D.D.のたわごと

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自傷も自殺も本人の自由なんですけど(虐めの即効的解決法についてもコメンテート)

2008-05-14 20:10:18 | よしなし事
いや~,なんか更新がとどこおってましたね。
1日書かなかったら2日3日あっという間。
その間,姉妹サイトのほうは順調に更新してたんですけどね。
ドラマも見る数を絞って,ニュースも更新のためだけに
引用してコメントつけてってのもおっくうというか
特に必要性を感じなくなっていた。

書きたい題材がなかったわけじゃないんです。
先日,ニュースでリストカットする若者の身体を撮影した
写真集と,その被写体となった女性の話が特集で
紹介されていて,自傷行為に対してどう考えたらいいのか
思うところがあったんです。
ですが書きだすと,たいしたことを書けるわけでもないのに
筆が進まない。そうこうしているうちに頭の中での鮮度も
落ちてきまして…。
しかしそこへ松ちゃんの「硫化水素自殺別にボクはいいですけどね」
発言騒動。とりあえず簡単に書けるとこ書いてみたいと思います。


先日ここでとりあげた写真集『small planet』は
昨年(2006年)の木村伊兵衛賞受賞作とのことでしたが,
今年(2007年)の受賞作を先日NHKのニュースの中で知りました。
_I am
岡田 敦
赤々舎


被写体は,自傷行為を繰り返す若者の,その身体。
ニュースの特集ではその被写体となった1人の女性を
中心に,被写体となるまでに彼女が経験した出来事と
今を映しだしていました。
小中学時代ひどい虐めに遭い,けれども女手ひとつでそだててくれる
母親に心配をかけられず,自分一人ですべて抱えこんでしまっていた。
リストカットする,その間は,苦しみが消えるように感じていた
とのことでした。
自傷行為をした身体を撮っている写真家・岡田敦さんの
存在を知った彼女は自ら被写体となるべく足を運びました。
傷だらけの手首を人に見せられず夏でも長袖を着て過ごす,
自傷行為の原因とは別に傷付けた身体自体も自分自身の
重荷になってしまう。そんな彼女にとって撮影と,
できあがった写真を見る(客観視する)ことは自分と向き合い
1つの区切をつけるプロセスとなったのでした。

一方,町のインタビューでリスカする人のことをどう思うか
といった質問がされていて,「心が弱い」なんて答をする
人もいたりしたわけですが,それってどうなんでしょう?
自分の身体を傷付けても悩みの原因となる現実の問題は
何も解決しないわけですから,現実逃避→逃げ と考えれば
マイナスのイメージ,弱いという見方になるのかもしれないです…が。
しない人というのは,まず,したいと思う状況になったことがないですよね。

普通,刃物で自分の手首を切れと言われたら
怖くないですか? その怖い行為を自ら行うことができる人は
「心が弱い人」なのでしょうか?

具体的に,いじめに遭っている子がいて,
キレて反撃して相手を死ぬほど傷害する子
相手を傷つけることができなくて耐えている子,
どちらが「強い子」なのでしょう?
人を傷付けることができるのが強さや勇気なら
理由を別にすれば犯罪者は心の強い人ということに
なってしまいます。

ただ,心の強い弱いという言葉の問題を別にすれば
現実問題として,虐めを受けているときには
キレて反撃するのが唯一といっていいほど有効な解決法だと
思ってるんですけどね。
いみじくも最近吉本隆明氏が
対談『日本のこども』の中でおっしゃっていて
いじめを止めるには,全く手加減なしで相手をぶん殴る。
____________↑ココ重要。
大人が介入すると話が複雑化するだけで絶対解決しないと。
確かにこういうことを自分も実際に経験したことがあって,
先生の「指導」とかクラスの「話しあい」では絶対解決しない。
先日浜ちゃん主演で放送された
ヒゲ&グラサンでおなじみ今村先生のドラマでも,
根本的な解決はまだ先でしたけど,虐め側・苛められ側双方の子が
取っ組み合いの喧嘩をして,苛めている側も心の中に何かを抱えている
ことが垣間見えたものでした。
『ごくせん』じゃないですけど,素手どうし1対1なら
場合によっては意味のある喧嘩もあるんじゃないですかね。

