新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

総選挙を乗り越えられなければ後がない石破茂

2024年10月05日 11時59分03秒 | 衆院選挙

  長年自民党内「野党」として「持論」「正論」を言い続けてきた男が、時の運命のいたずらなのか突然「主流派」のトップになってしまった。
 
派閥なき総裁選を仕掛けた岸田文雄が、石破茂総裁が決まった時に「これでノーサイド」と言って党内一致団結して衆院選を戦ってほしいとほざいていた。
 
しかし長年の政権党のうま味に浸っていたた連中は、ひとたび「非主流派」となり、露骨な「呉越同舟」政党となってしまった。
 
ましてやシ自力では議員票を集められなかった石破茂は、しがらみから本来の良さを封印したかのような言動に走ってしまった。
 
当然ながら過去の問題発言の数々がメディアによって晒されてしまった。
 
石破茂首相『デモはテロ』と断言した『タカ派』の地金がジワジワ 『民意に寄り添う』は総理のイスに座るまで?
 

石破茂新首相は9日に衆院を解散するという。「すぐに解散と言わず」と語ったのに、野党も解散前の論戦を求めたのに、だ。にじむのが「支持率が高いうちに」という思惑。ここで立ち止まって考えたい。石破氏の政治姿勢を。脳裏に残るのが過去の言動。「デモはテロ」とつづり、「平成の琉球処分」にも動いた。軌道修正などもあったが、「手段を選ばず」は変わらないのか。
◆「抑圧したいという本音に危機感」
 「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」。特定秘密保護法案が強行採決される直前の2013年11月、自民党の幹事長だった石破氏はブログにそう記した。
 法案に反対するデモ活動をテロと同一視することに批判の声が上がった。NPO法人情報公開市民センター理事長の新海聡弁護士は当時、本紙に「ここまで本音が出るとは」と語った。
 その後、「(大音量のデモは)本来あるべき民主主義の手法とは異なる」と修正した石破氏。新首相就任をどう感じるか。改めて新海氏に尋ねると「安倍晋三元首相や高市早苗氏らの陰に隠れてきたが、表現の自由に対し、建前とデモを抑圧したいという本音が全く違うのは変わっていないだろう」と危機感を緩めずにいた。「総裁選までは人気を得るためにリベラル路線を強調してきたが今後、本性が見えてくるのでは」

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◆沖縄を怒らせた「平成の琉球処分」
 同時期に物議を醸したのが、自民の沖縄関係議員への対応だ。米軍普天間飛行場の辺野古移設に慎重だった議員もいたのに、石破氏が13年11月に「辺野古移設を妨げれば基地は普天間に固定化することになる」と迫って翻意させたほか、自らの会見に議員たちを同席させた。その様子は「平成の琉球処分」と呼ばれた。
 「今でも強い印象が残る」と話すのは元県知事公室長で元県議の親川盛一氏。翁長雄志前知事を支えた「オール沖縄」の元共同代表でもある。
 「もともと翁長さんは自民の政治家。14年に革新勢力と連携した『オール沖縄』のスローガンを掲げて知事選に出たのは自民政治への危機感から。あの会見も大きく影響した」
◆命令に背けば「死刑」「懲役300年」
 今回の総裁選で石破氏は沖縄の基地負担について「深くおわびする」と述べ、辺野古への移設計画は「十分に沖縄の理解を得ていない」と口にしている。親川氏は「首相となってからはどうなるのか。日米地位協定の改定に言及しており、政治姿勢を見極めたい」と複雑な思いを明かした。

