新・定年オジサンのつぶやき

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岸田文雄の大逆転シナリオは誰の振り付けなのか

2024年01月30日 11時58分48秒 | 自民党裏金事件

過去に例のない施政方針演説に先駆けて開かれた衆参予算委員会における岸田文雄の答弁はひどいものだった。

質問の核心にはまったく答えず、いろいろとしゃべるのだがのらりくらりと時間をやり過ごすだけといった塩梅。
 
首相 “聴き取り調査”検討 連座制議論も 衆院予算委 集中審議
 

▼自民党の丹羽秀樹:
政治資金収支報告書に虚偽記載があった場合に国会議員も責任を負う「連座制」の導入をめぐり「会計責任者や秘書だけ処分され、政治家が逃げているという疑念を多くの国民が持っている。政治の側が責任をどうするのか、今後どのようにすべきと考えるか」と質問しこれに対し岸田総理大臣は「連座制は対象とする政治団体の範囲や違反の種類などさまざまな課題を丁寧に議論する必要がある。厳正な責任体制を確立する観点から連座制も含め党として考え方をまとめ、各党ともしっかり議論を行っていきたい」と述べました。
▼公明党の中川康洋:
政党から議員に支給される「政策活動費」について「キックバックの隠れみのとして政策活動費という言葉が使われていたとすれば断じて看過できない。使途公開の義務化をはじめ透明性の強化に向け、あるべき姿をつくる必要がある」と指摘しし
これに対し、岸田総理大臣は「政策活動費は政党などの政治活動のためにあるもので、使途の公開はまさに政治活動の自由と関わる部分なので、ぜひ各党・各会派と議論を行い、自民党としても真摯に対応したい」と述べました。
▼立憲民主党の階猛:「政治資金の本来の趣旨とは真逆の方向に裏金が利用されているおそれがある。このことをしっかり自覚し、実態解明を早急に行う必要がある。いつまでにやるのか」と追及しこれに対し、岸田総理大臣は「関係者から聴き取りを行うことなどを通じて党として実態を把握し、政治的な責任について考えたい。党の役員には聴き取りの枠組みの作成を指示した。早急に始めたい」と述べました。
また、第三者委員会を設けて実態解明の調査を行うよう求められたのに対し、「第三者の目が必要だという点は指摘のとおりで、実態解明にあたり、外部の有識者に関わってもらうことも当然、考えていかなければならない」と述べました。
このほか、岸田総理大臣はこれまでに政治資金収支報告書の訂正を明らかにしている議員の人数について、「現状で清和政策研究会=安倍派で30人以上、志帥会=二階派で7人と承知している」と述べました。
▼日本維新の会の藤田幹事長:「派閥という、位置づけが非常にあいまいなものが肥大化し、党のみならず政府や国家を動かしてきた。このことを真摯に受け止め根本から絶ってほしい」と求めました。
これに対し、岸田総理大臣は「お金や地位、ポストについて党がガバナンスを強化する形で担う新しい党のしくみを考えていかなければならない。これから具体的な組織をつくり、党が機能を肩代わりするとか、ルールをつくることが重要だ。過去、指摘されてきたことを繰り返さないよう派閥のお金とポストの遮断を徹底する」と述べました。
▼共産党の塩川鉄也:事件の実態解明をめぐり「問題は安倍派や二階派だけに限られない。過去にさかのぼってどうなっていたかも含め、自民党所属議員全員の調査を行うべきだ」とただしこれに対し、岸田総理大臣は「範囲を限定することなく必要な聴き取りを行っていく。説明責任、そして政治責任について党としてどう考えるのか判断していかなければならない。党としての責任を果たすため、聴き取り調査などを進めていく」と述べました。

 

