さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

mbr

2020-09-05 | オペラ研究
sembra fatto

『たっせ』と、柔らかく句読点で繋いだら、
次々に子音が溢れ出します。




~溢れ出す子音~

『se』から始まる『sembra fatto ...』のフレーズは、
最初のフレーズと同じメロディですが、
唇を使う子音が多く使われています。
登場順に、『m、b、f、v、p、m』です。

最初のフレーズは舌や歯、軟口蓋…つまり口の中で発音するものばかりでしたが、
続くフレーズは口の外で発音するものが多くなるのです。

パイロットが飛行機を飛ばす前に機器のチェックをするように、
最初のフレーズでは舌→歯→軟口蓋…と、順に口の中の子音の位置をチェックしました。
次のフレーズでは歯→唇→舌→唇→舌…と、口の外まで広げています。

あるいは、スザンナの満足感が、内から外へ溢れ出しているかのようです。

…そう感じて歌うと、よい表現ができそうな気がします(^^♪


最初のフレーズよりもクレッシェンドして次のフレーズ…ではありません。
同じ音量だけど、内から外にって感じです。
幸せがダダ洩れって表現した方がわかりやすいかしら?




~三重子音『mbr』~

sembraの『mbr』は子音が3つですが、難しくありません。

『b』を発音するために、口を閉じるので、
必然的に『m』も発音されます。
よって、『m』は意識しなくて大丈夫。
…間違っても、『semmmmbra』『せん~~~ぶら』と、
『m』のハミングの時間が長くならないように、
『sebra』に近い発音にします。
『え』の母音をちゃんと柔らかく響かせるって感じ!

『b』から『r』は素早く、『br』という一つの子音のように発音します。
『br』の子音よりも『あ』の母音を
ちゃんと柔らかく響かせるって感じ!

つまり、『えーあ』とボカリーゼで練習して、
それが柔らかくレガートであり、
そのボカリーゼと同じクオリティに『sembra』も揃えたらOK(^^♪




~『sembra』を練習する~

先ず、『えーあ』と練習します。
『あ』が短くなりすぎないように注意。
(日本語は、語尾が弱まって無声化する傾向があります)

次に『せーら』と練習します。
『えーあ』『せーら』『えーあ』『せーら』
繰り返して同じクオリティにします。

次に『せーbra』と練習します。
『br』は一つのように短く発音しますが、
逆に『あ』は短くしません。
『えーあ』と同じように母音を響かせます。

…と練習していると、いつのまにか『sembra』が
綺麗に響いているように思えます(^^♪
『…ように思える』はイタリア語で『sembra』です。


そしてそして、
最初の『おーら』と同じように!



~『mbr』を演奏する~

『m』は口を閉じたハミング、
『r』は、ここでは巻き舌です。
どちらも音をつけて演奏できます。
✖で表現される音符ではなく、
丸い符頭(たま)のついている音符です。

同じように『b』も演奏することができます。
一瞬ですが、音をつけることができます。

この『m』『b』『r』のような、音のつけられる子音を
有声子音と呼びます。


『mbr』の有声子音を、どの音で演奏したら
耳に心地よく響くでしょうか?




~有声子音の演奏音~

結論から言うと、
有声子音の演奏音は、前の音との関係で決まります。

『sembra』の場合、『レ→ド』と2度下降するので、
前の音である『レ』の音で、『mbr』を演奏します。
下降していたら、前の音です。

もしも、上行していたら、上がった先の音で演奏します。
『レ→ミ』なら『ミ』の音、
『レ→ソ』なら『ソ』の音です。

上行する前の音で演奏してしまうと、
音をずり上げているように聞こえ、
耳に心地よくありません。

上行した後の音で有声子音を発音すると、
歌いやすく、
ブリランテにも響きます(^^♪


ちなみに上行も下降もしていなくて同じ音なら、
絶対に完璧に、同じ音で演奏します。
当然です。




『se』のレの音で『mbr』を歌います。
歌いやすく、とにかく明るいスザンナのキャラクターも出てくると思いませんか?
コメント
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