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土曜は『33分探偵』より『Theクイズショウ』(後)

2008-09-21 16:20:37 | 2008ドラマ
前編では『33分探偵』を異様にけなしてしまいましたが,今回は同じ土曜深夜でこっちのがお気に入りの日テレ「サタデーTVラボ」枠の『TheQUIZ SHOW』について。

金曜深夜「フライデーTVラボ」の『Happy!』『恋愛新党』についてはすごく気に入ってる旨,既に書いておりますが(→こちら(7/17)。15分ずつにコンパクトなつくりが非常にいい),サタデーに関してはちょっと遅れての参入。しかし,これはクオリティ高い!もしかしたらテレ朝伝統の金曜深夜枠より制作費あるかもしれないけど(だしゃぁっ!)フジの土曜ドラマ枠よりは絶対リーズナブルな作りでありながら,深夜らしい実験作というかまさに新感覚のドラマです。テレビ局という非日常の世界に異世界の空間をつくったというか,問題に正解すれば賞金(やテレビ出演・勝利の名誉)が手に入るクイズ番組に,己の隠したい過去を暴かれるという代償を組み合わせ,司会のMC田崎自身が記憶障害になってまで封印したい過去を抱えている事,プロデューサー山之辺との因縁といった謎と相まって目が離せないストーリーになっています。
※見逃したという方も,公式ページの「⑧全編配信」で
 過去の放送分を全話視聴することができます。
 (リンクはこのエントリーの最後に)


クイズはすべて四択で,7つの問題にすべて正解すれば賞金1千万円,そしてその1千万円と引き換えに出題される「DreamChance」に正解すれば何でも1つだけ夢をかなえてくれるというクイズ番組,それが『ザ・クイズショウ』。出演する挑戦者たちは1億3千万人の国民の中から一方的に招待され,簡単な常識問題から正解を重ね進んでいくうちに,解答者である自分自身に関する問題が出されるようになる。そしてその問題は自分のほかごく一部の人間以外誰も知るはずのないような事実…犯罪や愛する人への裏切りなど,決して公表されたくないような過去に迫ったものになっていき,自分で「答え」を口にするか,正解をあきらめるかの選択を迫られる。

解答者の才能や資質をずけずけとけなしたり,「私はあなたのすべてを知っています」と言ってキワドい問題をぶつけ,解答者をいたぶるエキセントリックな司会者・MC田崎は,記憶障害で自分自身のことはわかっていない。彼は独房のような真っ白な部屋に監禁され,番組の収録時だけスタジオに連れ出されるのだ。
番組を重ねるにつれて,彼には恋人がいて幸せに過ごしていた日々があったこと,包丁の実演販売などをしていたことなどがフラッシュバックのように思い出されるが,同時に彼の脳裏に甦るのは血まみれになったその恋人の遺体ー。プロデューサーの山之辺は,苦しむ田崎を冷酷に見下ろして部屋を立ち去る。その顔に笑みを浮かべて。

解答者が司会者と1対1で対峙してクイズに挑戦し,連続正解していくと賞金が積み上がり最高賞金が1千万円,1問でも間違えると失格という基本ルール,困ったときに第三者に助けてもらうことができるOugi(「召還」「以心伝心」「導きの手」の3種類…ミリオネアの「ライフライン」は電話・二択・観客でしたっけ)の存在など明らかに『クイズ$ミリオネア』をモチーフにしてますね。私もあの番組が始まった頃はわくわくして毎週視聴し,出場応募の電話をかけたものですが,出てくる人は皆,お金の必要な理由がVTRで紹介されるのが気になりました。一般人なのに自分のプライバシーをネタにしてるわけで,「クイズ王」みたいな人でない限り,単にクイズがしたい,大金がもらえるならほしいというくらいじゃダメだと3~4ヶ月目くらいに悟り,急激に同番組への興味が冷めたものでした(案の定,週刊誌にオーディションでダメ出しされた予選参加者の手記が載ったりもしました。そのうち段取りも楽で数字もとれるんでしょうな,芸能人ばかりが出るようになってもうダメダメですよ)。
つまり,テレビに出るからには自分を見せ物にしなければならない,『ミリオネア』に至っては,正解か間違ってるか悩ませる「みの溜め」攻撃を受ける顔をさらさないといけないし,その苦しみ,プレッシャーが本物だという担保として1千万が欲しい家族事情を全国に公表しないといけない。



