「リトル松井」の２０００本安打を祝す

　一日遅れたが、米大リーグ、アストロズ・松井稼の「日米通算２０００本安打」を祝したい。別に縁もゆかりもない俺に祝されたって、彼はうれしくも何ともないと思うが、かつて西武担当をしていたものからすれば、やっぱり「おめでとう」と言いたいのだよ。

　正直なところ、彼が２０００本近くヒットを打っていることなど、全く知らなかった。そこそこは打っているだろうな、とは思っていたが、そこまで来ていたとは把握していなかった。西武時代の華々しさから比べると、海を渡ってからはもう一つパッとしないイメージがあったので、通算安打のことはすっかり抜け落ちていた。それはともかく、あの小柄な身体でよくここまで積み上げたものだ。

　西武担当時代に入団してきた選手ではない。担当を離れ、遊軍になってから西武に入ってきたのだが、たまたま秋季キャンプを取材する機会があり、そこで若かりし彼をつぶさにみていた。それはまあよく練習していた。当時の打撃コーチであった土井正博氏（現評論家）とマンツーマンで打撃向上に取り組み、休日も返上してひたすら打っていた。まさに「練習の鬼」といった感じで、自分に妥協をしない男だと思った。

　「これは伸びる！」と感じた通り、いや、それ以上に彼は伸びた。そしてここに至った。努力の男・松井稼。本当におめでとう。ただ、もうメジャーはいいんじゃないの。“ビッグ松井”と共に、早く日本に戻ってきてよ。