今年冒頭の野球ネタとして,
「清原,陸上の高野進コーチに弟子入り」というニュースがありましたね。
毎年“肉体改造”と称していろいろなトレーニングを
試みている清原選手ですが,ここまではほとんど
ボディビルのように筋肉の鎧を重ね着し続け,
下半身を故障して身動きがとれなくなるという
悪循環を続けていたように思います。
そこで,今回は(パのDHや代打屋ならともかく)
走れなければ野球選手じゃないという原点に立ち戻って
ランニングのトップスペシャリストに教えを請うた
わけですが,どうなんでしょうね。
陸上の短距離走とベースランニングは,テクニックとして
かなり違うものがありますので,
高野コーチには,“走れる体づくり”という方向性での
下半身強化のトレーニング法を教わったということでしょうけど。
これを,昨日の『ザ・サンデー』で取り上げた江川卓氏,
「減量をしないと故障は避けられないが,
ホームランを量産するには体重の維持が必要
→清原は減量して3年間活躍できる体を作るか
今の体重で今年1年に賭けるかのどちらかを
選択する必要がある」
と曰っておりました。
これに対して,徳光氏は
「減量したってホームランは出ますよ」とコメント。
…今年一発目の放送の割に,江川氏,
切り口も結論も陳腐。
どちらかというと徳さんの方が正論ですよね。
ていうか,今の体重では今年1年ももたないのは
巨人に移籍して以来の彼の成績が
物語りまくっていることじゃないですか。
かつて,ドラゴンズの落合博満監督が現役時代に
腹の出ているオッサン体形を減量しないのかという質問に
「パワーを出すには体重が必要」とのオレ流反論で返し,
(年齢とともに成績は衰えてはいきましたがそれなりの)
結果を出すことで批判を封じてきました。
タイプ的に清原選手は,後ろ足に体重を残して
バットを前で払うアウトコースバッターなので
(「外角はボールを呼び込んで打つ」というのは
必ずしも正しくない)
落合選手と同様,体重があれば,ある程度パワーも
伴ってくるでしょうけれど,
どうも江川氏は,あまり深く考えての解説ではないように思えます。
どっちにしても,清原氏の高野コーチ&末続選手との
トレーニング,単なるパフォーマンスに終わらなければ…と思います。
どうも,テレビを見る限り,お気楽ムードが漂うんですよね…
ヘトヘトにもなっていないのにすぐしんどがっているようで。
これで思い出したのが,
二宮清純著『最強のプロ野球論』講談社現代新書 。
2000年の発行なので,毎年選手の顔ぶれが変わり
日々記録が書き替えられ積み重ねられていく
プロ野球の世界で,4年半という時間は価値を失わせるには
充分の時間だったりするのですが,この本は時間が経っても
決して色あせない,二宮氏の一流さを証明する著作の1つです。
メジャーに乗り込む前のイチロー,松井秀喜が
どれほど深い次元で野球というものを見つめ,
自分の力を高めるためにどういう積み重ねをしていったのか
本人や関係者の証言をもとに,巧みにまとめられています。
そこで出ているのが,松井秀喜選手との
対照としての清原選手の存在。
プロ入団以来,春のキャンプでは毎年違うテーマで
バッターボックスに入っていたゴジラ松井,
97年の場合,苦手なインハイを克服するため
極端にホームベース寄りに立ち,インハイを狙い打っていた。
(その結果,松井は本塁打王に1本差となる36本の
ホームランを記録。そのうち約3分の1が真ん中より高めの
内角球であった)
それに対してライオンズから移籍してきたばかりの
清原選手は…内角球は最初から捨て,外角球ばかりを
気持ちよさげにスタンドに運んでいた…
ライオンズ時代の清原は,
世界の王の「右打者の清原がライトに打っている間は
ホームラン王は取れない。すべてレフトを狙わないと。
清原は器用さが災いしている」
という指摘に対して,
「右打者のライトへの打球というと,スライスのかかった
流し打ちのイメージがあるんでしょうが,
逆方向に打ち切った打球,バチーンと真っ直ぐに
飛んでいく打球というのも確実に存在するんです」
と確たる持論で反論した志の高い選手だったのに,
巨人に入ったとたんに理想を語らなくなってしまった。
97年のキャンプで「理想はどうするのか」と聞かれ
「いや,どこへ入ってもホームラン1本は1本ですよ」
…って。移籍したその年でこれかよ!!