国民クイズ (上巻) (Ohta comics)

杉元 伶一,加藤 伸吉/太田出版
全問正解すれば願いが叶うという設定は,勝ち残ればどんな無茶な望みでも国家が合法的に叶えてくれる『国民クイズ』を彷彿とさせますが,やはり「知力体力時の運」の『ウルトラクイズ』はともかく,問題に正解すれば賞金や賞品がもらえるというクイズ番組には人間のストレートな欲望がぶつけられる人間ドラマの舞台となりうるわけで,それをとぎすました形のこのドラマ,一見の価値ありです。15年前にこのコミックが『モーニング』に連載された当時はその濃さにちょっとついていけなかったんですが,年月を経てこの『ザ・クイズショウ』を楽しめるようになったってことは私も大人になったんでしょうかねぇw

ここまでのストーリーで,
婚約者の山之辺が相手にしてくれずアルコール依存症に至った
牧村涼子が,自宅マンションまで送った田崎を部屋に招き入れ
抱きついたこと(山之辺が目撃)が美幸の死の原因であり
田崎の記憶障害の原因であり,山之辺が田崎を憎み苦しめる
理由だということが固まってきたわけですが,
どうもおかしいということは,視聴者も見ていてわかるわけです。

で,最終章であるエピソード7の前編まで進んだ今回,
田崎は涼子が美幸から預かっていたという遺言を受け取る。
そこには彼女の死の真相が記されているわけですが,
「田崎の記憶から自分の存在が薄れた頃に渡してほしい」という
条件がついていることから,田崎を罪の意識から救うというより
追い打ちをかけるようなショッキングな内容だということも
想像がつくわけです。
おそらく,身寄りがなく施設でも周りとなじめず姉と弟
一心同体のように育ってきた2人の間には,健吾が一方的に
姉を独占しようと姉以外の女を拒絶し,姉の恋愛を妨害した
以上のうんちゃらかんちゃらがあったんじゃないかと
想像されるわけですが…

最終話,エピソード7の後編,
前編とは攻守交代して田崎が山之辺を解答者に指名,
逆襲に転じます!
やべぇ,オラわくわくしてきたぞ。

今から録画予約してでも絶対見るべし! →※最終回感想Upしました。

■キャスト
田崎徹  (片桐仁(ラーメンズ)) 職業司会者・MC田崎
山之辺健吾(戸次重幸)銀河テレビプロデューサー
(1)村瀬龍一郎(山本耕史)元ミュージシャン(×)…美幸の死の現場で曲が流れていた
(2)新田瞳 (高橋真唯)漫画家志望 (○)…田崎と美幸の似顔絵を描いたことがある。
(3)スマイリー北島(佐藤二朗)カリスマ占星術師 (×)…田崎と美幸を占ったことがある。
(4)内田清美 (佐藤江梨子)銀座ナンバー1ホステス(○)…整形前に美幸と同僚。
(5)真中ノボル(岡田義徳)ニート (×)…路上でぶつかって美幸の時計を壊した。
  真中タダオ(宮野真守)ノボルの弟。父の貿易会社を継いだ。
(6)牧村涼子 (堀内敬子)元銀河テレビ勤務,社長令嬢(○)…山之辺の元婚約者
山之辺美雪(桐島れいか)健吾の姉,田崎の恋人
招待状の配達人(中村靖日)

健吾は田崎を含めた7人の解答者を「7人の悪魔」と呼んでましたが
7つの大罪(強欲・暴食・傲慢・嫉妬・怠惰・色欲・憤怒)に例えてるんでしょうか。
台詞から,この番組毎週やってて2年続いてるようですけど,この6人以外の解答者はどうしてたの?