 
実はこんな岸田文雄には「闇パーティー」疑惑が発覚していた。
 
『闇パーティーやりたい放題』…岸田首相「就任祝う会」の巧妙さ 野党が批判、首相は「純粋な祝賀会」主張
 

 
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、国会は29日、衆参予算委員会を開き「政治とカネ」の問題に関する集中審議を行った。衆院予算委では、岸田文雄首相が自身の支援者らが主催した首相就任を祝う会を巡り、野党から脱法的だとの追及を受けた。首相は「法に従って行った会だ」と述べて違法性を否定したが、野党は「収支報告書に記載されていない闇パーティーではないか」と批判し、会計資料などの国会提出を求めた。
◆岸田氏側が開催事務を行い、事後に320万円寄付を受けたと指摘
 立憲民主党の大西健介氏が質問した。2022年6月に首相の地元・広島で開かれ、約1100人が出席した「内閣総理大臣就任を祝う会」に関し、会費1万円で飲食の提供はないことを指摘。さらに、首相が代表を務める自民党広島県第1選挙区支部に主催した任意団体から約320万円が寄付されていたことや、受付・経理などの事務を同団体ではなく岸田事務所が担っていたことなどを挙げ、「実態は政治資金パーティーだ」と批判した。
 政治資金パーティーであれば、政治資金規正法に基づいてその旨の明記や、政治資金収支報告書への収支の記載が必要になる。大西氏は、任意団体による開催だとしても、収入見込みが1000万円以上になる場合には、事前の届け出が必要であることも強調した。
 首相は「祝う会は、地元政財界の皆さんが発起人となり開催いただいた純粋な祝賀会と認識している。事務局から不慣れだとの相談を受け、私の事務所がお手伝いした」と説明し、政治資金パーティーとの見方を否定した。
 大西氏は「ダミー団体をかませば政治資金収支報告書に書かなくてよいとなれば、闇パーティーをやりたい放題だ」と追及。祝う会を主催した任意団体の代表が、「岸田文雄後援会」の代表も務めていることを指摘した上で、案内状や会費収支の明細など関連資料の提出を求めた。首相はこれに対し「(予算委の)理事会等の指示に従う」と応じた。


 
岸田文雄のしたたかさを垣間見る疑惑のパーティーなのだが、夕刊紙などでは連日「岸田文雄退陣」を煽っているが、現実にはいくら内閣支持率が低下しても、野党は言うに及ばず自民党内からもあからさまな「キシダおろし」が伝わってこない。
 
