今回も座談会でお話した内容から。鈴鹿市の人口減少が、財政にどのように影響するか、自分なりに考えたことです。
次の図は、国立社会保障人口問題研究所のデータから作成したものです。鈴鹿市人口ビジョンでも、2015年から人口減少局面に入っていることが示されていますので、2015年から2045年にかけての人口推移から考え、特に生産年齢人口と個人市民税の関係に着目しました。個人市民税については、決算カードから引用しています。ただし、計算については単純に比率から算定したものになっています。
社人研のデータでは、15歳から64歳の生産年齢人口について、2015年は12万2021人、2030年には10万5318人、2045年は7万8323人と減少する予想となっています。個人市民税について、2015年は112億5777万700円でした。そこで、2015年とそれぞれの年度の人口について比較し、その比率を個人市民税の額にかけて計算すると、2030年は97億1546万1551円、2045年は72億2749万2834円という形になります。
このことから、あたりまえといえばあたりまえですが、人口減少は税収減小とはっきりつながることがわかります。この当たり前の事実をどれだけ真剣に考えているのか、そこは問われる点ではないでしょうか。
この税収減に対して、個々の収入が変わらないのであれば、人口を増やす施策で税収を確保するという考えになるでしょうし、人口が減っていくのであれば、個人の収入を増やす政策を考えなければいけないということになるでしょう。それらを組み合わせることが、これからの政策選択です。
ただ、人口増の政策について、自然増となる出生数を増やす政策をとったとしても、生産年齢人口(15~64歳)から考えられるように、生まれた子が働き始めるまでには、最低でも義務教育を終えなければいけませんから、仮に出生数が増えても15年間は労働などから税収が増えることは期待できません。
社会増となる政策について、他の地域からの移住を期待することは別の地域の人口減とつながることですし、外国人労働者の方々の受け入れを増やすことはその方々たちの生活と今の社会との融和の課題とつながるでしょうから、なんらかの形で社会的なコストが増える要因も抱えていると考えられます。
個人の収入を増やす政策について、最低賃金を上げることが考えられますが、そのためには企業の生産性向上や、労働力を低く抑えて雇用しようとする考えの転換、私たち自身もものを安く手に入れるためにはどのようなことがあるかを考えるなどが必要になるのではないでしょうか。
つまり、ある対策がそのまま解決につながるとは言えない状況です。そのようなことを政治が深く考えず、目先の人気取り政策に走ってしまえば、行き詰まるスピードを速めるだけになり、決めた人たちがいなくなったころに、選択の余地がない状況に追い込まれるのではないでしょうか。
このようなことを避けなければいけないと思っています。
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