出場芸人が出場芸人を審査するというルールに「それどないやねん?」という見方がありつつもM-1やR-1グランプリに対抗する勢いで始まった「キングオブコント」。有名どころを蹴落として決勝に進出した各グループもけっこう面白かったですし,その有名どころを含めた準決勝敗退グループによる採点もほとんど私の感触と一致。ですが。

今回のシステムは,ファイナルラウンド進出の8組を
AグループとBグループの2つに分けて,各4組のうちトップ1組ずつが
もう1回ずつネタを演じる最終決戦に進出するというもの。
採点方法は,リーグ戦では,準決勝で落ちたセミファイナリスト達が採点,
500点満点((64-8)×各10=560点満点?)

最終決戦では、終了後に自分たちを含めてたどちらかの名前をあげる、
同点ならば、他のファイナリスト6組達があげたコンビが優勝となる。
(さらに同点の場合、セミファイナリスト達の投票数で決める)
※演目名は内容が判るためだけにd_d-が適当につけたものです。
<Aグループ>
① TKO (松竹芸能) 368点
「2対2の合コン」
うまいし,わかるんだけど,木下さんのキャラ,空気が読めないというより
公の場でいじってはいけない類の人みたいで私はこの手のネタでは笑えないです。
すみません。
②バッファロー吾郎(吉本興業) 460点
「闇の帝王・市毛良枝」
いや,見直しました。バッファロー吾郎といえば,
身内ウケ・芸人仲間の中で異様に持ち上げられている
マニアックな自己満足ネタで終わってる井の蛙芸人という印象しかなかったのですが
これは強烈でした。とにかくバカバカしいんだけど,老若男女を問わず
(市毛良枝さんを知らない子どもを含む)いけそうな
破壊力のあるネタに,完全にやられました。
あれだけ徹底してバカバカしくやられた後のオチが
「裁判員制度!」って,
あれで笑いをとろうなんて他の誰もできないでしょう。
③THE GEESE 改め ザ・ギース(モダンレコーディング) 400点
「卒業式前ミーティング(サッカー風)」
オンバトかレッドカーペットかで見たネタですが,
よくできてるな~。それにしてもなんで,卒業式を
メチャメチャにする打ち合わせをしてるんだよw
400を大きく超えたB吾郎とはオチのインパクトの差が
一番大きかったと思います。
あとは,ボードを見ればある程度話の内容はつかめるけど
サッカー(スポーツ)用語を知らないと面白さが半減してしまう
可能性はありますね。
④天竺鼠(てんじくねずみ)(吉本興業) 388点
「結婚式・大手企業社長の乾杯挨拶」
もう大手企業社長のキャラが抜群。
「あなたが想像しているものの2倍くらい」天丼も力を放ってましたし。
最初にイントロ会話つければM-1で十分いけるんじゃない?
<Bグループ>
① チョコレートプラネット(吉本興業) 415点
「紀元前5世紀ローマ」
モンスターエンジンの神様コントのシュールさを薄めて
人間に変換した(戻した)寸劇。
「ザワタミス」「アルバイテトス」「レミオロメルス」
「アレキサンダー大王ゲーム」「イチマルキュリトス」
…俺こういうの好きw
DT松本氏が
「本人がその気なら1時間できたやろな」
と語ったように,5分という十分な時間があるとよさが発揮できますね。
それにしてもこの年代の芸人,合コン好きやな~w
どうしても対象年齢を十代後半~30前後くらいに絞っちゃうから
賞で1等をとるのはきついでしょうね。
会場の一般客は若い女性がほとんどだったようですが,
そちらの受けはどうだったでしょう?
②ロバート (吉本興業) 473点
「サークル入部希望者」
芸歴10年・賞レースへの参加は初めてとのこと。
人気におんぶでキャラの奇抜さに走ったか?という冒頭
なんなんだかな~と思って見てると笑えるギャグが
ポンポンと飛び出てきて,さすが売れっ子と感心。
チョコレートプラネットと大差をつけて1位に躍り出た
この点差は,同じ学生ネタながらも対象年齢層が広く見込めるからか。
続いて登場したバナナマンに抜かれ思わず
「なんとかなりませんかね?」
③バナナマン (ホリプロコム) 482点
「朝礼 設楽の悪戯」
新ネタを見たかった気もしますが,2人の息というか,
しぐさの生き生きした感じはホントすごいわ。
これも小学生から大人まで誰でもわかるネタだし,
いじめ的なネタだけど日村氏のひょうひょうとしたキャラと
設楽氏の無邪気な演技が毒を薄めて,見てるほうも素直に入れる。
自分も知らなかったマゾ的感性がビンビンに呼び起こされましたねw
メチャメチャな状況にどんどんエスカレートしていって
最後の「先生!設楽君が貧血で倒れました」で集束するオチもバッチリ。
DT松本「日村のドキュメントみたいでしたね」
④2700(にせんななひゃく)(吉本興業) 327点
芸歴5年と4年の2人が組んだ結成半年のコンビ。
「ピン芸人ライブ会場の女客」
すいません,最初の20秒でほとんど意識閉じました。
キロバトルでいっても310点台がせいぜいじゃないでしょうか。
次長課長河本「一番好きです」
■最終決戦
※くじ引きで先行がバッファロー吾郎,後攻がバナナマンに。
先攻:バッファロー吾郎
「アンドロイド・トニー」
今回も万人にわかるネタでしたけど,最初のネタよりパワーダウンというか
MCのダウンタウン両氏に
「中学生(が思いつくようなネタ)やんか!」
「も~~~~~!!って言いたくなるなぁ」
と言われたように(ほめ言葉なんでしょうが),
しょうもなさが先に立っちゃいました。
「うの1号」「うまい棒1本分」は面白かったですけど
そこからどこまでも引っ張れるか,広げられるかっていうと
今日の私の感性にはピンとこなかったっす。
後攻:バナナマン
「宮沢りえと食事?!」
NHKで前に番組まるごとバナナマンという企画で見たネタ
でしたけど,このなさそでありそでやっぱりなさそな
シチュエーション,キモイけどすごく気持ちわかるリアクション
バカまる出しだけどどこか引き込まれてしまうテンションの
上がりっぷり…さすがライブ王者のバナナマン。
NHKでやったときは,本当に大林さんと食事してるって
シーンがオチで挿入されて,あのビミョーな空気感がたまりませんでした。