こんな状況を元経産省官僚の古賀茂明はこんな見立てをしていた。 
 
裏金事件で支持率急落も岸田首相は意気軒昂 秋の自民党総裁選までに狙う「大逆転」シナリオ
   
自民党は、1月25日に政治刷新本部の中間とりまとめを発表した。
今回の裏金問題の真相は不明なまま、派閥を「政策集団」と位置付けて、その存続を容認するという驚きの内容だった。
小物議員の立件のみで幹部議員はお咎めなしという検察惨敗の結果に終わったことに続き、国民は大いに落胆、あるいは怒り心頭といったところだろう。
「岸田自民党」への信頼は地に堕ちた。
 しかし、岸田文雄首相は意気軒昂だそうだ。意外に思えるのだが、よく考えると、岸田首相としては、そんなに悲観する必要はないという見方も成り立つかもしれない。
 今回は、岸田首相が当面の危機を乗り切って、秋の自民党総裁選挙までに大逆転を狙うというシナリオについて考えてみたい。
 まず、岸田首相の突然の「岸田派解散宣言」の狙いは何だったのかを考えてみる。
 第1に、今回の検察捜査の幕引きで、国民の不満は安倍派とその幹部に集中することになった。巨額の裏金を作り、大半の議員がキックバックを受けていた。5人衆と言われる幹部は、検察の捜査まで受けたが、それでも逃げおおせたのだから国民の怒りは安倍派に向かうのは当然だ。その結果、元々安倍晋三元首相亡き後、代表さえ決められずバラバラになりかけていた安倍派は存続の危機に陥っていた。
 そこに岸田首相の突然の岸田派解散宣言だ。安倍派は当然解散せざるを得なくなる。その結果、岸田首相は、100人近くの党内最大派閥である安倍派という足枷から自由になる。これが最大の狙いだ。
 第2に、安倍派には、潜在的な総裁候補として、西村康稔前経済産業相、萩生田光一前党政調会長、さらには、世耕弘成党参院幹事長らがいるが、彼らを当面表舞台から排除するという狙いがあった。そのために、刷新本部の中間とりまとめには、「関係者による明確な説明責任に加え、あるべき政治責任についても結論を得る」という表現を盛り込み、25日には、党執行部が安倍派幹部に離党や議員辞職を要求したと報じられている。実際に離党するかどうかはわからないが、いずれにしても、彼らは表舞台での動きを完全に封じられることになった。岸田首相の完勝である。
 第3の狙いは、麻生派、茂木派の動きを封じることだ。派閥解消と言いながら、それに反対する麻生太郎氏には、決して麻生派を解散しろとは言っていない、政策集団として続けることは全く問題ない、事務所も閉めなくてよいなどと譲歩する姿勢を示しながら、一方で、派閥が政治資金パーティーを開くことを禁じ、さらには、「夏季及び冬季の所属議員への資金手当て等を廃止」と中間とりまとめに盛り込んだ。これにより、派閥に属する最大のメリットであるカネの分配がなくなり、派閥の領袖の求心力が大きく削がれることになる。一方で、岸田氏は、岸田派がなくなっても、党総裁として自民党の資金を支配するので、他の派閥に比べて圧倒的優位に立てるという計算だ。
 第4に、麻生氏が派閥解消に反対したことで世論の批判を浴び、それによって、派閥解消を先に唱えた岸田首相が正義の味方に見える効果を狙った。これは、もう一方で、菅義偉前首相や石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相らの無派閥議員だけが光り輝くのを抑えることにもつながるため、一石二鳥の効果がある。
 第5に、岸田派の会計責任者が訴追され、つい最近まで岸田派の会長だった岸田氏も安倍派幹部同様責任を問われるはずだったのに、派閥解消論がマスコミの関心をさらい、岸田氏の責任論は吹き飛ぶという効果もあった。
 以上のように、岸田首相の派閥解消作戦は、かなり高度な「岸田氏一人だけ焼け太り作戦」だったとみることができる。
 その作戦は今のところ岸田氏が狙った効果を発揮している。
 しかし、だからと言って、岸田首相の支持率が上がるというわけではない。それについてはどう考えているのだろう。
 岸田首相にとって、当面の課題は、4月の岸田おろしの嵐への対応だ。3月末の予算成立までは、自民党議員も表立った岸田おろしには出られないが、予算が通れば、すぐにその動きが出てくると言われる。石破氏などは、すでにそれを仄めかしてもいる。
 だが、岸田おろしを実行するには、最終的に自民党総裁選の前倒しが必要だ。岸田氏は、何があっても、それには応じないだろう。各派閥が健在であれば、派閥の領袖が集まって、党内の大半の議員をまとめ上げて岸田氏に引導を渡すということもあり得ただろうが、今や、派閥にその力はない
党総裁として、カネを握り、公認権も握る最高権力者である岸田氏が有利である。もちろん、そのいずれについても、幹事長である茂木敏充氏の意向を完全に無視はできないが、これまでに比べれば、岸田氏の力がはるかに強大になったことは確かである。
 さらに、あまり注目されていないが、官房長官だった安倍派の松野博一氏が裏金疑惑で事実上更迭され、後任に林芳正前外相が就いたことが大きい。安倍首相の時の官房長官は安倍派ではなく無派閥の菅氏、菅首相の時の官房長官は茂木派の加藤勝信前厚生労働相というように、最近は、首相の派閥と同じ派閥の議員が官房長官を務めることはなかった。しかし、現在は、岸田首相と同じ岸田派の林氏が官房長官だ。それが何を意味するかというと、年間10億円を超える官房機密費を他派閥に用途を知られることなく領収書なしで自由に使えるということだ。派閥のパーティー券収入は、多いところでも年間2億円強。官房機密費がいかに大きいかがわかる。このカネを自民党議員にばら撒けば多くの議員が岸田氏に靡く。カウンターパワーとなる派閥の力がほぼなくなり、岸田首相一強となったのだからそう簡単に岸田おろしになるとは言えないのだ。
ただし、岸田おろしを何とか封じてもそれでバラ色という展開にはならないのは岸田首相もよくわかっている。そこで、準備している4つのタマがある。
 まず、4月に予定される国賓級待遇での米国訪問だ。「異例のおもてなし」の演出と連日流れる「ジョー」「フミオ」の蜜月映像。安倍氏ではないが、自撮りツーショットを岸田氏が自慢する姿が眼に浮かぶ。米国コンプレックスの強いバカな日本国民は嫌なことを忘れて「岸田さんてすごいんだね」と言ってくれるという岸田氏の思惑がミエミエだ。
 第2のタマが電気・ガス価格激変緩和対策、すなわち電気・ガス料金を減額する補助金制度の延長だ。現在の措置は2024年4月使用分までとし、5月の使用分についてはそれを半分にして終わる予定だが、これを延長する可能性がある。これは単にバラマキで国民の歓心を買うというだけでなく、実は、第3のタマとセットで大きな効果を持つ可能性がある。
第3のタマは所得税の定額減税だ。昨年、岸田氏が「増税メガネ」と揶揄されたので、「何が何でも減税」とこだわって実現させたと言われた評判の悪い制度である。税金を払っていない世帯には給付金が配布されるが、そちらは、すでに手続きが始まっていて、早い自治体では2月末ごろから振り込みが始まる。一方、減税の方は、予算と税法の改正を待つので、実施は6月だ。6月に世帯人員1人当たり所得税3万円と住民税1万円を減税するのだが、実際には、1カ月でそれ以上税金を払っている人は意外と少ない。例えば、税金を毎月計1万円払っている単身者は、4カ月で計4万円減税されるという計算になる。実際には、7月はボーナスをもらってたくさん税金を払う人が多いので、7月での減税額はかなり多くなる。
 ここから先が、給付金ではなく減税にした意味になるのだが、減税して給料の手取りが増えると、それは厚労省の給与の統計(毎月勤労統計)に反映される。給付金だと給料ではないので反映されない。そして、6月分の速報値については8月上旬に発表される。さらに給与が統計上大きく増える7月分の速報値は、9月上旬発表だ。実質賃金は今なお20カ月連続マイナスで、これをプラスにするのが岸田首相の大命題だが、所得減税の効果が表に出る8月から9月にはこれがついにプラスという可能性が非常に高くなる。今年は昨年以上の賃上げが見込まれると言うが、昨年も5%程度の賃上げを連合が要求し、3.58%という近年にない高い賃上げを実現したのに、それでも実質賃金はいまだにマイナス3.0%減だ。今年、仮に昨年より1%高い賃上げが実現しても実質賃金プラスは微妙だ。しかし、所得減税効果で、賃金は大幅にゲタを履かせられる。

