窓を開けると、夜の風が頬に当たる。それは遠慮無しに前髪の間を悠々と踊っていく。さすがに冬、少し肌寒い。そして、少し気持ちいいのかもしれない。
一年がもうすぐ終わる。思い出すだけで微笑みがこぼれた。我ながら驚いたが一切楽しい事しか覚えていないのだ。結局、嫌な思い出はさっさとどこかへ出かけてしまう。その背中を見ると、あんなに嫌だったのが、なぜか名残惜しい気もする。
「お星様。いっぱい」
少女は言った。私の隣りに寄り添い窓辺から星の数を数えていた。
「それなぁに?」
少女が指差すのは、私が手に持ったオレンジ色のカップだった。
湯気が月夜に輝き、また、世界を淡く溶かしている。とても暖かそうで、惹き込まれてしまう。少女もそうだったようだ。身を乗り出して、上目遣いに私に訊く。
「ホットミルクにハチミツを入れたものだよ」
「おいしいの?」
「ああ、とても。寒くて縮こまった心を温めてくれる」
私が言うと、少女は目を輝かせた。
「私にもちょうだい」
「どうぞ」
少女はカップを受け取って、息を吹きかけながらすする。
「おいしい」
「そうかい」
笑顔は私の目の前にあった。見ていると、頬が緩くなる。これもハチミツホットミルクの効果だろうか。甘くて美味しいものは、優しいのだ。
「寒いね。でも、あったかい」
「そうだな」
それから、私たちは満天の星空を見上げ続けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
小説ではないですね。ストーリーがないので。
とりあえず、冬ってなんだろう、と思いまして。
実は再入院してます。十一月辺りから。
もうそろそろ退院ですが。
どうせだったら小児病棟に行きたいと不満を洩らしてみたり。耳鼻咽頭科で入院すれば、小児病棟が近かったのに。
それにしても、NHKのマインちゃん可愛いね^^
そのまま素直に育って欲しいものだ。