ホワイト・ハウスにマリリン・モンローを引き込んだジョン F. ケネディは,翌朝,腰にタオルを巻き付けただけの格好で廊下までモンローを見送りに出てきたそうです。
勿論,大統領の寝室近くですから,そこにはセキュリティ関係者も,その他の何人かもいたそうです。
これは,ケネディの伝記を書いた人物の回顧録で読んだ話です。
ここにあるケネディにとっては,使用人は人間ではないのです。ただの動く物体とでも云ったところでしょうか。羞恥心の対象にすらならないのです。時代劇に出てくる殿様が,裸のままの姿を腰元達の眼前に晒して,湯上がりの身体を拭かせるのと大差ないのでしょう。
ノブレス・オブリジュ(Noblesse oblige)という言葉があります。「高い身分の者には,それにふさわしい振る舞いが求められる。」と訳されていますが,そこには羞恥心も求められるはずです。つまり,羞恥心のない者は,ノブレスでも何でもないのです。
ケネディ家の出自は成り上がり者だったのです。先代(ジョゼフ)が大儲けして地位を買ったと読んだことがあります。そういう手合いは,えてして地位も金で買いたがるもので,JFKの父親は,晩年何処かの大使の地位を金で手に入れました。
ところで,ここで書きたいのは,「我が」 鳩山由紀夫のことです。
この男ほど恥を知らない人物はいないでしょう。なにしろ,オバマ大統領まで,「トラスト・ミー」といってペテンにかけたのですから。沖縄の基地問題なんて,全く目じゃない。最初からあり得ないことを約束したのです。
そして今回小沢一郎が離党せざるを得なくなったのに,自分は一見小沢一郎のシンパを装いながら,民主党から動こうともしない。これも「トラスト・ミー」ですか。
この男は,世間で言う「恥知らず」,鉄面皮なのです。
ブリジストン創業者の長女と云われる母親から数十億円貰っておきながら,しらっとした顔している。一方で民主党内で野田政権を窮地に堕とし込もうと画策している。
鳩山家も,明治時代まで遡れば維新のどさくさに紛れて大儲けしたらしい悪徳武士の端くれだったようです。それが先々代,よだれの鳩山一郎の時代に,地下足袋で大金持ちに成り上がったブリジストン創業者・石橋家に近づき,創業者の長女を由紀夫,邦夫兄弟の母親として迎えたわけです。これで鳩山家は労せずして金を手に入れ,引き換えに石橋家は,名誉を手に入れたつもりでしょう。
ですから,これもノブレスでも何でもないのです。ただ,恥を知らないところだけが,ケネディ家と同じになってしまったのです。
ノブレス・エフロンテ(Noblesse effronte,effronete=破廉恥)とでも云いましょうか。
救われない人ですね。