 自民の野党時代の12年には月刊誌で「国そのものが揺らいだら、『知る権利』などと言っていられなくなるのだ。そういう意味で、『知らせない義務』は『知る権利』に優先する」とつづった。13年4月のテレビ番組では、憲法9条を変更して自衛隊を「国防軍」とすることを掲げたほか、軍事法廷のような機能をつくり、出動命令に背けば「死刑」「懲役300年」もあり得ると持論を展開した。
◆反発受ければ「すぐトーンダウン」
 14年1月の特報面で「国民の声に耳を傾けようという姿勢がない」とただしたのが法政大の五十嵐仁名誉教授(政治学)。石破氏はどう映ってきたのか。「根っからのタカ派であるということは明らかで、根底にあるのは国のために国民がどう尽くすか。軍事的に自立して日本の国際的地位を変えたいという思い。12年9月の総裁選で争った安倍氏と比べても、憲法に対する配慮や遠慮がない」
 さらに「世論を意識して主張しても、反発を受ければすぐにトーンダウンするのが特徴だ」と続ける。
 物議を醸す言動があった後、石破氏はどんな道をたどったか。
◆逆風の選挙ほど自民の苦言を聞いた
 安倍政権下の2014年に地方創生相に就任したが、16年に閣外に去り、18年の総裁選で再び安倍氏と対峙(たいじ)。だが、またしても敗れた。20年の総裁選で安倍路線継承の菅義偉氏に退けられると、21年の総裁選には出馬せず、河野太郎氏の支持に回った。
 この間、安倍路線の批判を強めていく。強引に成立させた特定秘密保護法、野党から「政治の私物化」と追及された森友・加計学園や「桜を見る会」の問題で苦言を呈し続けてきた。
 批判の真意はどこにあったのか。石破氏に関する著書があるジャーナリストの鈴木哲夫氏は「12年ごろから安倍さんをライバル視していたことは間違いない」と語るが、それだけではないようだ。
 「石破氏への選挙応援の要請は党内で圧倒的1位。特に逆風が吹く苦しい選挙ほど呼ばれた。全国を回って自民への苦言を最も聞き、自民の足りないところを最も肌で感じてきたのが石破さんだ」。そうして聞いた世論を東京に持ち帰ってぶつけたという。
◆「高市さんよりまし」という感覚だった?
 「これが党内で嫌われる要因になったし、『与党内野党』の立場を確立することになった」

 一方で「石破さんの言動は実はほぼ変わっていない」と説く。「石破さん以上にタカ派の安倍さんが出てきて、かつ石破さんは反主流派なので、リベラルな印象を与えている」
 今回の総裁選では「まっとう」と目された。労働問題に詳しく、かねて自公政権に厳しい目を向けてきた渡辺輝人弁護士は「結局のところ、『高市さんよりはましだ』という感覚が大きかったのでは」とみる。
 ただ、9月27日に新総裁に選ばれて以降、数日で不信を買うことになった。
◆やると言ってやらない…「うそつき」
 総裁選中、石破氏は早期の衆院解散に否定的だったが、今月9日に解散すると表明した。自民の裏金問題などがある中、野党からは「論戦から逃げた」と相次いで批判が上がった。
 「やらない理由が分からない」としていた選択的夫婦別姓の導入は、自公連立政権の合意文書で記載が見送られた。導入を求めてきた渡辺氏は「やろうと思えばすぐにでもできる話。労働市場でも大半の人が夫婦別姓を認めてほしいと考えている中で、やると言っておいてやらないのは、ただのうそつきだ」と訴える。肝いりの地位協定の改定を巡っても、今月2日のバイデン大統領との初の電話会談では触れなかった。
 またもや石破氏の言動に注目が集まる中、防衛問題に詳しいジャーナリストの布施祐仁氏は「党内基盤が弱いため、長く政権を維持しようとすればよりバランスを取らざるを得ない。トーンダウンはある種必然の流れだ」とし「自民の権力の源泉はあくまで大企業優遇と、米国追随の政治。そういった背景や支持基盤も含めて見ていくべきだ」とも求める。
◆民意を裏切った時の失望は倍加する
 思想家の内田樹氏は石破氏の振る舞いについて「安倍・菅・岸田政権が貫いてきた自民党の成功体験がなせるわざだ」と述べる。
 「民意に耳を傾けず、ゼロ回答を続ければ、国民は政治に絶望し、投票の意欲を失う。それが結果的には組織票を持つ自民党を利する。国民に無力感を与えることが、政権安定につながるという安倍政権以来の成功体験が忘れられないのだろう」
 前出の鈴木氏は石破氏にくぎを刺す。
 「首相になれなかった時代に言ってきたことが本当に実行できるのか。組織をまとめるためにさまざまな意見を聞き、『永田町的組織論』で動く場面は増える。増えるほど民意から遠のく。民意に近かった分、裏切った際の失望は普通の自民議員の2倍以上に跳ね上がる
◆デスクメモ
 過去の言動の修正、謝罪などは間々ある。だがそうしたから済む話か。例えば平成の琉球処分。強権的な辺野古移設を方向付けた石破氏の振る舞い。後々にしおらしい姿を見せても、と感じる。改めて信を得るには行動で示すしかない。方針転換できる立場だからこそより強く問われる。(榊)


