)。銀の矢を心臓(だよね)に打ち込むことで殺すころが出来る。そこらへんの説明も、新しい吸血鬼像を描きたいのなら、きっちりと説明しておくべきだと思います。想像してくれなんて言うんだったら、そもそも映画として作る意味もないなんてことになっちゃいませんか。

他に特徴としては、何百年も生きることは出来るようです。容姿は恐らく吸血鬼になった段階のままで。明確な従属関係があるようです。所謂タテ社会というやつのようです。

ルーシー・リューを助けるおっさんはビショップっていうラスボスの父親(元支配者らしい)なんかな。っていうか制作側も持て余している感じで、どっちらけな扱いで終わってます。折角、吸血鬼の存在とか戦い方を教えるという立場で、なんとなくこいつが本当の黒幕っていうか、ラスボスになるんちゃうかっていう伏線もあったりしたのに、出番は少なく、話にあんまし絡みません。

良かった場面もありましたよ。ビショップの隠れ家で攫ってきた人とかを全裸逆さ吊りにして、下に金だらい(マジで)を置いて、血を流させてそれを受け取るという(雨漏り対策みたいな感じ)ことをやっていて、それを暗い円形の部屋の壁一面に人を吊るしてやってるわけなんですが、この場面は良かったですね~。ブレイドシリーズの人間瞬間冷凍パックよりも原始的ですが、猟奇的な雰囲気を出している映画には合ってましたね。あ、この場面を作りたいから、全編猟奇殺人的な雰囲気を作ってたんかな。あ、違いますよね。そんな力量ないですよね。

もう一つは、ルーシー・リューが最後にちゃんと殺されるところですね。これで物語は終わりという、はっきりした結末で終わり良ければ全て良しだよなぁと思ったんです。でも、最後また生き返っちゃったみたいでね。げふんげふんですよ。パートつーをそんなに作りたいのか。だから、ルーシー・リューを助けた怪しいおっさんをフェードアウトさせたのか(あ、ビショップの父親?のことね)。

一言で言うなら、ルーシー・リューの頑張りだけが無惨に空回りしている映画ですね。


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