虐める側は,苛めたいから虐める。
ターゲットになる子にも,KY気味だったりどんくさかったり
いろいろな意味で目立っていたりと,「原因がある」
言い出せば否定はできない
(どんな人間でも理由はつけられる)。
が,虐めを実行するということは虐める側,あるいは
虐める側が置かれている「場」,あるいは両方に「問題がある」

わけで,1人1人の子どもがどんなに気をつけていても
虐めを避けるというアプローチから虐めをなくすことはできない。

では,虐めの解決において最短距離の方法はとなると
シンプルに,虐めたいと思わせなくする。
虐めたらヤバイと思わせる。

その方法が,全力での反撃。
先生が関与するのであれば,現行犯で見つけて問答無用で叱り飛ばす
くらいしかないでしょうね。

ただ,これがゴールじゃないんですよね。
自分のこととして考えた場合,さらにむちゃくちゃ考えないといけない。
大人の虐め(幸い今の自分は無縁ですけど)の場合は
こうはいきませんし,もしわが子が虐めに捲きこまれる
ようなことがあったらどうやって守ればいいかとなると,
「キレて全力で反撃」など親から教わってやるもんじゃないし
今の世の中,相手の親がDQNで絡んでくるケースも想定して
おかないといけない…。
世の中,シンプルであればどんなにいいかという事が多すぎますね。

で,頭の中がシンプルすぎて
最近問題になっている硫化水素自殺について
「そんなアホが死んだら別に俺はええねんけど」
とラジオで発言しちゃったのが,
笑いのカリスマ(笑)・ダウンタウン松本人志氏。
松本人志発言にネット大揺れ!硫化水素自殺「俺はええねん」(サンケイスポーツ) - goo ニュース
   元~SANSPO.COM
松本人志が硫化水素自殺で「放言」 「アホが死んだら別に俺はええねん」(Yahoo!J-CASTニュース
>まず、松本さんが、「いま自殺もはやっているでしょ」と話題を振った。そして、「何かよう分からん。なんや、あれ。なんか液体の、あれやわ、ガスみたいな」と言葉に詰まると、高須さんが、「硫化水素やね」と助け舟を出した。
 松本さんは、相槌を打つと、マスコミに不満をぶつけた。
  「ニュースが面白がってんねん。今日は何件あったとか、やっとるわけよ。もうええねん、もう一切そのニュースはなし」
 さらに、「自殺なんてね。報道すればするほど、あいつら寂しいヤツらだから、俺も死のうって思うヤツがたくさん出てくんねん」と批判した。
 そして、「問題発言」とされたのは、松本さんの次の発言だ。
  「まあ、ある意味ね。ちょうどええ時期に、そんなアホが死んだら別に俺はええねんけど」
 こうした会話で、2人は盛り上がった。高須さんが「ええこと言ったね、松本さん」と水を向けると、松本さんは、「ほんとに間違ってないわ、俺らはね」とうれしそうだった。


松本人志、「硫化水素自殺はマスコミが悪い」「丁度ええ時期にアホがたくさん死んでくれてオレはいいけど」とラジオで発言…ネットで話題に 痛いニュース(ノ∀`)
 問題のラジオ発言~http://www.nicovideo.jp/watch/sm3267448 (削除。『松本人志の放送局』第345回だけ削除なんだな)

話している本筋は「報道のしすぎが硫化水素自殺の被害を拡大してる
からもうやめろ」ってことで,確かに「いやー、ホントに間違ってないわ俺ら」
ですけど,一言二言余計ですわね…。
自殺に関しては報道が次の自殺を誘発するというのはもう事実で
放送局側が業界全体として真剣に検討し指針を決めるべき重大な
問題だと思います。
しかし自殺までする人のことを
「あいつら淋しい奴らだから」
「アホがたくさん死んでくれてオレはええねんけど」
で片付けるのは,思慮に欠けるとしかいいようがないです。

そりゃ,「なんでそんなことで死ぬ?!」みたいな,
他の人だったら普通に乗りこえている事柄が耐えられずに
死を選び,他人を巻き込んで大迷惑をかけるような人も
世の中にはいるでしょうが,ふつう「自殺しろ」といわれたら
絶対できない,そんなことを自ら決行するからには
それぞれの事情があるわけで,1人1人それぞれ1人の人間で,
それまで生きてきた人生があって,関わってきた人たちがいる。
ニュースで見聞きした人の人生にいちいち思いを馳せてたら
バカだと言われそうですが,自殺する人も自分と同じ人間で
それがなぜそんなひどい道を選ぶことになったのかと
ちょっとでも思うことができるなら
自殺する人を十把一絡げに「アホ」で片付ける言葉を
電波に乗せて平気ってのは,「厨房乙」ってところでしょうか。

