中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

「生イチロー」を見てきた

2009-01-07 18:05:19 | Weblog
 イチローは、今年で「36歳」になるのだという。その年齢を聞いて、自分自身の8年前を思い浮かべた。すでに腰を痛め、精神面もかなり病んでいた。安定剤的な薬も服用していた頃だったが、同時に家庭を持った頃でもあった。メタボ親父へ一歩踏み出した頃、と総括できるか。

 スカイマークスタジアムで自主トレを公開したイチローを、まじまじと見た。すごい身体をしている。筋肉隆々という意味ではない。「全体的なバランス」がすごいのだ。誰かが「あの身体が芸術品」と言っていた。まさに言い得て妙だ。特に、下半身の造りが素晴らしい。半端じゃない。

 プリッと盛り上がった臀部(尻とかケツとかいう表現はしたくない)に、イチローのイチローたる所以を感じた。彼が外野で走っている姿を見ながら思ったのは「あの体型が維持できなくなったら、すぐにでも引退するだろうな」ということ。ただ、ここ5年間程度はありえないと思う。おそらく、40歳を越しても同じ体型を維持しているに違いない。あの脚力さえ保たれれば、成績が急降下することは考えにくい。ということは、まだまだ第一線で活躍できる。

 故障らしい故障をしていないところが、イチローのすごみである。約2時間の練習を見て、改めて彼の偉大さを知った。ただ、人間性については、何も言えない。深く取材もしたことないのだから、それが言えるはずもない。共同インタビューに答える様を、後ろの方から観察しただけで言うとすれば…いや、やめておこう。

 8年連続200本安打を継続してきて、今年は9年目に挑戦する。日本記録の3085本を開幕時に突破し、あとは未踏の域を突き進んでいく。本当にすごい選手である。今日はええもんを見た―そんな気分だ。