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同人戦記φ(・_・ 桜美林大学漫画ゲーム研究会

パソコンノベルゲーム、マンガを創作する同人サークル

ハチミツホットミルク 【律氏】

2010年11月26日 | 短編小説
 
 
窓を開けると、夜の風が頬に当たる。それは遠慮無しに前髪の間を悠々と踊っていく。さすがに冬、少し肌寒い。そして、少し気持ちいいのかもしれない。
 一年がもうすぐ終わる。思い出すだけで微笑みがこぼれた。我ながら驚いたが一切楽しい事しか覚えていないのだ。結局、嫌な思い出はさっさとどこかへ出かけてしまう。その背中を見ると、あんなに嫌だったのが、なぜか名残惜しい気もする。
「お星様。いっぱい」
 少女は言った。私の隣りに寄り添い窓辺から星の数を数えていた。
「それなぁに?」
 少女が指差すのは、私が手に持ったオレンジ色のカップだった。
 湯気が月夜に輝き、また、世界を淡く溶かしている。とても暖かそうで、惹き込まれてしまう。少女もそうだったようだ。身を乗り出して、上目遣いに私に訊く。
「ホットミルクにハチミツを入れたものだよ」
「おいしいの?」
「ああ、とても。寒くて縮こまった心を温めてくれる」
 私が言うと、少女は目を輝かせた。
「私にもちょうだい」
「どうぞ」
 少女はカップを受け取って、息を吹きかけながらすする。
「おいしい」
「そうかい」
 笑顔は私の目の前にあった。見ていると、頬が緩くなる。これもハチミツホットミルクの効果だろうか。甘くて美味しいものは、優しいのだ。
「寒いね。でも、あったかい」
「そうだな」
 それから、私たちは満天の星空を見上げ続けた。

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 小説ではないですね。ストーリーがないので。

 とりあえず、冬ってなんだろう、と思いまして。


 実は再入院してます。十一月辺りから。

 もうそろそろ退院ですが。


 どうせだったら小児病棟に行きたいと不満を洩らしてみたり。耳鼻咽頭科で入院すれば、小児病棟が近かったのに。
 それにしても、NHKのマインちゃん可愛いね^^
 そのまま素直に育って欲しいものだ。

天上には、ウサギかカニか。【二足歩行】

2010年11月26日 | ひとりごと
僕がカニって言うと、君は笑う。

「えー、見えないよー」
「いや、見えるって」
「やっぱりウサギだよー」
「まぁウサギにも見えるけど……」
「でしょ? ほら、やっぱりウサギだよ」
「いやでもほら、あそこが鋏で、足で、目で……」
「……あー、見え……いや、うーん……」
「見えない?」
「ちょっと無理あるんじゃない?」
「えー普通に見えるって」
「あははっ、見えないよー」

暗い夜道。
そうやって空に浮かんだ月を見上げ、星が瞬くように笑いあった。
君から貰ったマフラーのあたたかさを、感じながら。
少し赤くなっている手を、『好き』の温度を、触れ合いながら。

「ねぇ……何に見える?」

僕がカニって言うと、君は笑う。
やわらかな光を浴び、君の笑顔は……どこまでもキラキラしていた。

………………。
…………でも。
どうして。どうして……なんだろうな。
僕らは、月が欠けていくように、少しずつ……少しずつすれ違っていって。

「……ごめんなさい」
「………………」
「…………分かんなく、なってきちゃったの」

キラキラした輝きは、厚い雲に覆われて……互いの光は届かない。
あるはずなのに、みえない。みつからない。温度さえも。

だから、音も無く。そう……新月のように、僕たちは――――――

……………………。
………………。
…………。

あれから、月を見るたびに何度もそのことを思い出す。

「……やっぱり、カニに見える」

誰に言うでもなくポツリと呟くと、身を刺す様な秋風が溶かすようにさらっていった。
仰げば、変わらぬ優しい光。
いや、変わったのか……かわってしまったのか、かわらないのか。わからない。