  
 早速地方紙のコラムにこんな風に書かれてしまった。
  
お色直しからの猫だまし
 
不意打ちで早期解散、10月27日投開票――という政治日程は、おそらく総裁選の過程で各候補者が何をいおうとはじめから決まっていたのだろう。当初は本命だったのか、小泉進次郎が口走っていたあたりから、さもありなんとは思わせていた。これまた電通仕込みの猫だましかと思うような選挙戦略に思えてならないが、メディアジャックして醸成してきた自民党総裁選の「刷新感」とやらが冷めぬうちに、そして他が体制が整わないうちに一気呵成で持っていきたいのだろう。新総裁の石破茂も2週間前に自身がいい放ったことを早くも覆しての解散総選挙突入である。いかなる理屈をこねようと、石破茂ではない誰かがはじめから早期解散を決めていた――。そう思うほかない展開である。経団連やアメリカ、財務省いいなりの踊り子が決まったにすぎないのだ。
 目下、大騒動になっているのが選挙に関わる行政や郵便局などの現場で、ポスター掲示板を早急に設置するよう業務を発注したり、すでに入っていた予定を排除して投票所や開票所を押さえたり、選挙にまつわるさまざまな業務が舞い込んで各選挙管理委員会はてんてこ舞い。恨み節の一つでも漏れてくるのが当然である。
 そして候補者や陣営も、事務所の設置、政策チラシをはじめとした印刷物やポスターの作成、選挙カーの手配やそのラッピング、ウグイスの確保、運転手や運動員の確保、公示日のポスター貼りの人員確保や配置、立候補に伴って選挙管理委員会に提出する書類を不備なく準備することはもちろん、公選はがきの準備をしたり、選挙運動チラシに1枚1枚選管から支給されたシールを貼ったり、政見放送の準備をしたり、とにもかくにも2週間後の公示に向けてやることだらけである。選挙における公費助成の仕組みなどを熟知した選挙請負人あたりがバンバンと業務を仕切って、それを陣営スタッフたちがてきぱきとこなしていく体制がなければ、とてもではないが素人だけで支えきれるものではない。こうした選挙準備を2週間で抜かりなくやり遂げるのだから、選挙とは候補者のみならず陣営なり組織の裏方の実力が試される場でもある。
 しかし、そのように政党や陣営が張り切ったところで、また行政が膨大な経費をかけて選挙を実施したところで、投票率が50%そこらの選挙が続いているのも現実である。全般としては強烈な政治不信が渦巻いており、むしろ自民党としては、この低投票率に依存して国会で多数派の地位についてきた関係だ。「寝た子を起こすな」戦略のもとで、5割の有権者が選挙を棄権するならそれだけ分母が少なくなり、残りの5割のなかで大企業や宗教団体、それが統一教会だろうが創価学会だろうがなり振りかまわず組織票をとりまとめ、一等賞をとれば多数派になれるのだ。

 こうしたぬるま湯状態を打破して逆に5割の山が動いたとき、否、5割といわず2~3割でも動いて支持を得る政党が出現したときには吹っ飛んでいくのが自公政権である。それは支配の枠のなかで飼い慣らされた野党、闘っているふりをしながら有権者を欺瞞し、その実机の下で手を握っているような野党では到底なし得ないことでもある。彼らもまたインチキが見透かされており、政治不信の一方の元凶なのである。
 野党第一党の立憲民主党は懲りずに自爆解散・自民党への大政奉還の首謀者たる野田が出てきて、選挙の顔としては「石破vs.野田」だそうである。なんだか「刷新感」とは真反対にも思えるような構図で、それこそ5割に向かって「そのまま寝ていろ!」とメッセージを放っているかのようである。そして、統一教会との蜜月関係や裏金問題など、この選挙が終わればすべて禊が済んだとして、次なる3~4年につなげていきたいのが自民党である。そのトップである総理大臣という踊り子が安倍だろうが麻生だろうが、岸田だろうが石破だろうが、振り付け師が同じならやることは何も変わらない。飽きがくればたまにお色直しをして、猫だましという調子である。
 選挙は、経団連やアメリカ、財務省のいいなりとなって、過酷な搾取と貧困、戦争に誘っている政治構造との対決である。

 
 
