自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

人間国宝認定パーティー。

2024年05月13日 02時06分40秒 | 茂山家
今回のロケは 自分が撮影&ディレクターの回
バイク2台と 撮影機材をメンテナンス




チェーンリングを出演者の脚力に合わせて
40T→34Tに交換




1日みっちり2台をメンテナンス





実は今回のロケ直後に
めちゃくちゃ緊張するイベントがあって
その準備が個人的にはハードル高かった





「茂山七五三(しめ)師 人間国宝認定を祝う会」



狂言師の茂山宗彦くん(以下もっちゃん)のパパ七五三(しめ)さんが人間国宝になり
お祝いパーティーに呼んでいただいたのだが
これはハードルが高い(笑)




「なんで私が?」と思ったが
もっちゃんが「来てくれ」と言うなら行くしかない
この日のスケジュールを 半年以上前からどうにか死守した





ただ一つの「よそ行きシューズ」を引っ張り出す
20年以上前に買った ドリスバンノッテンの革靴




数年に1度しか履かないので いまだ現役





ネクタイ選びは大変だった

私はこういうパーティーに出たことがないので
勝手が全く分からないのだ

もっちゃんに どんな服装が良いかと聞いたが
「なんでも大丈夫や」と まったく参考にならない(笑)

人と話すのが苦手だし とにかく会場で目立たないようにしようと
シンプルでスッキリした印象のを探して買った



あ〜しかし心配でしかない(笑)





ロケの途中でカメラが故障し かなり焦ったが
なんとか無事終了




立ち寄った食堂



この文字の雰囲気が好き(笑)




ロケで見つけた 古い田舎のゲーセン…かと思ったら
結婚相談所だった


一度 結婚相談所に行ってみたかったなあと思う
どんな人を紹介されて
どんな人が私に興味を持ったのだろう?





旅人はもっちゃん


芸歴45年で 人間国宝の息子なのに
ADさんよりも先にお茶を淹れてくれる
偉ぶったところが全くない


どんな過酷な撮影でも 嫌だと言ったことがない
「必要とされるなら それに全力で応える」
それが茂山の流儀だと いつも背中で語ってくれる



そしてロケの次の日





正装になったもっちゃんと再会(笑)






会場はホテルオークラ京都
ものすごく広い





立食なら すみっこで大人しくしていようと思っていたら
着席でフルコースの食事が出るようだ


参ったな
隣の人とおしゃべりしなければいけない
お願いだから 気楽な人が隣であってほしい…と思っていたら





オンジェイだった(笑)


師匠である七五三(しめ)さんの晴れの日のために
チェコから飛んできたらしい


オンジェイは私と同い年(誕生日3日違い)のチェコ人で
2009年の番組「男自転車ふたり旅 〜チェコ ボヘミアの街道をゆく〜」で
通訳とコーディネーターをしてくれた縁で知り合った

出演者がもっちゃんだったから 仕事を引き受けたが
違う出演者なら途中で仕事を辞めたかったほど「キツかった」らしい(笑)



チェコのカレル大学(日本でいう東大)を出た後 来日して
京都で七五三(しめ)さんから狂言を教わった

当時は「外国人に狂言を教えるなんて」というような意見もあったようだ
「神聖な能舞台」に外国人は上がれなかったし
オンジェイは夢だった狂言師になることを諦め 帰国した


だが チェコで発足した狂言会は その後も活動を続け
七五三(しめ)さんやもっちゃんが 毎年のように狂言を教えに行き
今では劇場を超満員にするほどの人気劇団になった


「チェコで狂言劇団が24年も続くなんてすごい」
と話したら オンジェイはこう答えた

「すごいのは私たちではないよ。『狂言』がすごいんです」





人間国宝が揃ったテーブル
こんなシーン たぶん2度と見られまい(笑)





同じテーブルのおばさまが
一緒に写真に写ってくれという
なぜ私と? と思いながら写ったら
「こんな有名な人と写れるなんて」と喜んでいらした

そして「小舞は何がお好きですか?」と
目をキラキラ輝かせて見つめてくるではないか



ポカーンとしていたら
オンジェイがよく分からないギャグで誤魔化して助けてくれた


どうやら私を誰かと間違っていたらしい
番組のディレクターだと言ったら がっかりしていらした(笑)
いったい誰と間違われたのかは いまだに謎である





七五三(しめ)さんは茂山家の次男だ

本家は絶対であり 分家はそれを支えるという家訓はあるにせよ
七五三(しめ)さんが兄の当主・千五郎さんを助けようとするエネルギーは
すさまじいものがあった


『分家は本家に「死ね」と言われれば死ぬ』
それぐらいの覚悟を持って 狂言を続けていたのではないかと思う
そしてそれ以前に 七五三さんは兄・千五郎さんが大好きだったのだと思う


だが その兄・千五郎さんが早くして亡くなった
七五三さんの絶望は いかばかりだったろう


人間国宝の認定が決まって 七五三さんは
「兄がもろうたと思ってます」と泣いていらした



狂言を続けて70余年
鍛錬に鍛錬を重ねた凄まじい芸を見られる自分は
幸せ者だと思う






会場では いたる所で名刺交換が行われていた


これだけ名士が集まる場所を
ビジネスに活用しない手はないということか



ちなみに私は 名刺を1枚も配らなかった
この場を自分のために使うことは なにか違う気がした
私にとってここは 悪友のもっちゃんと
そのパパ七五三さんに会いにきただけの場でしかない



だから出世しないのだ(笑)





もっちゃん
本当に良いものを見させてもらい 感謝してる
七五三さん キヨエちゃんにも会えて嬉しかった
おめでとう
またな!



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6 コメント

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Unknown (hirowaka1979)
2024-05-13 17:03:37
未知の世界を見せてもらいありがとうございます!狂言は見たことが無いので探して見てみようと思いました!もっちゃんさんの次回の旅も楽しみです(*^^*)
よかった!! (ichi)
2024-05-14 18:19:23
よめさんに「髙木菜那がゆく」の録画を勧めたら「境遇が似ていたので気持ちが伝わってよかった!」と大絶賛でした。とにかく一つのことを貫くことはめっちゃ大変なことですね。
ありがとうございました。
追伸:前回のだめコメント破棄してください(汗)
よう! (赤い衰星)
2024-05-15 10:56:46
いつも貴殿には、山のてっぺんから景色、見せてもらってるからさ・・・

茂山のてっぺんからの景色、見てもらえて良かった。それからネクタイ似合ってたぞ。またな。
hirowaka1979さま。 (D☆)
2024-05-15 19:39:49
七五三(しめ)さん親子(息子の宗彦くん、逸平くん)の狂言は、一生に一度は見ておいた方がいいと勧められるすごい舞台です。客席と演じる3人の呼吸がシンクロします。ぜひ。
ichiさま。 (D☆)
2024-05-15 19:41:51
菜那さんはすごいですね。覚悟が違いました。
赤い衰星さま。 (D☆)
2024-05-15 19:53:23
呼んでくれて感謝してるよ。ありがとう。
会の間、挨拶に忙しく回る君の動きは素晴らしかった。
5年ぶりのネクタイ、最初違和感ありすぎたので、慣れるまで家で数日着けていたのよ。それでも会場出たら速攻ではずしたけどね(笑)

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