時間感覚の問題

　僕はもともと隅田川の花火大会が嫌いだ。関東大震災、東京大空襲と2度 も火の海を体験した隅田川で花火だなんて、僕には信じがたい。過去の経験を人々は『みんなを元気づけるため』とか言ってあんな簡単に忘れるのか、と不思議でならない。今回の東京五輪も、始まる前は反対していたのに、始まったらメダルラッシュに夢中とか、僕には永遠に日本国民の切替えの速さ、悪く言えば物忘れの速さは到底理解できそうにない。
　自分と一般の方々の問題意識の違いの根底は、きっと時間感覚の違いなん だろうなあ。僕は観念論者(我思う故に我あり、の自己中心主義)だと思っていたが、一般の人々の方がよっぽど観念論者だ(半径5m以内しか興味がない)。 私は自分が生まれる前、死んだあとのことも勘定に入れるが、他の人はそん なことはしない。お金みたいに天国に持っていけないもののために必死に働きたくなんかない、貧乏でも、今の時代で嫌われても、100年後、1000年後の世界の展望で考え、行動したいと思っている。そういう差だと思っている。
　 例えるなら、ブラタモリで地球時間感覚を他の人も養って欲しいものだ。