備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『キネマの天地』

2011-09-24 02:31:50 | 国内ストプレ
(パンフ続き)4人に様々な殺害動機をつきつけるが、決定的な証拠が出てこない。そこで、尾上が4人全員が共犯説を思い付くが、そこで証言に出ない話を出した事から、逆に小倉が尾上を疑う。実は、小倉は最初から尾上を疑っており、尾上をあぶり出すための一芝居をうったのだった。そして、捕まる危険性を犯しても、小倉の芝居に付き合ったのは、『4人の大女優と同じ芝居を打てるから』と言い残し自首する尾上。そんなセリフを聞いて、4人は小倉の新作映画『諏訪峠』に決意を新たに取り組むことを誓い帰る。一人残された小倉に、自首すると言って出ていった尾上が戻ってくる。実は4人の女優を仲良くさせるために小倉が仕組んだことだった。そして、尾上は『諏訪峠』の刑事役を得るの為に引き受けたのだったが、『あの演技はくどかった』と言われてしまう。そのため、今度は先ほど演じた"退場"をリアリズムで演じる。しかし、それも気に入らず、もう一度違うパターンと小倉に促され、実演中に幕。


麻実。一番の大スター。話し方から、かなり作っているのだが語尾を濁らす上品調な話し方。雰囲気的には岸田今日子調。始終その立ち振る舞いなのだが、演出?それとも地?台本の字が読めず、顔を近づけて読むのだが、それが後半の伏線に。

三田。前回の井上作品の"夢シリーズ"でも感じたがハキハキな演技。全ての振りが大きくかなり"母さん"な演技のため、劇中で"母さんシリーズ"なる作品の主演を演じたと言われると、かなり納得その1。

秋山。基本、赤毛モノな演技なのに、アダルトというか妖艶な芝居。アングラな演技?そして、劇中で"ヤクザな女シリーズ"なる作品の主演を演じたと言われると、かなり納得その2。そして、今年二作品目なのに相変わらず声を覚えられない。

大和田。大根女優ということで、これでもかってくらいの大根演技。敢えていうなら、学芸会調のオーバー演技な演出。こちらは"都会の町娘シリーズ"。秋山に思い切りカマトトと言われ、その表現に納得。

古河。助監督として展開の補佐。他の出演者が濃くて、印象が薄い。そんな印象の薄い役なのだが、筒井道隆氏でかなり観たい役。

浅野。かなり剽軽な役廻りなのだが、若干、空回り気味。やはり役の存在自体が木場に喰われているからか?つい、三谷演出ならこの役を上手く生かしそうな…と思ってしまう。

木場。久々に木場祭りな役。こまつ座でここまで美味しい役を生で観たのは初めてかも。(一番は映像で観ている『連鎖街の人々』)いきなり通行人で登場し、(あの顔で)印象が薄いという役柄。そして、何役も演じ、最後は二度のモノローグ付きと美味しすぎる役。


演出家もパンフで触れているが、かなり異色な井上作品。謎が全面に押し出され、時間も飛ぶことなく、上演時間と同じ時間が流れる。もちろん、井上作品なので、コメディ色は有り。伏線を拾うために複数回観ても良いかもと思わせる作品。
また、歌も無いセリフ劇。一応、尾上が劇中に歌ったり、最後、映画『蒲田行進曲』のテーマ曲を全員で歌ったりするが。
2幕冒頭では、1幕最後を繰り返すが、これは演出によるものか?尾上の長台詞が聞けるので構わないけど。ただ、二回目は台詞にエコーか入る。

そして、尾上役がかなり美味しい。ラストの"退場"台詞、これを数パターンで観れる他、役者の役で複数の役を観れる。

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