国政選挙(総選挙・参院選挙)などでは、事前にマスメディアの選挙予測報道などで優勢とされた候補者に有権者が投票しがちになるバンドワゴン効果が現れる。
しかし密室同様の状態で執り行われる自民党の総裁選挙は、国民があずかり知らない所で結果が決まってしまう。
表向きは3人の候補者が揃っているが、昭和の派閥政治に先祖帰りした自民党では、各派閥単位で「勝ち馬に乗ろう」という状態で、7年8か月の最悪の安倍政治を「継承する」と断言している菅義偉官房長官がすでに「総理然」とした顔をして、各テレビメディアに登場し、このところのテレビはすっかり菅義偉の宣伝マシンと化しているかのようだ。
もっともテレビに出て国民が安心、納得できるまともな話をするならばともかく、先週木曜日の『news23』(TBS)に生出演した時の「「喋り、トークのポンコツぶり」がネットで話題となっていた。
「菅官房長官のトークのポンコツぶりが話題に!『こんなに喋れないのか』『レスポンス悪すぎ』『話し方教室に通え』」
〈news23に菅官房長官が出てたけど、予想以上のポンコツぶりにビックリ〉
〈NEWS23の菅自民党総裁候補の喋りグダグダだな。〉
〈菅官房長官が出演したNEWS23。こんなにも喋れない、防御しかできない人だったのかとびっくりした。それとも、七年も官房長官を務めた副作用なのか。〉
〈菅氏、全然頭まわってないのか、しゃべるのとろすぎて、全然深いこと話せてない。ごまかしごまかし、全く質問にこたえてない。井戸端会議のおじいちゃんの会話みたい。〉
〈菅さんが #news23 に出て話してはるけど、言ってることが全然頭に入ってこない。 ホント。揶揄じゃなく。 内容の賛否以前に、なに言ってるのかよくわからない。〉
〈菅さん、話し方教室とか通った方が良いかも。何を話しているのか聞き辛い、というか分からないよ。損ですね。〉
〈news23 の菅官房長官 驚異的に返答のスピードが遅い 「選択的夫婦別姓については?」って定型質問なのに沈黙が…〉
〈菅ちゃんレスポンス悪すぎるだろ 型落ちのスマホくらいイライラするなw〉
〈菅さんがおじいちゃんすぎる笑 この人総理大臣になるの?マジで? 誰か嘘だと言って。〉
〈菅さん。 質問に答えてない。 変な間がこの先の日本を不安にさせる。〉
〈言葉につっかかるは出てこないはで顔赤らめながら焦ってるけど菅は大丈夫なのか?そもそも首相の器っぽくないし。こんなにも無表情で人の心を打つ言葉が全く出てこない人支える官僚も頭抱えてるだろうね。〉
〈菅出演。 国会みたいに、前もって質問されて答えを原稿で用意しないと、何も答えられないのか。アタマを使って考えてない。こんな人が総理本命なんて、絶望的でしかない。〉
〈菅も安倍同様、回答が用意されていないと答えられない。NEWS23を見てそう感じた。官房長官としては「全く問題ない」「批判には当たらない」と回答を避けるだけだったからそういうレベル。歯切れの悪い回答に呆れる。頭の回転大丈夫なのか?〉
〈菅義偉、news23にてのインタビュー‥いや酷いのなんの。訊かれたことに答えない。見る限りおそらくアドリブ対応力は極めて低い。口跡は悪いし、人間的魅力は皆無に映る。あれで権力を握ったってことは‥‥まぁ表面的にはともかく、心底の部分で相当数の人間から恨みを買ってるだろうなと看る。〉
〈菅さんて、こんなしゃべれないの?!! 官房長官として会見してる時以上に、なんの説得力も魅せる力も安心感もないょ?!! なんで彼を自民は推すことになっちゃったんだろう、、、 官房長官としては優秀でも、対内・対外両方担う日本の総理大臣は、どう見えるかも凄く大切で難しいよ〉
〈菅さんの喋ってるの見てるとハラハラするわ… 首相になったとして答弁ちゃんと出来るんかな? やっぱ、安倍ロスすぎる…〉
〈菅氏はあれだね。安倍さんの代わりとしてならベストだけど、1年以上も任せられないね。 タカ派と聞いたから安心してたけど、あまり自分が見えない。〉
なんと昨夜の #news23
— twit???? (@twttwee) September 4, 2020
でこの動画が数秒でしたが流れてました??
