中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

巨人3連戦の「金本」を振り返る

2009-08-03 06:46:03 | Weblog
 きのう(2日)はえらい失礼しましたな。ブログを更新しようという意欲はあり、実際にいろいろ書いていたにもかかわらず、こっちの不手際で全部消えてしまい、何ともお粗末な駄文(いつもだが…)で終わった。試合終了後で疲れ果てていたこともあり、再度書き直すのをやめてしまった次第で、一応プロの書き手としては情けない。本当にすんませんでした、皆さん。
 
 何を書こうとしていたかというと、決勝打を放った桜井のことに加えて、あの3連戦で快音がなかった主砲・金本についてだった。試合前の打撃練習からずっと見ていて「金本らしくない」と感じていたのだが、試合でも「らしさ」が全くなかった。技術的にどうこうというのは、プロでないからよくわからないが、見る範囲では「インパクトの強さに欠けている」ような気がしてならなかった。

 金本の入団時から見ているけど、全盛時は「引きつけて、しばきあげる」という打撃で、そのスイングスピードたるや、リーグでも巨人・松井と遜色なかったように記憶している。「弓を射る行為」を想像してほしい。極限まで弦を絞りあげ、照準を定めてスパッと放つ。これを金本の打撃に重ねてみると、軸足の左足にグッと体重を乗せ、ボールをできるだけ引きつけてから速いバットスピードで振り抜いていたから、打球は凄まじい弾丸となってすっ飛んでいた。

 2年ほど前から、その「引きつけ」が弱くなっていると感じていた。これはヒザの故障が影響しているのは間違いない。度重なるヒザの手術で、軸足に体重が乗らないから、インパクトの瞬間、力が加わらない。それでも打てていたのは、金本の培ってきた“経験”と“技術”による。

 巨人3連戦無安打に終わったことで、打率は2割6分を切るところまできてしまった。個人的には、もうデッドラインに近づいていると思っている。最終的なラインは2割5分。これを切ってしまうと危ない。いろんな意味で、危ない。普通の打者であれば、4回に1回ヒットを打ち、それが打点付きであれば文句はないのだが、何せ金本である。長年すごい彼を見てきたファンは、そこまで“墜ちた”主砲は見たくない。金本自身「決断の時期」が、迫っている。

 関本が離脱し、赤星も故障で抹消されるという。「王」が疲労困憊で「飛車」の弟分は相変わらず、そして「金」と「銀」が抜けた。和・洋の「角」は元気いいけど、この状態で長期ロードを戦い抜くにはちと辛い。京セラで2カードあるとはいえ、あそこも勝率が悪く、ロードと変わりない。鳥谷、ブラゼルの“2枚角”に期待しながら、名古屋→広島と続くロードに出よう。