このブログでは,太陽光発電パネル(ソーラーパネル)が露天に晒され,鳥の糞や樹脂などに汚染されて,発電効率が年々低下する可能性について書いてきました。
しかし,ここにお伝えするような,太陽光発電パネルから火事が出る事態については,気が付かなかった,と云うか考えが及びませんでした。
たしか民放だったと思いますが,最近偶然に見たのは,太陽光発電パネルの裏面が真っ黒く焦げている写真でした。説明では,太陽光発電パネル1枚1枚の間をつなぐ導線(コード)の防水処理が不完全で,隙間から雨水が染みこんで漏電し,発熱したために起こったものである,とのことでした。
それならば納得がいきます。太陽光発電は,モジュールと云われる太陽光を受けて発電するパネルから構成されているわけですが,もちろん1枚だけで済むものではなく,何枚何10枚を接続して,必要電圧を得ています。
従って,モジュールを相互に直列あるいは並列に接続する必要があり,そのためには導線を縦横に張り巡らせなければなりません。太陽光発電パネルの表面は,ガラスであったり,特殊な耐久性プラスチックであったりしますが,裏面がどうなっているかは,メーカー次第と云えるでしょう。考えようによっては,値段次第かも知れません。
とすると,屋根全体に敷き詰めた太陽光発電パネルの裏面は,電気の通じる導線の網目に覆われていることになり,当然のことながら,漏電の危険に常に晒されているわけです。
もし太陽光発電がブームにでもなれば,より安い工事費を謳った競争となり,手抜き工事も出てくるでしょう。
考えられることは,配線の絶縁不良に起因する漏電です。考えてみれば,1枚の太陽光発電パネルの発電量は少なく,しかも低電圧です。それを通常の家庭用電圧,つまり100ボルトまで高めなければなりません。しかも太陽光発電パネルから得られる電流は直流であり,これを交流に変えなければなりません。それに天気になったり曇ったりすれば,電圧も変化します。太陽光発電で得られる電気は「質の良い電気」ではないのです。それはさておいても,太陽光発電にともなう火事の可能性は,絶対に軽んじるわけにはいきません。
残念ながら,足場の悪い屋根上での不良工事,手抜き工事は無くならないと思います。故意ではなく不注意による不良配線も少なくないはずです。結局,太陽光発電では,漏電の危険性は避けられないリスクとなるでしょう。
太陽光発電パネルの汚染による効率低下に加えて,漏電出火のリスクも忘れてはなりません。