中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

「林抹消」について考える

2009-08-18 15:30:14 | Weblog
 林が抹消されたということに関して感想を、ということなので少し考えてみた。打撃内容が悪すぎるので、いずれこうなるだろう、と思ってはいたんだが、皆さんが指摘されている通り、彼の起用方法にも問題があったんじゃないかな。
 
 タイプ的に、1打席限定の打者ではなく、1試合4打席立って守ってリズムをつかむ打者だと思う。彼のバットの軌道が合いそうな右投手が先発してきた際、右翼スタメンで起用するというような、状況に応じた使い方で調子を上げてもらいたかった。ただ代打で、しかも先発が早く崩れた際の「1番手」として起用され、結果を出せ、というのはちと酷な話。相当フラストレーションがたまっていたんじゃないか。彼の顔を遠くから見る限りはそうでもなかったけど…。

 2年前、桜井と共に爆発して一躍スターダムにのしあがった頃は本当に期待していたのだが、あれからどうも「成長」が止まってしまった感がする。あの頃のようなバットスピードの速さが感じられないし、かといって柔軟性が出たということもない。一言でいうなら「壁」だろうが、これは彼個人の力ではもはやどうしょうもないと思う。

 彼の「壁」を一緒になって突き破るコーチの存在が必要だろう。林と同じ左打者で、同じような悩みを持っていたコーチ。ざっと見回して、適任者はいない。いやいるじゃないか、目の前に…。そう、金本よ。林が手本とするのは金本以外にない。「金本に弟子入りしろ!」と言いたいが、こういう状況になってはそれもかなわないか。ともかく、林はここがプロ野球人生の正念場。何とか一皮剥けてくれることを心から願う。いい人間だからなあ。