スガさんは気づいていないようでした?? pic.twitter.com/2n0nrCYkwj
2020年9月4日 news23
— MMT太郎??消費税は廃止 (@MMT20191) September 5, 2020
菅ちゃんと河井あんりのパンケーキデートを後ろのモニターにそっと挟むw pic.twitter.com/i7SyiHOXZQ
そして、ナント日曜日のNHK「日曜討論」には生出演を拒否したらしい。
NHKの「日曜討論」で、安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙に立候補を表明している3人が、今後の経済政策や、地方の活性… https://t.co/Bj1nw7x470
— オトラント公 (@JosephFouche521) September 6, 2020
菅さんは日曜討論には出席していないのにこの見出しはミスリーディングすぎる。
本日の「日曜討論」は、自民党総裁選候補による一部と野党合流新党候補による二部構成。自民党総裁の最有力候補の菅は、台風対策のため急きょ出席できず、録画の垂れ流しに。今はリモートの時代なのだから、たかだか30分弱なら遠隔で受け答えてもいいだろうに、情けないところまで安倍の真似をするな。 pic.twitter.com/X0e1u6UGnq
— はひもふ(脱原発に1票) (@haaaaassan) September 6, 2020
台風対応で日曜討論1時間にも出られないのに官邸ではなく議員会館にいるとは。 https://t.co/f3w6eSI3yK
— 藤怜志 (@fuj_sato) September 6, 2020
NHK日曜討論「自民党総裁選候補に問う」。菅だけは立候補会見VTR。原稿のない討論は無理なのね。わかるよ。それにしても露骨だよな。
— 音映 (@yukukai) September 6, 2020
田舎者のふりをしたスガには、色々隠しておかないといけないものが多すぎる。 pic.twitter.com/B50hg6UeVl
— 🥚たまごカピタン💭♻️❤️📤 (@cyabiora) September 5, 2020
官邸記者クラブの記者は、取材対象の政治家や「官邸首脳」といわれる人たちから疎んじられれば情報を聞き出すことは困難になるらしい。
悪しき慣習はなかなか改善させないのだが、それが会見での「トーク力」の劣化になっているのかもしれない。
1日2回開かれていた菅義偉官房長官の定例記者会見は、質問する記者と質問内容があらかじめ決まっているようである。
そんな馴れ合い記者会見に数年前から、上司の後押しで社会部の望月衣塑子記者が今までの慣習を打ち破る質問を菅義偉官房長官にぶつけてきた。
そして、ついに菅義偉官房長官からすれば「天敵」か「宿敵」はわからぬが、当記者が菅義偉官房長官の別の顔を語っていた。
「『菅政権になったら今より隠蔽国家になる』 宿敵・望月衣塑子記者が語る菅義偉氏の“別の顔”」
イチゴ農家の生まれ、集団就職で上京、段ボール工場に住み込み、秘書として長い下積み、実はパンケーキ大好き……ここ連日、菅義偉官房長官の“美談”が数多く報じられるようになった。これも一つの「顔」なのだろう。だが、会見で疑惑を追及されると「指摘はあたらない」「全く問題ない」など、記者の質問にまともに答えようとしない姿勢もまた菅氏の本質的な「顔」であることを忘れてはならない。はたして、菅氏が首相になった際には、こうした態度は改められるのか。官房長官会見で菅氏と数々の“バトル”を繰り広げてきた東京新聞の望月衣塑子記者に聞いた。 ――すでに自民党内の5派閥が支持を表明していることもあり、「菅義偉首相」の誕生が濃厚です。安倍政権下では政権の“私物化”による不祥事や情報の隠蔽など多くの問題が噴出しましたが、このまま菅氏が首相となった場合、そうした問題は改善されると思いますか。 望月 正直言って、オープンな情報開示という点では安倍政権よりも後退すると思います。たとえば、市民からの激しい反対で廃案となった検察庁法改正法案も菅氏の主導だったことが新聞報道で明らかになっています。なぜ、あんな無理筋な定年延長をゴリ押ししようとしたのか。その背景には、森友問題の公文書改ざんや安倍首相主催の「桜を見る会」など官邸の関わりが指摘される疑惑について、検察からの追求を抑え込みたいという意図が読み取れます。