何度も書いてきたことなので(たとえば→こちら)
読まれる方はうんざりなのかもしれません(ごめんなさい)が,
巨人(セ・リーグ)入りして以来の清原(呼び捨て)は
タレント化したというか,それでも千両役者ではあり続けている
わけなのですけれど,やはり看板・期待料だけで年俸を
もらっている選手というイメージがぬぐえません。
“肉体改造”に代表されるトレーニングにしても
楽な(楽しい)方へ,楽な方へと流れている感じがします。
※筋トレなども,しんどいですけどプロなら当然ですし,
やり始めれば結構はまるものですし。
鳥取の「ワールド・ウイング」等,スポーツ工学にのっとった
けがをしない筋肉の作り方・使い方を学べるところで
トレーニングしていればこんな数年間を過ごすことは
ないと思うのですけれど(あと,死球のよけ方を
今からでもちゃんとコーチしてもらえ!)。
なんか,一般ファンのみならず有名人にも自然と人脈が
できてしまうので,有名で華やかな,テレビのニュースに
なるような人のところへ行って楽しくトレーニングを
しようという気になってしまうのかな…と思ってしまいます。
清原選手には,とにかくライオンズ時代の
豪快かつ真摯な野球スタイルにもどってもらって
(今でも一生懸命とりくんでいるのでしょうが,
「自分なりに頑張るからこれでいい」って感じが…),
文句なしに100試合以上出れる体で開幕を迎えて欲しいものです。
そうすれば,いくら堀内監督の下でも,20台後半の
本塁打数はついてくるでしょう。
※昨年は,2000本安打を達成したとたん(達成までかなり
難航しましたが),スタメンから遠ざけられましたが。
ファンから見ればそこそこよさそうに見えた清原選手でしたが
実際はやはり戦力として計算しづらい状態だったのでしょう。
そうでなかったら,10台後半の本塁打をやっとこさ記録して,
今季最終戦で涙のサヨウナラ本塁打「思い出をありがとう」
…ってところが関の山と。
ドラゴンズファンの私としては,それでもいいんですけどね。
※このエントリーをお読みいただいて
面白かったというかた→ここをクリック♪
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(人気ブログランキングです。野球部門10位!ありがとうございマス ^o^)/
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「清原,陸上の高野進コーチに弟子入り」というニュースがありましたね。
毎年“肉体改造”と称していろいろなトレーニングを
試みている清原選手ですが,ここまではほとんど
ボディビルのように筋肉の鎧を重ね着し続け,
下半身を故障して身動きがとれなくなるという
悪循環を続けていたように思います。
そこで,今回は(パのDHや代打屋ならともかく)
走れなければ野球選手じゃないという原点に立ち戻って
ランニングのトップスペシャリストに教えを請うた
わけですが,どうなんでしょうね。
陸上の短距離走とベースランニングは,テクニックとして
かなり違うものがありますので,
高野コーチには,“走れる体づくり”という方向性での
下半身強化のトレーニング法を教わったということでしょうけど。
これを,昨日の『ザ・サンデー』で取り上げた江川卓氏,
「減量をしないと故障は避けられないが,
ホームランを量産するには体重の維持が必要
→清原は減量して3年間活躍できる体を作るか
今の体重で今年1年に賭けるかのどちらかを
選択する必要がある」
と曰っておりました。
これに対して,徳光氏は
「減量したってホームランは出ますよ」とコメント。
…今年一発目の放送の割に,江川氏,
切り口も結論も陳腐。
どちらかというと徳さんの方が正論ですよね。
ていうか,今の体重では今年1年ももたないのは
巨人に移籍して以来の彼の成績が
物語りまくっていることじゃないですか。
かつて,ドラゴンズの落合博満監督が現役時代に
腹の出ているオッサン体形を減量しないのかという質問に
「パワーを出すには体重が必要」とのオレ流反論で返し,
(年齢とともに成績は衰えてはいきましたがそれなりの)
結果を出すことで批判を封じてきました。
タイプ的に清原選手は,後ろ足に体重を残して
バットを前で払うアウトコースバッターなので
(「外角はボールを呼び込んで打つ」というのは
必ずしも正しくない)
落合選手と同様,体重があれば,ある程度パワーも
伴ってくるでしょうけれど,
どうも江川氏は,あまり深く考えての解説ではないように思えます。
どっちにしても,清原氏の高野コーチ&末続選手との
トレーニング,単なるパフォーマンスに終わらなければ…と思います。
どうも,テレビを見る限り,お気楽ムードが漂うんですよね…