で,勝敗はまずこの最終対決した2組が自己判定。
(これ,本気なら自分らが演じる前に相手のネタ披露を見てなきゃいけない後攻が不利ですよね?)
当然,よっぽどのヘマでもしない限り(たとえ時間オーバー
とかしようとも)自分の勝ちと主張するわけで,
ファイナリスト6組の記名投票に。
それを1組ずつ立って言うという…そこまでさせられるんだからギャラ出ますよね?
TKO(松竹/関西) →バッファロー吾郎
ザ・ギース(MR)→バナナマン
天竺鼠(吉本) →バッファロー吾郎
チョコレートプラネット(吉本) →バッファロー吾郎
ロバート(吉本) →バッファロー吾郎

この時点で,2700(吉本)の票を開けるまでもなく
バッファロー吾郎の優勝。

結果としてみれば,バッファロー吾郎を進出させるための
ルール,組み合わせとなったわけですね。
単純に8組の上位2組を選ぶルールなら1位バナナマンの482点に次ぐ,
2位は460点のバッファロー吾郎ではなくロバートの473点なわけで。

私は最初の演目ではロバートよりバッファロー吾郎のほうが面白くて
上だったと思うんですが,最終決戦の結果があれだとそこまでの
経過まで気になっちゃうんですよね…。

これで,バッファロー吾郎さん,『笑わず嫌い王』以上の
全国区プロモーションになったことは間違いないでしょう。
お笑い界のジンクス「コンビ・グループ名に“ン”の
ついた組が当たる」に当たらない組が栄冠に輝いたわけですね。
ちなみにM-1GPの歴代優勝者
第1回…中川家(「ン」なし)
第2回…ますだおかだ(「ン」なし)
第3回…フットボールアワー(「ン」なし「ア」あり)
第4回…アンタッチャブル(「ア」「ン」あり)
第5回…ブラックマヨネーズ(「ン」なし)
第6回…チュートリアル(「ン」なし「ア」あり)
第7回…サンドウィッチマン(「ン」あり)

お笑い評論家の人とか語らせると勝ち負け云々より
出場チーム全体のレベルがどうとか言うんでしょうかね?

司会のダウンタウンのお2人はまずまず満足の御様子でバナナマンの2人と「次回!次回!」と繰り返してましたけど,2回目ありますかね…?大丈夫だとは思いますが,大塚製薬さん,やってくれますよね…?
(今回も,最終決戦に残らなかった組も含めて8組全部のネタのセット用意したんですよね?太っ腹だなぁw)
キングオブコント2008公式サイト
吉本興業芸人 バッファロー吾郎の公式ブログ
バナナマン|ホリプロコム オフィシャルホームページ
ロバート(よしもとco.jp)
TKOプロフィール(松竹芸能)
お笑い・コントユニット「THE GEESE(ザ・ギース)」ホームページ
チョコレートプラネットのブログ案内所
天竺鼠プロフィール:baseよしもと
※天竺鼠 川原のブログ
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