老ジャーナリスト氏も前述の東京新聞記事を引用しながら「石破も、岸田同様に売国奴の烙印を押さねばなるまい。」と怒っていた。
 
本澤二郎の「日本の風景」(5305) 

<43兆円の戦争準備・超軍拡+超円安で笑いが止まらない財閥のさらなる野望は核開発推進と核武装>
自民党・公明党の連立政権は、石破茂になっても何も変わらない。政権発足5日経たない間に一部の新聞が書いた。人殺しの武器弾薬関連の安保法制を、日本国憲法が主権者・国民に命じている事柄に関して反対すると「テロだ」と決めつけていた。東京新聞の鋭い指摘に「恐ろしや石破」と受け止めた国民は多い。
裏金疑惑候補も公認するというのだから、権力を握った輩は真っ当な政治家ではない。石破も、岸田同様に売国奴の烙印を押さねばなるまい。
地震国でなくても核エネルギーは、人間と地球を破壊する。使用済みの核の処理も先進科学も不可能だ。ヒロシマ・ナガサキとフクシマの教訓を100%死守することが、人類と地球の存続に不可欠なのだが。
財閥傀儡政権は、核武装への道を突き進んでいる。第二のヒロシマとフクシマを確実に予感させている。
<危険すぎる原発再稼働加速・開発と建設の拡大>
超円安と血税43兆円投入の武器弾薬戦争予算の執行で、日本財閥は世界恐慌寸前だというのにうけに入り、笑いが止まらない。
盆と正月が一緒に来たことにも満足しない。次は原発再稼働加速どころか、新たな核開発と建設に突っ込めと、石破内閣に発破をかけていたことが、政権発足4日目に判明した。
新聞テレビは「財界の要望」という灰色の絨毯に包んで、やんわりと報じた。経済記者はなめられているどころか、悪魔の宣伝に一役買っていた。悲劇の日本である。
・中略・
<安倍・国賊論者の村上誠一郎を動かせ!>
安心安全を平然と口走る石破も、核の専門家も放射能測定器持参の陣場台視察をさせるしかない。石破は逃げるだろうが、安倍・国賊論者の村上誠一郎に要望すればどうか。彼もフクシマ原発事件に詳しい。視察するかもしれない。
元水田三喜男秘書の御園豊が奔走すれば、村上が行動を起こすかもしれない。村上一族は旧大蔵省で水田の配下として交流している。
<歴史の教訓放棄と核武装化の超軍拡叫ぶ財閥>
経団連の十倉雅和会長、日本商工会議所の小林健会頭、経済同友会の新浪剛史代表幹事は2024年10月4日、首相官邸で石破茂首相と会談。「原発の再稼働加速や開発・建設に向けた政府方針の具体化」を強く求めた。
財閥からの裏金献金は、想像を超えるものとなろう。手足のある大手の新聞テレビに期待したいが、おそらく無理だろう。彼らは核専門家でさえも否定するフクシマの核汚染ごみの不法投棄事件さえも無視しているのだから。
<恐ろしいヒロシマ・ナガサキ・フクシマ眼中になしの守銭奴>
旧内務官僚の正力松太郎が、敗戦後にA級戦犯から岸信介らと共に復権すると、読売新聞経営に乗り出して原発推進と軍拡の新聞に変質させた。野球経営で姿を隠して部数を伸ばし、児玉誉士夫と連携した渡辺恒雄が実権を握ると、恐ろしや憲法改正論をぶち上げ、自民党の護憲リベラル派排除に乗り出した。極右・国家主義者の中曽根政権から森喜朗の清和会政権をてこ入れし、その因果によってフクシマの東電原発の大爆破事件が発生。
しかし、反省も謝罪もせず、さらなる原発再稼働と新たな核開発世論で、平和主義に蓋をして核武装への野心をたぎらせている。悪魔の人脈が、いまの自民党と公明党に及んでいる。
石破もその一人なのだ。
東京新聞は昨日「デモはテロ」と断言した、と石破の正体を報じた。これは正論である。「民意によりそう」は石破の世論操作でしかなかった。悲しいかな野党第一党の立民も、松下政経塾の改憲軍拡派の野田!投票を棄権する有権者が大量に出ないか?
呪われてしまった日本なのか。
2024年10月5日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)

 
ところで、石破茂批判のオンパレードの中で、ケア、倫理、障がい者、疾患者、生涯教育、メディア、コミュニ―ションを切り口にジャーナリスティックにやさしい未来を考えているという、元毎日新聞社記者だった引地達也が、石破茂にはこれまで通り語り続けてほしい。とのエールを送っていた。
 
