昨日に引き続きケアマネジャー更新研修での、関西国際大学客員教授の長谷憲明氏の講義まとめ。
平成21年制度改正と24年改正の見通しについて。
小泉構造改革において始まった介護保険制度は、3年に1度、法改正が行われる。
本年改正された内容は、人材確保・業務改善の名における介護報酬の加算であった。これに伴い、利用者は利用負担増を強いられることとなった。そして24年改正についてもすでに検討が行われており、それは以下のようなイメージである。
①2025年(平成37年)には高齢者3600万人、団塊世代が後期高齢者になりニーズは増加。
②新たに住民相互の互助の観点を包含した「地域包括ケアシステム」を導入、介護保険制度もそのシステムを支える一制度として考える。
③各地域に「地域包括ケアシステム」の構築の観点から、サービス・人材・介護報酬・介護保険制度について、必要な見直しを行うべき。
①について。
現在7兆円の介護費用が、このまま推移すると19~24兆円に膨らむ。経済と調和した制度を踏まえた検討が必要であり、そのためには「地域包括ケアシステム」を構築するような検討が必要。
②について。
「地域包括ケアシステム」構築にあたっては「自助(自分でやる)・互助(後述)・共助(介護保険制度)・公助(生活保護など)」の役割分担の検討が必要。
③について。
その他、障がい者自立支援法との統合や新しい施設(在宅のような施設のような…ものらしい。意味不明)の検討や保険料の徴収段階細分化の検討などが上がっている。
「地域包括ケアシステム」とはどんなものか?
「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療・介護のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常の場で適切に提供される体制」とのこと。
現在の地域包括支援センター(またはそれに変わりうるもの)が「24時間体制サービスステーション」となり、多様なサービスの中核をなす。サービスが必要な利用者には、おおむね30分以内に届くようにする。全ての関係者が能力を出し合ってケアの計画・提供に貢献する仕組みの構築を目指す。
「互助」とは何か?
「家族・親族等、地域の人々、友人たち等との間の助け合いにより行われるものである。これまでの地縁・血縁に依拠した人間関係だけではなく、趣味・知的活動・レクリエーション・社会活動等、様々なきっかけによる多様な関係を元に、互助を進めるべき」
となっている。
私は考える。
簡単に言うと…
これまで「措置」で行われていた社会保障は「介護保険」となり、将来的にはこれも財政面と機能面でうまくいかなそうだから「みんなで助け合って生きて」というシステム従事者の丸投げを国民に(たぶん無償で)強制執行。
日本政府は欧州型社会保障ではなく低福祉路線で自助原則、「日本型社会保障」で行く。
…こうなのだろう。
前回「誰もがケアプラン作成できればケアマネジャーは廃業」というようなことを打った。そうはならないかもしれないが、「誰もが何らかの形で要介護者などを支える。それなりの指導教育をする。それを主流にしよう」というのが、財源支出抑制を狙った国の考え方と思える。小泉構造改革は、いつ終わるのだろう…制度の持続可能となった時は、次は人件費圧迫をするに違いない。今でも厳しいのに。
とは言うものの、これらの素案は、政権交代前の話である(2009年5月の時点での構想)。
民主党がどのように考えているか?各都道府県知事は、どう考えているか?今後ニュースソースに注意しよう。「地域包括ケアシステム」「互助」という名目で全国民が介護へと駆り出されることが「当たり前」になる日が近いかもしれない。この国はオーウェルの「1984年」か?
平成21年制度改正と24年改正の見通しについて。
小泉構造改革において始まった介護保険制度は、3年に1度、法改正が行われる。
本年改正された内容は、人材確保・業務改善の名における介護報酬の加算であった。これに伴い、利用者は利用負担増を強いられることとなった。そして24年改正についてもすでに検討が行われており、それは以下のようなイメージである。
①2025年(平成37年)には高齢者3600万人、団塊世代が後期高齢者になりニーズは増加。
②新たに住民相互の互助の観点を包含した「地域包括ケアシステム」を導入、介護保険制度もそのシステムを支える一制度として考える。
③各地域に「地域包括ケアシステム」の構築の観点から、サービス・人材・介護報酬・介護保険制度について、必要な見直しを行うべき。
①について。
現在7兆円の介護費用が、このまま推移すると19~24兆円に膨らむ。経済と調和した制度を踏まえた検討が必要であり、そのためには「地域包括ケアシステム」を構築するような検討が必要。
②について。
「地域包括ケアシステム」構築にあたっては「自助(自分でやる)・互助(後述)・共助(介護保険制度)・公助(生活保護など)」の役割分担の検討が必要。
③について。
その他、障がい者自立支援法との統合や新しい施設(在宅のような施設のような…ものらしい。意味不明)の検討や保険料の徴収段階細分化の検討などが上がっている。
「地域包括ケアシステム」とはどんなものか?
「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療・介護のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常の場で適切に提供される体制」とのこと。
現在の地域包括支援センター(またはそれに変わりうるもの)が「24時間体制サービスステーション」となり、多様なサービスの中核をなす。サービスが必要な利用者には、おおむね30分以内に届くようにする。全ての関係者が能力を出し合ってケアの計画・提供に貢献する仕組みの構築を目指す。
「互助」とは何か?
「家族・親族等、地域の人々、友人たち等との間の助け合いにより行われるものである。これまでの地縁・血縁に依拠した人間関係だけではなく、趣味・知的活動・レクリエーション・社会活動等、様々なきっかけによる多様な関係を元に、互助を進めるべき」
となっている。
私は考える。
簡単に言うと…
これまで「措置」で行われていた社会保障は「介護保険」となり、将来的にはこれも財政面と機能面でうまくいかなそうだから「みんなで助け合って生きて」というシステム従事者の丸投げを国民に(たぶん無償で)強制執行。
日本政府は欧州型社会保障ではなく低福祉路線で自助原則、「日本型社会保障」で行く。
…こうなのだろう。
前回「誰もがケアプラン作成できればケアマネジャーは廃業」というようなことを打った。そうはならないかもしれないが、「誰もが何らかの形で要介護者などを支える。それなりの指導教育をする。それを主流にしよう」というのが、財源支出抑制を狙った国の考え方と思える。小泉構造改革は、いつ終わるのだろう…制度の持続可能となった時は、次は人件費圧迫をするに違いない。今でも厳しいのに。
とは言うものの、これらの素案は、政権交代前の話である(2009年5月の時点での構想)。
民主党がどのように考えているか?各都道府県知事は、どう考えているか?今後ニュースソースに注意しよう。「地域包括ケアシステム」「互助」という名目で全国民が介護へと駆り出されることが「当たり前」になる日が近いかもしれない。この国はオーウェルの「1984年」か?