「【シネクラブ】「チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢」 マルジャン・サトラピ監督」:イザ!

2012-11-11 15:23:08 | 日記

《映画は美学の精神を追求する手段》
パーレビ国王退位、イラン革命、イラン・イラク戦争-政治的な事情で14歳で故郷イランを離れ、現在はフランスを拠点にコミックやイラスト制作に力を注いでいるマルジャン・サトラピ(42)が、初の実写映画「チキンとプラム
あるバイオリン弾き、最後の夢」(ヴァンサン・パロノーと共同監督)を手がけた。
原作は自身の人気コミック「鶏のプラム煮」。
サトラピ監督は時の政治家に翻弄され、生命までも脅かされた自身の過酷な青春時代をふまえ、「主人公は愛のために死ねる人間に設定しました。
皆が愛と人間について語れるようになれば」と作品に期待を込める。
■2つの世界
天才音楽家、ナセル・アリ(マチュー・アマルリック)は、不仲な妻に大切なバイオリンを破壊されたことで人生に嫌気がさし、死を決意した。
最期の8日間で、師匠に叱られ続けた修業時代、生涯忘れられない悲恋、妻とのむなしい生活とままならなかった自らの人生を振り返る。
冒頭で描かれる山々-サトラピ監督は幼少時を過ごしたイランへの断ち切れぬ思いを映像の行間ににじませながら、不安定な政治情勢や愛のない夫婦生活といった過酷な現実と、アーティストとして望んでいるあるべきファンタジーの世界の双方が、複雑に交錯する独特なエレガントな世界を構築した。
意外にも物語を描く際、リアリズムにはほとんど関心がなく、「リアリズムを乗り越え、リアリズムをしのぐものを作りたい」と考えるからで、そもそもサトラピ監督が全幅の信頼を寄せる映画の定義とは「想像の世界や美学の精神を追求する手段」というものだった。


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