「……帰ろう」

そんなやるせなさ、冷たさしか感じない片手を、握り締める。

――――僕がカニって言っても、君は、もう……。



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夜は雲ってましたが、チラリと月が見えたり。
満月よりは、三日月のが好きです。
座って紅茶を飲まれたり、ベッドになったり、ブランコになったり。
お月様も大変ですね。

相変わらず1000字足りない。
そしてしつこくマフラーをリレーしていく。


一服。

冬のイメージ [律氏]

2010年11月21日 | 短編小説
その日、白い雪が降った。商店街も、公園も、駅前の広場も示し合わしたようにひっそりと静まりかえり、ひしめき合うのは敷き詰められた白い雪だけ。
校庭もそうだった。
「海底にいるみたいだ」
誰もいない。それが海の底を思わせた。沈められた数多の難破船はこんな光景を目の当たりにしたのだろうか。暗くて、孤独な、闇の中で。
「そうね」
振り向くと、ポケットに両手を突っ込んだ少女が校舎を背に立っていた。首に巻かれた水色のマフラーは彼女の物静かな表情をとらえているようで。その霜焼け気味の頬はどこかせつない。
「こんな場所になんのようさ。朝っぱらから」
彼女は答えるまで一拍間を置いた。そして、誰に向けるでもなく口を開く。
「私、明日、引っ越すの」「…知ってる」
彼女は一度ちらりと見ると、元に戻って続けた。
「あと何年、何十年経っても覚えてるかしら」
眼前に広がる色のない海。何もない、誰もいない校庭。
「私は…、私はきっと覚えてる」
彼女の顔には決意と不安。それから、僅かな希望が一面の雪に照り返っている。
 足跡もない雪。きっと忘れないだろう。この日のことは。その横顔と共に。


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寒いなぁ

本当は恋愛模様を強く書きたかった今作。1000字て足りるはずもなく。

次回作に期待

寒い空気の中、缶コーヒーを飲む幸せ【二足歩行】

2010年11月20日 | 短編小説
寒いねって鼻を赤くしながら首をマフラーに埋める君。
少しばかり不恰好なそれは、3日前彼女の誕生日に渡した手編みのプレゼント。
こうやって使ってもらうと、嬉しいような、恥ずかしいような。
そんな僕の視線に気づいてニコッと微笑む君。
でもすごいなぁ、私も編み物挑戦してみようかなって。
そのあたたかさを分けてくれるかのように腕を組んでくる。
……着込んでる所為かちょっと歩きにくい……とか、緊張してる? とか、野暮なことは言わない。
それだけで、いつもより、あったかくなれたから。


……………………。
………………。
…………。

「――って言うシチュエーションに憧れるんだけど」
「……あんた、編み物できたっけ?」
「う……、それは……」
「ほら、馬鹿なこと言ってないで早く行くわよ。……寒いんだから」

――――そう言って。
ぶっきらぼうに差し出された手には、去年プレゼントした青い手袋。
……もちろん手編みじゃないけど。

「……何見てんのよ」

照れたような視線に、手を差し出して応える。
ぎゅっと握ったそこからは、手袋と、彼女のあたたかさが、じんわりと伝わってきた。

「……あったかいな」
「……そうね」

――――白い息が朝日に溶けていく、いつもの通学路。





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と、言うわけで1000文字いかないよ小説……短編でした?
……律氏を見習ってたまにあげようかしら。

まぁとにかくマフラーって良いですよね。
冬は大好き。



一服。

日本って凄いねww 【律氏】

2010年11月03日 | 短編小説
 霧雨の芽吹く空気。混じる匂いは郷愁か、邪悪か。尾瀬の道に残された祠の前に立つ少女は目を閉じ、長柄を肩に担ぐ。蛍火が彼女の目蓋を照らし出し、村雲が月を遮る。光が一瞬消えた。
 少女は目を開き、薙刀の刃を翻す。
 月光が沼地を照らし出し、少女は薙刀を再び担いだ。
 足元の、暗闇の水に彼女の顔が浮かんだ。感情を無くしたような青の表情。ぼんやりとしているのは下弦の月。
「どうか安らかに」
 少女は一言残し、その場を後にした。