 さらにエネルギー価格が落ち着いていることもあって消費者物価上昇率は低下傾向が見えてきた。前述の電気・ガス料金補助金を延長すれば、物価を一段と抑制でき、実質賃金プラスはさらに確実になる。
「給付金ではダメ、所得減税だ!」とこだわった理由はここにあったのだ。大した策略ではないか。
最後に、第4のタマが残っている。それが、大阪・関西万博の縮小、延期または中止である。能登半島の復興を最優先し、大阪に集中する資材も人手も全部能登に回します!と宣言する。いまだに万博を変更なしで実施すると言う日本維新の会がいるので、岸田首相に「よく決断した!」という声が集まるという計算だ。サプライズ効果が大きい早期決断が望ましい。
 これには、維新の勢いを削ぎ、維新に取られている保守層を奪い返すという選挙対策の効果もある。  
いずれにしても、岸田首相としては、解散総選挙なしで9月(予定)の総裁選という選択肢はない。そうなれば、衆院議員(9月時点で残り任期1年あまり)にとっても参院議員(半数が25年7月に任期満了で改選)にとっても、選挙の顔を選ぶ選挙になるからだ。そうなれば、石破氏や河野太郎氏に勝つことはできない。
 そこで、総裁選の前に衆院の選挙を終わらせ、選挙間近なのは参院議員の半数だけという状況にする。そうなれば、官房機密費を使って自分の支持者を増やすことも可能だ。
 9月解散総選挙なら、賃金も上がり、大負けは防げる可能性がある。総裁選勝利の道はそこにしかない。だから最後まで解散総選挙に賭けるのだ。
 以上のようなことを岸田首相が考えているのかいないのか知る由もないが、岸田首相になったつもりで考えると、そんなに荒唐無稽なことではないように思えるのだが、いかがだろうか。


 
裏金疑惑が浮上した当時はは「安倍派と二階派という主流派を排除して、岸田派と麻生派・茂木 派が主流として今年の秋の総裁選に臨むとみられていた。
 
その後、岸田文雄の戦略は自身の派閥の収支報告書への記載漏れが発覚し会計責任者が起訴されるという事態からメディアの関心をそらす目的で唐突に宏池会の解散を発表した。
 
そしてそんな話は副総裁の麻生太郎や茂木 敏充幹事長にも事前に相談せずに行ったことから、派閥解散に反対な麻生派と茂木派を一気に「守旧派」というイメージを植え付けてしまった。
 
こんなしたたかなシナリオを一体だれが描いたのか、決して岸田文雄本にではないだろうと、オジサンは思う。 

 

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