公文書が改ざんされた2017年2月26日の4日前には、財務省の佐川宣寿前理財局長、太田充理財局長、中村稔総務課長(いずれも当時)が菅氏に国有地売却の経緯について報告したことが明らかになっています。菅氏からどんな指示があったのか。検察が佐川氏らを起訴していれば、こうした過程もすべて捜査されていたでしょう。「官邸の守護神」と言われた黒川弘務元東京高検検事長を検事総長にさせたかった菅氏の意図は、安倍首相の退陣後も含めて、検察の官邸への捜査の抑え込みであったのではないかと思っています。そうでなければ、なぜ菅氏らがここまで黒川総長に固執したのか、説明がつかないと思っています。菅氏が首相に就いたら、一度は見送った検察庁への人事介入を再び行う可能性は十分にあると思っています。 ――確かに、菅氏が自民党総裁選への出馬を表明した2日の記者会見でも森友、加計学園問題の再調査は必要ないという旨の発言をしています。その会見では、望月さんが「(官房長官会見では)都合の悪い真実への追及が続くと記者に対する質問妨害が長期間続いた。(中略)今後、首相会見では官僚が作った答弁書を読み上げるだけなく、自身の言葉でしっかり答えて頂けるのか」と質問した事に対して、菅氏が「限られた時間のなかでルールに基づいて記者会見を行っている。早く結論を質問していただければ」と答えると、記者席からは同調するような笑いも起こりました。菅氏の対応をどうみましたか。 望月 一部の政治部番記者との関係は相変わらずでしたね。序盤に番記者からの質問をいくつか受けていた際には、明らかに手元の資料を見ながら答えている場面があり、あきれました。事前に質問を渡していた記者がいたのでしょう。一方、事前に渡さずに聞いていることがわかる番記者もおり、皆が皆、菅氏側の要望に従っているわけではないこともわかりました。私の質問の際には、横目でちらっと司会役の議員の方を見て、質問を遮るようにうながしていました。官房長官会見で、前報道室長の上村秀紀氏との間で連発していたやりとりで、「質問を何とかしろ」という合図です。案の定、司会者は「簡潔にお願いします」と横やりを入れてきました。上村氏は、菅氏から「よくやった」と評価されて、沖縄総合事務局総務部長に栄転したと聞きます。質問妨害や制限を繰り返していた官僚を栄転させる、つまり菅氏の“私兵”となることが、官僚の出世の条件になっているのではないか。これは7年8カ月の安倍長期政権の中で確固たるものとして確立されてしまったと思います。 逆に、ものいう官僚たちはことごとく飛ばされています。菅氏の官僚選別のプロセスのどこにも国民の公僕としての公務員の姿はありません。思想家の内田樹氏が指摘していますが、安倍政権で決定的に失ってしまったのは、政治家や官僚のインテグリティ(誠実さ)だったのだと思います。道徳や倫理が欠如した政治を長期間にわたって見せられ続けた結果、真っ当な道を歩もうとしてきた政治家や公務員、国民に深い失望と精神的な揺らぎが芽生えてしまったように思います。 菅政権になると、こうした体質や価値観の崩壊は変わらないどころか、むしろ悪化すると思っています。首相への「ぶら下がり」取材も、もし都合の悪いことを番記者から聞かれそうだと思ったら、菅氏は無視して通りすぎるのではないか。今は総裁選の最中なので、テレビ出演などでキャスターらの質問に不十分ながらもそれなりに答えようとはしていますが、これまでの対応を振り返ると、首相となってもそれが続くとは到底思えません。むしろ私に向けているようなむき出しの敵意を、他の記者やキャスターたちに向けるようになるかもしれません。 また、現場の記者だけでなく、マスコミ全体への統制がさらに進むかもしれません。菅氏は、2015年2月、番記者とのオフレコ懇談会の中で、ある民放の報道番組について「俺なら『放送法違反にしてやる』って言ってやるところだけど」と述べるなど、番組への不満を吐露していたことが、国連の人権理事会の特別報告者デビット・ケイ氏の報告書の中でも指摘されています。 |
少なくともこれからの日本に明るい兆しが見えないということだけは確かであろう、とオジサンは思う。
最後にお口直しにこんな「虚構記事」をお届けしておく。
「国会議事堂中央塔、3密回避で屋根開放 憲政史上初 」
「『桜を見る会』招待者、大半が黒塗りモブ 名簿から判明」