中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

新井の「大爆発」は信用していい?

2009-08-07 22:30:13 | Weblog
 この間「信用していい?」と言っていた能見が3回連続して好投し、6勝目を挙げた。もうボチボチ信用しようかな、と思っているんだが、この間「2ケタ勝利を挙げたら」と書いた手前、もう少し待とう。でも、本当にきょうもよかった。安心して見ていられた。あれだけ投げる球が決まれば、楽しいだろう。本人が「楽しいですね」なんて言ったら、これはもうしめたものだ。

 攻撃面では、金本のあの三盗がでかかったね。予期しないことが起こってしまうと、誰だって動揺する。あの場面で斉藤がビシッと抑えていたら大したものだったが、やっぱり無理だった。

 そして、新井くんよ。中日戦に続き、この試合でも3打席連続二塁打を放って復調の狼煙をあげた。打球方向はすべて中堅から左。これまで何度も何度も「引っ張ってのヒットが出たら…」なんて書いてきたが、見事にそれをやってのけた。斉藤の投球にも問題があるかもしれんが、俺はこの結果を素直に喜びたい。どこかで新井の本能が目覚めたとみる。甘いか…。

 これで3位・ヤクルトとの差が「10・5」に縮まった。これで縮まったのだよ。途方もない数字だけど、決して逆転不可能とは思わない。彼のチームが「大丈夫だ」なんて思っているそこにスキが生じる。可能性とすれば、数%だろうが、こればかりはわからん。実際去年、阪神はあのゲーム差でV逸したのだ。
 
 選手は己の仕事だけをすればいい。順位は考えるのは指導者の仕事。8月いっぱいはコツコツと借金を減らそう。あす勝てば久々の1ケタに戻る。その前に、あしたから甲子園で高校野球が始まる。楽しい季節がやってきた。

敵将・落合監督の“非情さ”を見て

2009-08-07 07:38:39 | Weblog
 きのう(6日)の中日戦についてはご覧の通りで、阪神側にすれば、ほとんど言うところはない。初回、2回の8点で勝負あり!初戦チェン、2戦目朝倉にあれほどやられた打線が、いとも簡単に11連勝の“無敗男”川井を攻略した。金本から桜井までの4連続適時二塁打は見事の一語。戦前、俺がいろいろ言った金本の一打がやっぱり効いた。久々に金本らしい、鋭い打球だった。

 しかし、落合監督というのは“えぐい”ねえ。二回表の段階で0-8。普通なら三回表から投手交代だろう。ところが、あの鬼指揮官はまず谷繁を代えるのである。そして、三回裏に川井に打席が回ってきても打たせて続投。結局、六回まで投げさせた。先発投手として、1週間に1回しか投げないのに、早い回で降板させられない、という考えだとは思うが、ほとんど“お仕置き”のようなものだった。

 大量の貯金を持つチームだから、そういう使い方でもいいだろう。だが、お客さんはいい迷惑だよ。二回まで8点取られた投手が、まだ打席に立ち、続投してもさらに打たれ続けるんだから、面白くもなんともない。あの日しか球場に来られなかった遠くのファンはどうする?泣くに泣けないじゃないか。終盤2点を返して一応スタンドは沸いたが、ほとんど中日ファンは沈黙していた。

 ああいう試合もある。それはわかる。落合監督のせんとするところも理解できる。でもね、少しはファンの側に立ったものの考え方をしてやるべきとちゃうんかな。いや、別に相手球団のことだからどうでもいいんだよ。これが阪神だったら、いかに優しい甲子園のファンだって怒るだろ?その前に、真弓監督は落合さんのようなことは絶対にしないが…。いや、性格上できないが…。

 反対に、あれだから落合監督は「すごい」とも言える。己の信念を貫くためには一切妥協しない。ほんと、嫌なチームだよ落合竜は。