スマイリー北島は無名時代,田崎と美幸を占って「嫉妬が取り憑いている」と縁起でもないことを言って真istaが,振り返ってみれば不幸にも当たっていたわけですね。


『ザ・クイズショウ』も『33分探偵』も次週が最終回!
時間帯も違いますし視聴率という物差しでは優劣つけられないと思いますが,いちおう対決?が楽しみです。
(出演者がかぶったり微妙に似たテイストのところがあると思ったら,両方とも企画・制作にアットムービーが関わってるのなw)

ザ・クイズショウ 公式ページ
 ※これまでの放送を見逃した人も,全話配信中ですので,ぜひ!
  イッキ見,いけまっせ。

 配信は終了しました。


櫻井翔版『ザ・クイズショウ』第1話(2009.4.18)


主題歌/「Palaryzed ocean」 Pay money To my Pain
視聴ページ

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■関連エントリー
なんじゃそらぁ~!!『ドリームアゲイン』『SP』『シンプソンズ』(2007-12-18)
 ※「SP」で警護されるシルバー証券の大橋役を演じた片桐さん。
 プレッシャーかけられてテンパる役は天下一品ですね。
コメント (2)
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土曜は『33分探偵』より『Theクイズショウ』(前)

2008-09-21 12:58:32 | 2008ドラマ
『SP』やら『ロスタイム・ライフ』やらと,大がかりな警察ものや毛色の変わった1話完結オムニバスなど話題作を次々送り出してきたフジテレビ土曜ドラマ枠ですが,ハチャメチャな質量感たっぷりの原作を持ち込んで映像的には遊びたっぷりに料理したもののストーリー的には超グダグダにした『ハチワンダイバー』に続いて,KinkiKids堂本剛くんを久々ドラマ主演に招聘して始めた『33分探偵』は私的にはいまいちだなぁ…
同じ土曜深夜なら,日テレ「サタデーTVラボ」枠の『TheQUIZ SHOW』のほうがかなり食いつけます。


33分探偵 シナリオ・ガイドブック
普通なら即解決となる事件に対して,周りからツッコミを入れられながら(ドラマの放送時間である)「33分もたせてやる」の決めゼリフとともに独自の推理を繰り広げていく探偵鞍馬六郎(堂本剛)の活躍?ぶりを描く超ゆるゆるの新感覚ドラマ。

六郎に協力を要請し,その名推理にいちいち乗ってしまう警部役に高橋克実さん,
迷推理にツッコミを入れる助手役に水川あさみさんと,
脇を固める役者さんにも不足はないわけですし,
時間の経過時間表示とか,チープさ満点の移動シーンとか,小ネタというか遊び心というか笑えるポイントはたっぷりなんですけど,どうも楽しめなくて毎回続けて見ようという気にはなれないんですよね…。
というのは,毎回のドラマが,結論としては最初に誰もが思ったとおりの事件ということで決着するんですけど,僕が見た回に関しては,最初に見たままで納得せずに真実を見極めようと調査を開始する六郎の行動が,単にまじめな探偵というか当たり前の態度に思えて,ろくに調べもせず簡単に事件を片付けようとする周り(というか作り手・制作サイド)の姿勢のほうに嫌な感じがするんですよ。六郎の推理も,故人の脱ぎ散らかした服を犬がたたんで自殺に見せかけるとかいったムチャクチャなものもありますけど,けっこう事件の深い所を掘り起こしたり,事件の性格を変えるような新事実も明らかになったりしてるわけで。いくら美人の水川さんでも助手の分際に「そんなの最初からわかってたし」と片付けられたらむかつくんですよ。お前はバカか?調べるのと調べないのとでは全然違うだろと。どう見ても最初の見解を補強するような事実ばかりがでてきてそれを死ぬほどバカバカしい推理でひたすら塗り固めていく形ならよかったのかもしれませんが。

