DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

紙ストローって誰のために存在してるの?

ヒコロヒーの短編小説集から特に気になった作品。
いわゆる「女心は分からない」を絵に描いたような物語。突然、理由も分からずに女から別れ話を切り出されるのは、若い頃ならよくあること。しかし、この話は、結婚して何年も経って、生活に具体的な支障もないまま、離婚話を切り出す。ここまで、20代、30代のアオハルを丁寧に描いたものが主だったが、ここでの修羅場は、人が経験値を重ねていても突然破綻はやってくるリアルさがある。
そこにいたるまでの経緯は一切ない。そもそも、女心の繊細さを、ヒストリーとして描き出せるくらいなら、この小説のインパクトはない。女の方も、理由なんか説明できる訳もなく、ただ、この人とはもうやっていけない、と言う感情だけが確かなものだ、と言うことしか言わない。
近頃では熟年離婚も増えて来た。お金絡みで傍からも分かりやすい理由ならともかく、基本的には他人がとやかく言うより、本人たちの辛さを理解できたら良い、のだが、実はそんなことさえ難しいことなのだ、と思い知らされる。
朝ドラ「虎に翼」でも、女性特有の痛み、月のもの、の話が出てくる。男性は経験できない痛み苦しみだが、実感できないなりに世の男たちはそんな女性に寄り添う。
翻って、女性側からも男心が分からないことはよくある。いわゆる「察してよ」というヤツだが、人によって世界の見え方が違うのだから、それは男と女の話に限らず、人類普遍の事柄だろう。
今朝、民族間の激しい対立から和解することを選んだルワンダの人たちのことを書いた。その一方で、イスラエルとパレスチナのような、いつまで経ってもこじらせたままの関係を修復できず、争いをおさめ、和解することはできないのか?ということを書いた。男と女の関係性に学ぶものはないか、と言う下心もありながら恋愛小説を読んでいたが、大人になれば理解しあえる、というものでもないらしい。いったん絶望、でも次に何か良いアイディアが見つかれば良いな、と思う。
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