私も,小学高学年くらいの頃,夕食中だったか,テレビで
村のお祭で子どもがおみこしの下敷きになって死んだという
ニュースが流れて,「祭りって人が死ぬ事故とか起こるもんだよ。
昔,夏に村の子供達が川や池で遊んでいた頃は毎年1人や2人は
溺れて死んだりしてたもんでしょ」
と,サラッと口にしましたよ。当然母にたしなめられましたけど。

思いやりとかやさしさって,人間にはそんなに本能では具わってないです。
親のしつけや集団生活の中で身についていくもんだと
本当に思います。
小さい子が他の子に物をゆずったり,もっと小さな子の
ことを気づかったりする情景を見て心なごむことが
誰にもあると思いますが,そういう子って,親にいっぱい
ほめられて育てられてるんだと思います。

硫化水素自殺は再三報じられているように,
周りの広範囲に致死的な被害を生じうる大迷惑行為ですから
「アホ」(常識や倫理にのっとった行為ができないという意味では)
であることは間違いないですけど
こういう発言を有名人が電波に乗せているとね…
中学生くらいだったら自然に「自殺?アホだよね」でおしまい
にする頭ができかねないです。毎週やってる番組なんですから
こういう考え方をしている人の発言を習慣的に受け入れることに
なるわけですし。

倖田來未「35歳以上は羊水が腐る」発言以上の暴言ともいわれる
今回の「アホが死んでくれてええねんけど」発言ですが
くだらない話をすることが前提のラジオのトーク番組で
「問題発言」をすることのどこが問題なのか?
(1) 当事者や身内にいる関係者を傷つける
(2) 視聴者に誤解や望ましくない認識を与える

ってところでしょうかね。
(1)の場合は,ラジオの番組なんてパーソナリティを
好きな人しか聞かないんだから,関係ない人間がとやかく言うな
という意見も出てくるわけですが,
いちばんわかりやすいパターンでいえば個人や組織に関する
デマを流す場合ですね。かつてやしきたかじん氏が
堀ちえみさんでしたか,離婚のいきさつについて
デマカセしゃべって離婚相手に訴えられ全面敗訴。

(1)と(2)の複合型としては,
「松ちゃんがアホが死んでええねんと言ってた」として
遺児が虐められる…みたいなケースでしょうかねぇ…。

先に書きましたように,虐めって「原因」はどうあれ
虐める側に「問題」があるわけですから
「虐めの原因になる」(しかも「なった」ではなく)という理由で
人の行動をとやかく言うのは納得いかないし(珍名名づけとかは
別の意味で問題だと思います)そういう発言を耳にすると
正直不快感を覚えたりもするのですが…。

松ちゃんとしては何の気なしに言ってしまった,
それこそどうでもいい一言だったとは思うのですが
やっぱ,言葉のプロならたとえゆるゆるのくだらない番組でも
考え無しに人の存在を否定する発言はすべきではなかった。
そういう発言は,中坊までに卒業してほしいものです。

楽に死ねる方法など無い!硫化水素自殺の闇 » サプリメントコラム » 知的健康生活マガジン QLife SQUARE


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完全自殺マニュアル
鶴見 済
太田出版(1993/07)

※飛び込み,飛び降り,首吊り,ガス,薬物,樹海,焼身…さまざまな,ありとあらゆる自殺の具体的な方法が紹介され物議を醸した本。よく読めば「人に迷惑をかけずにきれいで楽に死ねる方法などない」ことがわかるわけですが,本気で死を考えている人には…。
自殺のコスト
雨宮 処凛
太田出版 (2002/01)死んでから後悔しても遅すぎる。『完全自殺マニュアル』が書かなかった自殺の損得勘定。致死量のクスリの値段、自殺者遺族の年金額、電車飛び込み自殺の損害賠償額、自殺物件の下落率、自殺でもらえない生命保険の種類など、本当に自殺は得か損か?後悔だらけの人生で、死んでまで後悔したくない人のための「自殺の費用対効果」バイブル。
※『絶望に効くクスリ』が火つけ役でしょうか,最近とみに雑誌や新聞などで目にする機会の多い雨宮処凛さん。6年前にこんな本も書いていたんですね。
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