また,最後,六郎自身がそれまで明らかになった事実を総合して,最初に見たまんまの事件に戻る形で結論づけて終わるシーン。私,けっこう途中経過で出てきた事実に乗っかっちゃって,「殺人の線もありかも?」なんて思いかけたりするもんですから,特に説明もなく「偶然です」とか言われても,制作サイドの意図とは別の意味で「ハァ?!」と憤りを感じてしまうんですよ(アホですね)。伏線の回収といったたいそうなもんではないですけど,乗りかけたはしごをいきなり外されたほうは気持ち悪くてたまったもんじゃない。ちゃんと説明つけてくれずに「予定時間もたせたのでもうおしまい」というのは,正直納得できない。そこまでの筋の運び方にもよっては結論部分を一言で片付けてもいいような作り方も考えられますけど,この形では,ゆるゆるとか,楽しめるタイプのグダグダぶりとは私は感じませんでした。

佐藤隆太x岡田義徳x塚本高史 THE 3名様 2005・秋は恋っしょ!
このドラマ,ひたすらゆるさが話題となった『The3名様』の監督で『堂本兄弟』や『堂本剛の正直しんどい』にも構成作家として参加している福田雄一氏が原案・脚本・チーフ監督ということですけど,このゆるさ,中途半端かも。
映画化もなった人気シリーズ『トリック』のトリック部分をそぎ落としてちゃかしたパロディ的な印象を受けますが,同作のようにキャラが立っているわけでもない(鑑識室の2人はおかしなキャラがついてましたけど,メインの面々は変人といえば変なキャラだけど要は役割を演じているだけ)し,引き算した結果何が残ってるの?という印象。ゆるゆるグダグダを売りにしつつも「作り手は真剣かつまじめにやってる」とはいってもそれはドラマ形式なら基本(バラエティならゲスト出演者を笑わせるとかも手法のひとつ)ですし。
「グダグダ」で笑わせようと思ったら,破壊的にくだらなさを徹底して畳みかけてほしかったです。
そしたら逆に光一くんの『スシ王子』みたいにりきみすぎて見ていてしんどいドラマになってしまう危険もあるわけですが…。

俺,Kinki主演ドラマと相性悪いのかな…?

まあ,漫画のドラマ化なのに原作のほうがよっぽどリアルというストーリーのグダグダぶりによってブロガーの支持がすこぶる悪かった『シバトラ』も,私は「徹平くんファミリーがんばってるw」と楽しんで見てましたから(それにしても真矢さんのやらされた役は気の毒なくらい酷すぎた),「笑わせる」のではなく好きな人に「笑ってもらう」にはいい感じのドラマかもしれませんね。

ドラマ『33分探偵』公式ページ(フジテレビ)
※公式HPであらすじを一通り読んでみるとけっこう面白い。俺,ハズレの回ばかり見てたのか?

■キャスト
探偵・鞍馬六郎(堂本剛)
助手・武藤リカコ(水川あさみ)
大田原警部(高橋克実)
茂木刑事 (戸次重幸)←「クイズショウ」では主役じゃねぇか…w
情報屋  (小島よしお)←怪しい雰囲気はバッチリ
鑑識官  (佐藤二郎)←「クイズショウ」Episode3の主役
鑑識助手・アイ(野波麻帆)

(1)新婦・吉沢京子(井上佳子)
 新郎・藤田(長谷川朝晴)
 ナイフ男・山口(山本雅幸)
 芝崎エリ(上野なつひ)
(2)宇宙堂社長・権藤(山田明郷)
 権藤の妻・美佐子(宮田早苗)
 秘書・小宮山(飯田基祐)
 お手伝い・吉田(片岡富枝)
 庭師・木島(春海四方)
(7)女優・三木いずみ(原史奈)
 演出家・芦田(大石継太)
 役者・石橋(北条隆博)
 役者・吉村(山本泰弘)
 演出助手・大蔵(古山憲太郎)
 スタッフ・狩野(佐藤正和)
 照明スタッフ・山岡(八十田勇一)
(8)誘拐被害者の父・真一(大河内浩)
 フリーターの男(ムロツヨシ)


どちらも次週が最終回!
時間帯も違いますし視聴率という物差しでは優劣つけられないと思いますが,いちおう対決?が楽しみです。

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