ヘトヘトにもなっていないのにすぐしんどがっているようで。
これで思い出したのが,
二宮清純著『最強のプロ野球論』講談社現代新書 。
2000年の発行なので,毎年選手の顔ぶれが変わり
日々記録が書き替えられ積み重ねられていく
プロ野球の世界で,4年半という時間は価値を失わせるには
充分の時間だったりするのですが,この本は時間が経っても
決して色あせない,二宮氏の一流さを証明する著作の1つです。
メジャーに乗り込む前のイチロー,松井秀喜が
どれほど深い次元で野球というものを見つめ,
自分の力を高めるためにどういう積み重ねをしていったのか
本人や関係者の証言をもとに,巧みにまとめられています。
そこで出ているのが,松井秀喜選手との
対照としての清原選手の存在。
プロ入団以来,春のキャンプでは毎年違うテーマで
バッターボックスに入っていたゴジラ松井,
97年の場合,苦手なインハイを克服するため
極端にホームベース寄りに立ち,インハイを狙い打っていた。
(その結果,松井は本塁打王に1本差となる36本の
ホームランを記録。そのうち約3分の1が真ん中より高めの
内角球であった)
それに対してライオンズから移籍してきたばかりの
清原選手は…内角球は最初から捨て,外角球ばかりを
気持ちよさげにスタンドに運んでいた…
ライオンズ時代の清原は,
世界の王の「右打者の清原がライトに打っている間は
ホームラン王は取れない。すべてレフトを狙わないと。
清原は器用さが災いしている」
という指摘に対して,
「右打者のライトへの打球というと,スライスのかかった
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逆方向に打ち切った打球,バチーンと真っ直ぐに
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「いや,どこへ入ってもホームラン1本は1本ですよ」
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巨人(セ・リーグ)入りして以来の清原(呼び捨て)は
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けがをしない筋肉の作り方・使い方を学べるところで
トレーニングしていればこんな数年間を過ごすことは
ないと思うのですけれど(あと,死球のよけ方を
今からでもちゃんとコーチしてもらえ!)。
なんか,一般ファンのみならず有名人にも自然と人脈が
できてしまうので,有名で華やかな,テレビのニュースに
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しようという気になってしまうのかな…と思ってしまいます。
清原選手には,とにかくライオンズ時代の
豪快かつ真摯な野球スタイルにもどってもらって
(今でも一生懸命とりくんでいるのでしょうが,
「自分なりに頑張るからこれでいい」って感じが…),
文句なしに100試合以上出れる体で開幕を迎えて欲しいものです。
そうすれば,いくら堀内監督の下でも,20台後半の
本塁打数はついてくるでしょう。
※昨年は,2000本安打を達成したとたん(達成までかなり
難航しましたが),スタメンから遠ざけられましたが。
ファンから見ればそこそこよさそうに見えた清原選手でしたが
実際はやはり戦力として計算しづらい状態だったのでしょう。
そうでなかったら,10台後半の本塁打をやっとこさ記録して,
今季最終戦で涙のサヨウナラ本塁打「思い出をありがとう」
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ドラゴンズファンの私としては,それでもいいんですけどね。
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確かに巨人以降の清原はなんかこう、イヤ~な感じになってしまいました。最近野球ファンになった方だったら多分「元木」あたりと印象が変わらないのでは?と・・・。引退後はハリモトやカネダみたいになるんでしょうね・・・・。
清原には、技術の探求は似合わない(本人もそう感じているのでは)し、ファンもそれを望んでいないと思います。
阪神時代の田淵のように・・・。田淵は田淵であるべきで、それを見に、わざわざグランドに足を運ぶのです。ファンとして。
実は私も先日
>二宮清純著『最強のプロ野球論』講談社現代新書
一読したところなんです。いい本ですよね,これ。
清原 この先どうなるんでしょうか?
1学年上で 清原・桑田の登場で一気に
「高校野球なんぞ、才能の有る奴だけのものだ」と
見る気がうせた想い出があるだけに、気になっています。