このブログを御覧の皆様は、私が鉄道ファンであることを御存知のことでしょう。
ただ、おそらくは少数派に分類されるはずです。私は、国鉄・JRの車両などにはあまり関心が強くなく、特に特急用車両や急行用車両のことはよく知りません。乗る機会が少なかったからです。故宮脇俊三氏など、ロングシートでは旅行の情緒がないなどと主張する鉄道ファンは多いのですが、私はむしろ逆で、ロングシートに馴染んできました。さすがに新幹線や特急料金を徴収する列車であればクロスシート(できれば回転クロスシート)を好みますが、そうでなければロングシートで十分であると考えているのです。東京の地下鉄がクロスシートを採用していたら私は忌避しますし、大手私鉄などで朝のラッシュ時にクロスシート車を運用していたら、よほど乗客が少ない閑散路線であろうと思うくらいです。それに、二人席の相席状態というのは、座席指定でもされていない限りは気まずい思いをしたりするものです。実際、私は東武東上線の川越特急に乗る際に、二人席に一人でも座っていたら車内で立っています。
このような私が、幼少時から最も馴染んできたのは東急の車両でした。東急線の沿線に生まれ育った訳でもないのですが、東横線や田園都市線に乗り、渋谷、自由が丘などへ行く機会が少なくなかったからでしょう。
東急といえば、渋谷駅前のハチ公前広場に展示されていた初代5000系、日本最初のステンレスカーである5200系、日本最初のオールステンレスカーである初代7000系、日本最初のワンハンドルマスコン採用車である8000系などがあります。いずれも、私が幼少時から乗って馴染んでいたものです。とくに、1975年に製造開始、同年に東急線での営業運転開始、1976年に鉄道友の会のローレル賞を受賞した8500系は、小学生時代から現在まで、一体何度利用し、撮影してきたかわからないほどに、愛着を感じていたのです。通勤用車両としてのデザインは、この8500系ほど優れたものはないと思っているほどです。派手さはないのですが、しっかりとまとまっています。デビュー当時の技術水準などに鑑みれば、粋、通、という概念が当てはまるような気がします。大袈裟かつ的外れかもしれませんが、1970年代に登場した日本の鉄道車両の中で、東急8500系ほどの傑作はないのではないでしょうか。その意味では、鉄道友の会のローレル賞に相応しくなかったかもしれません。何故なら、国鉄50系客車、名鉄600形電車など、時代を読めなかったという意味において的外れとしか言い様のない受賞車があるからです。
その8500系も、2022年度中に東急線から完全に引退することが決まっています。東急のステンレスカーで初めて赤帯をまとったこの系列の最後の赤帯車である8631Fが引退したことにより、青帯車である8637Fのみが朝夕のラッシュ時に運行されるだけとなってしまいました。
このようなことで、東急線の売店で8500系関係グッズが多く売られるようになりました。8500系ファンとしてはあれこれと買いたくなるものばかりです。
上の写真は、8500系のデハ8500形およびデハ8600形に装着されたことのあるヘッドマーク、または車内に付けられたローレル賞受賞エンブレムを模したキーホルダーのセットです。二子玉川駅の売店で買いました。いくつかは実物で見ていますし、そうでなくとも写真で見ています。
梶が谷駅の売店でマグネットを見つけたので買いました。まずはTOQ BOX号であった8634Fです。当初の赤帯とTOQ BOX号時代のデザインです。TOQ BOX号時代でもデザインの変更が行われたことがわかるものとなっています。
マグネットセットは二種類があり、どちらも購入しました。もう一つのセットが、青帯の8637FでTOKYU CABLE TV号でも現在のBUNKAMURA号でもない時のもの、最後まで方向幕のままであり、現在は長津田車輌工場に保存されている8606F、そして末期は伊豆急カラーであった8614Fの、いずれもデハ8600形のデザインです。
二セットを購入したことが妻に知られましたので、半分以上は呆れられたことでしょう。それでもよいと思っています。
実は、私が東急に愛着を感じる理由として、幼少時から利用し続けてきたということ以外のものがありますが、ここには記さないこととします。
「昭和人俊やんの鐵活日誌回顧録帳」にしてあります。