まるで落語みたいな石破茂氏の『イシバナシ』が首相になった途端、面白くなくなった訳
  
■石破茂首相の「イシバナシ」が示す宮沢賢治「雨ニモ負ケズ」の世界観
9人が立候補した自民党総裁選挙は石破茂元幹事長が決選投票を制し、自民党総裁となり、国会を経て内閣総理大臣に就任した。
この欄で、その話しぶりを「イシバナシ」と書き、かつての私が体験した取材や石破氏との交流から得た感覚を伝えた。

コミュニケーションの間合いや声のトーンを変えて、聴き手と語り手を演出し、ミクロな描写をやがてマクロな国家観へと導く手法は落語にも似て聞きやすく、人を惹きつける魅力がある。
この弁舌のうまさに私も聞くたびに納得させられたが、いよいよその弁舌はこの国の行方を左右するところまできてしまった。
自民党、政権与党を率いる立場と、物事を客観視するスタイルは両立するのだろうか、と不安にもなる。
決選投票前の5分間の演説で要約された思いを持続させられるか、ここからが正念場なのだろう。
「イシバナシ」の語りとは、テレビでは司会者の質問に対し、ちょっと間を置き、自分のペースを保ち、「それはね」という雰囲気で語りだす。
終始、語りはゆっくりだから、聞いているほうにもストレスがかからない。
最近のコメントには年齢を重ねたことによる、「丸み」も帯びてきた。
決選投票前の5分間演説にはそのエッセンスが詰め込まれていた。
最初の時節の句はよどみなく、その後に切り出したのが謝罪だ。
これまで人間関係の希薄さ等、「人徳」のような課題が指摘されてきたが、この点を意識しての発言だろう。
「多くの足らざるところがあり、多くの方々の気持ちを傷つけたり、いろんな嫌な思いをされた方が多かったかと思います。自らの至らぬ点を心からお詫びを申し上げます」
ある報道はこの部分を聞いて投票を決した人もいた、と書く。
この点は、おそらく本質的に「何が悪かった」のか理解しているとは思えず(私はそれでよいと思っているのだが)、少し無理があるような気もしないでもない。
演説の目線でいけば、地元の鳥取の夏から始めたのは、演説をぐっと庶民に近づける効果があったと思われる。
「立候補への決意を表明しましたときに、私は育ちました地元の神社の前で出馬表明をいたしました。暑い日でした。
もう今から60年も前のことになります。夏休みでした。そこで夏祭りがありました。今ほど豊かではなかったけれど、そこには大勢の人の笑顔がありました。今ほど豊かではなかったかもしれないけれど、大勢の人が幸せそうでした。もう一度そういう日本を取り戻したいと思っています」
かつてにぎわっていた地方の夏祭りを想起させるこのフレーズは、国民の一定の年齢層には響くワードが散りばめられ、その情景から「日本」を語れば、おのずと感情的になってくる。
この後、お互いに悪口を言わないようにしようと呼びかけるのは、もはや宮沢賢治が示す世界観に近づいてくる。
「お互いが悪口を言い合ったり、足を引っ張ったりするのではなく、ともに助け合い、悲しい思いでいる人、苦しい思いでいる人、そういう人ちを助け合うような、そういう日本にしてまいりたいと思っております」
最後の5分間のスピーチで語った「夏まつり」「幸せ」「にぎわい」「悪口」。
誰もが親近感のわく言葉の数々に思いを込めたことで、この「落語」も完成したように思う
しかし前回の本欄で「無派閥で傍流にいる発言者として、メディアとしては頼もしい存在」と表現した石破氏は今や首相。
就任の会見では用意した原稿を読み上げる格好になり、その弁舌は鳴りを潜めた。
質疑への応答では、自分の言葉で語る場面で、「イシバナシ」の一端をのぞかせたが、やはり安全運転に終始し、面白いものにはならなかった。
石破首相にはこれまで通り語り続けてほしい。
自分の言葉で語りを続けることは、政治への関心が高まることにつながると思うのだが、どうだろうか。


 
前にも言ったのだが、当面は今度の総選挙でおそらくは自民党は一定程度の議席を失うだろうが、元安部派の裏金議員や旧統一協会べったりの議員たちが落選すれば、新首相としての責任は薄れるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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