新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

先祖返りした立憲民主党は解体的出直しが必要か

2021年10月11日 11時41分08秒 | 衆院選挙

先週の10月5日放送の『ひるおび!』(TBS)をたまたま途中から見たら野党4党の幹部の生討論をやっていた。
 
出演は、立憲民主党・福山哲郎幹事長、日本共産党・小池晃書記局長、国民民主党・玉木雄一郎代表の4人はスタジオで、日本維新の会・松井一郎代表だけが大阪からかオンライン出演して、討論を繰り広げていた。
 
しかし「4野党」とは名ばかりで、維新の会の代表である松井一郎・大阪市長が、「外交と安保が一致していないのに、協力するのはおかしい」「立憲民主党はよく共産党と組む覚悟したな」などとひたすら立憲民主党と共産党に、絡んでいた。
 
一体松井一郎は何のために出ていたのかわからないほど、「野党共闘」に関して立憲民主党と共産党を攻め立てていた。
 
立憲の福山哲郎幹事長と共産の小池晃書記局長はどう協力していくかを冷静に説明していたが、何を言っても、松井一郎が「日米安保同盟は?」「自衛隊は?」などと絡み続けるために、それへの回答にばかり時間を取られ、結局、1時間近く討論の時間を取りながら、各党が自党の政策についてまともに語れたのは討論終了間際、4党合わせてわずか8分程度だった。


 さらに、維新の代表として出演しているのに維新の公約すらろくに説明せず、ひたすら立憲と共産に絡み続けた松井一郎の行動は、野党共闘に水をさすために出てきたとしか思えないもの。

そういう意味では、維新が自民党の補完勢力にすぎないことを改めて証明したのだが、不思議と国民民主党・玉木雄一郎が野党らしく見えてしまったほどであった。
 
しかし本当の問題点は別のところにあった。 
 
『ひるおび!』出演者のバービーが番組の野党の扱いに疑問!「自民党総裁選は一人ずつ聞いたのに野党は少ない時間で一列に並べて
 

恵が話をすり替えても、「報道の仕方として野党の時間が少ない」と明言したバービー
 上述した野党批判の街の声が紹介されたあと、恵から「バービー、どうでした?」とふられると、バービーはまず、こう答えた。
「いや、あの、こうやって野党を一列に並べるような話し合いじゃないほうがよかったなっていうふうに思いました。おひとりずつちゃんと聞けたほうが。この間の(自民党)総裁選のときは、お一人ずつ聞けたじゃないですか。だからゆっくり聞けたから、この人のここいいなとか思えたけど、いまは理想論みたいなところだけで話が終わっちゃって具体的なところがあまり聞けなかったのは、ちょっと残念だったなって」
 ソフトな語り口ではあったが、自民党総裁選では候補者を一人ずつ呼び、一人に約1時間費やしていたのに、野党4党の代表を一列に並べるやり方について「残念だった」と疑問を呈したのである。
 ところが、恵はこれに対して「たまたま4人だったんですけど。総裁選が4人で、いろんな意見があってもこの中から1人でしたもんね。だから今回はそう見えなかったってことなんでしょ?」と、野党側の能力不足によって政権を担える者に見えなかったという話にすり替える。
 しかし、バービーはそれには与せず、「今回はこの中から政権を担う政党が出る可能性があるじゃないですか?」と毅然と原則論を主張。
 恵がさえぎって「まあ、組んでいくってことですけど」とごまかすが、バービーはそれに惑わされず、毅然とこうコメントした。
「なのに、この間の一人ひとりよりも時間が少ないのはちょっともったいないなって。報道の仕方として、という意味で」
 そう。バービーは、野党の政策がきちんと聞けなかったのは、出演者の問題でなく、番組側の問題であることをハッキリと指摘したのだ。
 ごまかせなくなった恵はようやく「もうちょっと枠をってことですかね?」と応じたものの、しかし、バービーが「もうちょっと聞きたいし、具体的なところ聞きたかったです」と伝えると、恵は「そうですね、次の機会にそれができればと思いますが」とお茶を濁して、話を終わらせてしまった。
 そして、バービーの発言後も、番組はまた野党に批判的な街の声を紹介したのである。
メディアの「政策が違う党が野合」「野党は批判ばかり」という野党攻撃に騙されるな
 野党に対する不公平な扱いに対して疑問を呈したバービーの主張はまさに正論と言っていい。
 しかも、番組レギュラーであるにもかかわらず、番組の姿勢に踏み込み、所属事務所の先輩であるMCの恵の圧に負けず、自分の意見をきちんと主張した勇気は高く評価すべきだろう。
 しかし、残念ながらこうした真っ当な発言をできるコメンテーターは現在のテレビにはほとんどおらず、政権応援団やその空気に流されてしまう付和雷同のコメンテーターが圧倒的だ。番組も同様で、自民党や政権に対しては及び腰なのに、野党に対しては、揚足取りや事実を歪めるような攻撃を平気で仕掛けている。
 その典型が、今回、『ひるおび!』でもしきりに語られていた「各党で政策が違うのに選挙目当てで野合している」という野党共闘批判だろう。
 実際は、自民党だって政策がバラバラ。この間の自民党総裁選だって、候補者たちは経済政策や選択的夫婦別姓などてんでバラバラな主張をしていた。ところが、自民党に対しては「異なる主張の勢力を擁する自民党は懐が広い」などと持ち上げ、野党共闘になると「違いガー」となるのだ。
「野党は批判ばかり」というのも明らかにメディアが植え付けたイメージだ。実際は、野党は対案を常に出している。コロナ対策についても野党は数々の対案を提出、国会開催も要求してきたが、自民党がそれを拒否していたのだ。ところが、テレビはそうしたことはまともに伝えず、あたかも野党が反対だけを叫び、対策を妨害していたかのような印象を植え付けてきた。
 おそらくこれから選挙戦が本格的に始まったら、あらゆるワイドショー、情報番組で、今回の『ひるおび!』のような露骨な“自民党擁護"と“野党下げ"が繰り広げられるはずだ。
 このメディアの体質が変わらない限り、政権交代は難しいだろう。

