街でよく見かける、根巻きした植木を、丸太杭で支えてある「植樹」。
よっぽどなにかの記念樹のようなこの「いかにも、植樹」というこの植え方が、実はあまりにもお粗末なものであると…。
立ち枯れの保障が1年。
結局2年までにどれだけかが枯れ、植木屋さんは潤うのだとか。
そんなのに何万円を出して、緑化運動だとか喜んでいることを自分も疑問に思っていたのだが、ここで今日きっぱりそう思いなおした。
------------------ * --------------------------- * ------------------ 近山スクール名古屋5周年記念講演会友人に誘われ、電車に乗って名古屋までやってきた。
鶴舞駅は、3年前、例の仕事で名古屋に来ていたころよく利用した駅。
今にも降りだしそうな鶴舞公園の中を通りぬけ、名古屋工業大学の門をくぐり講堂の2階へ。
「近山スクール」は、「緑の列島ネットワーク」が開催する「近くの山の木で家をつくるスクール」の略称。
里山や、循環型、持続可能な木材資源の生産、伐採など、課題の多い昨今の山林について、いろいろ考えれるいい機会。
基調講演講師のM脇氏は、世界的に、森の再生などで知られる。
ほとんど予備知識もなく拝聴させていただいたが、頭をカナヅチでなぐられたようだった。
商業的に成り立たないような無茶な植林に補助金を出し続けた過去の政策のしっぺ返しが、今の山を苦しめている現状などを、淡々と解説。
そして人間が生きていくためには、森がなければならないと。
で、表題の問題…。
要は、在来種…、その土地にもともと群生していたはずの木々を、高い密度で、小さな苗木の状態で植えるほうがいいと。
杭で支えないといけないような植樹は、植木屋さんの永久就職なのだと。
M脇氏曰く、本物でなければ駄目。外来種ではなく、その地に本来あった木であれば、数年でしっかりとした森になる。
そして彼は最後にこう語った。
木を植えるのは哲学。
「こころにも木を植える」のだと。
詳しくはこちらの方が…。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E8%84%87%E6%98%AD(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
本質を見る目…、
大事だよね。
木を植えることはもちろん、むしろそれを学んだ。
------------------ * --------------------------- * ------------------ 参考までに、この講演会は、林業として杉を産出する四国のW田さん、地元豊田市の森林課長さんらの、山の現状などの話も含め、最後は林業ジャーナリストのA堀さんが進行役のパネルディスカッションで締めくくられました。
「里山」に関する考え方もいろいろあるとは思いますが、まず、基本がここにあるのかな、と感銘をうけました。それを理解したうえでないと、森林は語れないのだろうな、と。
講師のM脇先生はじめスタッフの皆さん、充実した時間をどうもありがとうございました。