備忘録

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『Hansard』NTライブ2020

2021-01-16 22:44:29 | ライブビューイング(舞台関係)
適当なあらすじ。

週末、帰宅する男。
居間から見える庭は荒れ放題。

妻は11時だというのに、寝間着のまま。

今日は、友人を自宅に招くと、
伝えていたのに、冷蔵庫のナカも空。

そんな妻は夫に、
サッチャーの、保守党への不満を連ねる。

最初こそ、かわしていた夫だが、
段々とその口論は白熱。

夫の政治主張である
保守的思考を批判し始める妻。

そして、その理由について、
若くして亡くなった息子の存在も。

息子は日記(ハンサード)を残していた。
そこには、夫との会話だけでなく、
息子自身の心境も書かれていた。

息子が自殺したその日、
妻は、妻の服を着た息子にその姿を見せつけられた事、
また、それを受け入れられなかった事を告白。

そして、セクション28
(同性愛教育の反対)
を指示した夫を非難。

投票の日、夫に会いに行くが、
会えなかったと、告白。

秘書から、一緒だったのでは、
と話を振られ、不倫と確信した妻。

そういった反抗精神からの、
今朝の行動であった。

全てを知らなかった夫だが、
その日、息子の亡くなった場所に
行っていた事が分かる。

それぞれが、それぞれの方法で、
息子を思っていた事を知り、和解。

訪問客をパブに連れて行く、
という夫に、実は家政婦に
用意させていると話し、出て行く二人。


妻。
ともかく、弁が立つ。
夫を追いつめていくが、
それが政治思考に寄るモノかと
思われたが、実は、後悔からくるモノ。

弱さを見せる瞬間、
それが、この舞台での見せ場。


夫。
ゴリゴリに保守派な政治家。
最初こそ、上手く妻の言及に対応してたのに、
だんだん、嫌味の言い合いになっていく。

ただ、それが単に妻の不平ではなく、
息子の件が有ったから、と知った瞬間からの、
表情演技が、なんとも。

全く、知らない英国俳優だったけど、
この表情演技を見せられると、
はー、ナマで見たいと。


出だしが
不平を持つ妻、
それに対応する夫。

その内容も政治や時世など、
直ぐに理解するには難解で、
脳内で咀嚼が必要。

それが、何度も続くので、
段々、右か左か、という極論に。

ただ、息子の描写が出てきた辺りや、
更に、同性愛問題や家庭問題と、
ちょっと違った方向に。

からの、泣かせに来る展開。
まー、そうなるだろうな、
と分かっていても、コレは。


かなりアザトい展開でも、
見終わった後、くるモノが有る。

夫婦の方に感情移入しがちなので、
息子視点で考えれば、どうよ、
と言えない事もないのだが。

ただ、NTライブでもう一回、
展開を分かってても観たいリスト
に、また一つ追加される作品。
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