 
「このメディアの体質が変わらない限り、政権交代は難しいだろう」と言ってしまえば実も蓋もない話になってしまう。
 
メディアの基本は「政権を支える」ことではなく「監視」することであるはずである。
 
それが「アベ・スガ」長期政権時代に、総務省や首相官邸からの恫喝により、メディアはすっかり政権批判の牙が抜かれてしまっている。
  
自民党の総裁選期間中の当初は、国民向けにも「耳当たりのよい」威勢の良い政策を口走っていた岸田文雄。
 
しかし第100代の首相になってからは、すっかり「大変身」してしまい早くも地金が見え始めていた。
 
 「岸田首相『金融所得課税は当面触れない』 総裁選での発言から後退
 
 「『所得の再分配』への『やる気』が少しは感じさせる政策だっただけに、「あーあ」という感想しか浮かばない。」
 「選挙前は、あっちにいい顔、こっちにいい顔しないといけないから大変ですね。
こんな人、信用できませんよ。」
「予想通りのネオリベ旋回。口だけ党改革と分かると、自民支持層のウケは良かろう。そっちを狙っていけよ、無理すんなwww」
「この人、ほんと風見鶏だな。
すぐ周りに影響されて、言ったこと実行する気が全くない。総裁選で話したことは結局嘘だらけだ。」
「この件も、閣僚人事も、上の顔色みてお伺い立てる人なんだなぁと痛感させられてしまったね。
政治家なんてそんなもんなんだろうか。それをやったから「当選させて貰えた」のだろうか。どの道光は見えない。」
 
当然ながら、こんな変身ぶりには野党第一党枝野幸男代表は黙ってはいない。
 
 「『自分で決められない政権』 金融所得課税めぐり枝野氏が批判

 
立憲民主党は次期衆院選に向けた公約として、「株の売買・配当利益などへの金融所得課税の強化」を掲げていることは当初の岸田文雄の政策とかなり重なっていた。
 
枝野幸男はこれまで「富裕層ほど金融所得課税の対象になる所得の比率が圧倒的に多い。ゆがみは変えざるをえない」として、金融所得課税の強化によって増える財源をもとに、賃金の底上げや、医療や介護、教育の充実に取り組む考えを示してきた。
 
