中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

18年ぶり春出場「箕島」万歳!

2009-01-23 18:46:56 | Weblog
 今、このブログを箕島駅前で書いている。駅前の喫茶店で、パソコンの電源を借りながら、中腰姿勢でキーボードを叩いているのだ。電源のある位置が、席近くにはなくてね。しかし、それでも書こうと思ったのは、以前から気にしていた和歌山・箕島高が、18年ぶりに春の選抜出場を決め、その取材に来たから。別に大阪まで戻って書いたらいいのだが、現地で書きたかったのだ。

 名門復活!ということだが、誰に聞いても実力的には「初戦を突破できるかどうか…」と悲観的である。松下監督ですら「行けるとは思っていなかった」と話していたし、チームをよく知るファンも「夏の時点ではとてもとても…」と言っていた。だが、ミラクルは起こる。昨秋の県大会で3位に入り、近畿大会に出場すると、滋賀1位の近江を破り、準々決勝の天理(優勝した!)に敗れはしたが4-7と善戦した。ここが評価のポイントになった。

 特筆する選手がいるわけじゃない。どの選手を見ても普通で、ごく当たり前のチームである。だが、そんな子供たちが「名門」やら「伝統」を背負って、甲子園に登場してくる。過度の期待は可哀想でも、我々オールドファンはかつての栄光を彼らの背中に重ねて見てしまうだろう。

 あの春夏連覇当時、私は中学2年生だった。夏、星陵との3回戦は、田んぼでの作業を終えて帰ってきてからテレビで見た。忘れられない試合の1つだ。連覇を達成した決勝戦の池田戦も鮮烈に覚えている。その当時と、今の選手は比較にはならない。あのユニホームで頑張ってくれたらいい。ただそう思うだけである。

 元監督の尾藤さんは「できたらスタンドで応援する」と言っていた。できたら、俺もそうしたい。別にOBでも何でもないのだが…。自分の高校は夏の第1回大会に出場して以来、ずっと甲子園から遠ざかっている。今年の春だけ、母校を箕島に替えてしまおう。そうしよう。