 茶屋には客は四人しかいなかった。少なくとも人間は。
「すみません。見ての通りでして」
 見ての通りとは、万客万来の店。普通の人間にはそう見えるのだろう。少女は、立ったままで構わないと答えた。客の応対をしてきた娘は、笑顔のまま腰を曲げる。そして、茶を取りに奥へ戻ろうとする。
 通せんぼをしたのは、三つの木机を占領していた一団だった。浪人党だろうか、八人いたがその全員が笠で顔を隠していた。腰には脇差と刀の二本差し。しかし、着衣は襤褸切れも同然だ。
「おい、足をかけておいて、謝りもなしか」
「……す、すみません」
 娘は浪人党の不躾な言いがかりに圧倒され、恐怖していた。そばにいた客はこぞって駄賃を置き、去っていく。
「おい、お前達、足をかけたのは貴様らの方だろ」
 未だ残っていた一人の侍が歯向かった。その瞬間、せせら笑っていたその一団は沈黙し、刀に手をかける。侍も戦いを覚悟したのか、半身を取り柄を取る。
 浪人党の先頭が刀を抜き放った。侍も抜き、一閃。それの脇を斬る。
 だが、血飛沫が出ない。
「な、何者」
 にやりと嫌味に笑い、慄いた侍を袈裟に斬る。侍は目をひん剥いたまま、土に落ちた。
「おい、おやじ、金を出せ。それから、お前ももらうぜ。おい、誰か連れてけ」
 へいと返事をした一団の一人の男は奉公していた娘の手を掴む。
「……いや、いやあああああ」
 叫び声が響いたと同時、娘は手を離される。娘が、えっ、と見上げると男は真っ二つに割れ、音も無く転げ。その向こうにいたのは、あの薙刀の少女だった。
「私の視界に入ったのが、お前達の天命の尽きだよ」
「なんだ、このアマ」
 六人、少女は刀を振り回す大男達の間を疾風の如く駆け、刃にかける。しかし誰一人として血は出ない。六人目を蹴り飛ばし、最後の一人に飛び掛る。が、僅かに刀身を逸らし、薙刀の間合いに入り込み少女を蹴り飛ばす。
 少女は夕闇の外へと弾き出され、飛び起きる。何事も無かったように薙刀を構えた。
「そうか、貴様、『鬼』だな」
 浪人党の最後の一人の男が刀を片手で振りながら、少女の前に立つ。
「お前は亡霊か」
「ご名答。鬼の刃じゃ、俺たちが斬られるのも分かる」
 男は駆け出し、無流の刀を振るう。少女はその刀を弾き飛ばし、斬ろうと迫った直後、男に間合いに入り込まれ襟首を掴まれる。豪腕で真上に投げられ、投げた男は脇差を取り出した。 斬られる。
 その瞬間、少女の目は赤く染まり、空は闇に覆われる。
 ばたり。倒れたのは男だった。脇差が乾いた音を立て転がった。
「安らかに」
 少女は一言呟くと、薙刀を担ぎなおし、道に足を踏み出す。
「あの、ありがとうございました。……またいつか、いつか、いらして下さい」
 茶屋の娘は我に返ったばかりの足取りで、少女に見送りの言葉をかける。腰を曲げ、板についたお辞儀と共に。
 少女は振り返りもせず、しかしその足取りはどことなく軽かった。





 ニコニコ見てたら、日本鬼子ってなんか擬人化されてました。日本って凄いね^^

 まぁ、モチーフはそれなんですが、文化祭どうでしたか。台風が来て大変でしたね。

 僕は病院があって、なかなか手伝いにも行けなかったんですが。
 
 それから、書き終わって思ったんですが、少女お茶飲んでないよ。のど渇いてないかな。飲ませればよかった。でも、千字には間に合わそうと思ったし、書く時間が一時間も無かったから。でも、またどこかに茶店あるよ。たぶん。

 あ、誰か、日本鬼子書く予定ありますか?