したがって、こんな指摘もあった。
   
野田佳彦政権時に民主党幹事長を務めた輿石東・元参院議員が枝野幸男に対してこんな注文を付けていた。
 「重鎮・輿石氏が立憲に注文 『枝野個人商店ではダメだ』
 
 
今年の10月以降に総選挙が行われることは、昨年の菅義偉内閣が発足した時点でも明らかになっていた。
 
要するに1年前から野党はどんな形で戦えば自公勢力に勝てるのか、すなわち政権交代を実現するには何が必要かということを十分認識していたはずである。
 
それが総選挙日程が決まり投開票まで2週間足らずという時期になってもまだ足元がぐらついている。
 
さすがにこの御仁も立憲民主党の解体的出直しが必要と指摘していた。 
    
 「野党選挙対応に致命的な遅れ

問題の核心は旧民主党、旧民進党、立憲民主党の鵺(ぬえ)体質にある。
日本支配勢力の基本戦術は野党の分断。
反自公勢力を「共産党と共闘する勢力」と「共産党とは共闘しない勢力」に分断すること。
このために共産党に対する誹謗中傷が展開される。
旧民主党、旧民進党、立憲民主党のなかに「水と油」が同居している。
「共産党とは共闘しない」を掲げる勢力は「隠れ自公」。
戦争法制を肯定し、原発稼働を容認し、消費税増税を容認する。
旧民進党が「希望の党」騒ぎをきっかけに、立憲民主党と国民民主党に分裂した。
この分裂が歓迎されたのは「水と油」の同居が解消されると期待されたから。
立憲民主党が共産党とも共闘する方向を明確に打ち出して強固な野党共闘体制を構築すれば政権奪還も可能になる。
これが、立憲民主党が期待された理由。
実際、選挙では共産党が支援して立憲民主党が多数議席を確保した。
ところが、その立憲民主党が先祖返りしている。
共産党とは共闘しない勢力が立憲民主党を振り回している。
2020年の京都市長選では立憲民主党が共産党推薦候補を支援せずに自公と手を組んで現職候補を支援した。
今回衆院総選挙でも立憲民主党は共産党候補を支援せず、国民民主党の前原誠司氏が出馬する選挙区の候補者を取り下げる。
背後に蠢(うごめ)くのはCIA。
自民党も「隠れ自公」の国民民主党候補当選には協力的だ。
共産党を含む野党共闘が脅威になるため、反自公陣営の分断を図っている。
問題は、立憲民主党を支配する枝野幸男氏、福山哲郎氏、泉健太氏がそろって野党分断工作に関わっていること。
今回の衆院総選挙は実質的に任期満了。
昨年9月に菅内閣が発足した際、直ちに衆院総選挙が実施される可能性があった。
野党陣営が共闘体制を固めて、候補者調整を完了しなければならない時期だった。
それから1年経過している。
政策を基軸に党派を超えて強い連帯を構築する。
これが「政策連合」の考え方。
「政策連合」を確立し、候補者一本化を少なくとも1年前には完了していなければならなかった。
ところが、その候補者一本化がほとんど進展していない。
政策協定の締結した陣営で、新たに候補者を擁立するなら、空白選挙区を優先するべきだ。
「政策連合」が候補者調整委員会を立ち上げて、具体的に候補者一本化を協議してきていなければおかしい。
ところが現実にはどの党とどの党が共闘するのかさえはっきりしない。
今月末には衆院総選挙が投票日を迎えるのだ。
連合の新会長に就任した芳野友子氏は「共産党の閣外協力はあり得ない」と発言。
連合が野党分断推進勢力に支配されている現実が改めて鮮明になった。
立憲民主党は共産党を含む野党共闘を強固に打ち立てるのか。
それとも、共産党とは共闘しないのか。
はっきりするべきだ。
「共産党と共闘しない」主張を明示しているのは国民民主党。
旧民主党、旧民進党、立憲民主党は「共産党と共闘する勢力」と「共産党とは共闘しない勢力」とに分かれるべきだ。
そして、基本政策を共有し、共産党とも共闘する勢力が一つにまとまり、候補者一本化を進めるべきだ。
共産党が立憲民主党候補の支援をやめれば、立憲民主党は議席を大幅に減らす
本当に必要な野党抜本改革を実現するには鵺の立憲民主党の解体的出直しが必要だ。

 
2009年の「民主党」による政権交代劇を忘れられない連中がまだ多く立憲民主党内には存在する。
 
政権政党なら党内が「右から左まで」の連中がいても、政権の旨味という利益で一致して選挙の時は不思議とまとまるのだが、野党にはそれが通用しないということが現在の野党第一党の幹部には十分認識していないことが致命的なのではないだろうか、とオジサンは思う。
 
   

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