模型工房クラフトベース工房主の気まぐれ日記

仕事での模型製作や、趣味のプラモ・ガレージキットの製作過程、TVや映画の事など、気の向くままに書いています。

映画「終戦のエンペラー」感想

2013-08-02 23:00:02 | 感想
終戦直後、GHQが上陸。
マッカーサー元帥は、早速フェラーズ准将に、天皇の戦争責任の極秘調査を命じる。

天皇を裁判にかければ、日本国民は再び決起しかねない。
マッカーサーとしては、天皇に責任がないことを証明し、日本の混乱を避けたいという思惑だったが、開戦時の日本の要人たちを調査しても、出てくるのは曖昧な言葉ばかり。
果して天皇は、開戦を止める力があったのか。
はっきりとしない証言、日本の頂点に居ながら指示も命令も出さないという、天皇という存在の特殊性は、フェラーズ准将を大いに悩ませます。

取り扱うのがいろいろな意味で難しいテーマの作品で、いったいどう決着をつけるのか、という興味から観に行きました。
評価は分かれているようですが、個人的には好感が持てる内容でした。

日本側の証言や説明が、欧米人には到底理解できない考え方であることが、そのまま述べられているのは、正直な作り方だと思います。
日本側の言動は変に強調されることもなく、マッカーサーはあくまで日本の統治をやりやすくするという目的のための行動として描かれており、中立に感じました。

最後の天皇陛下のお言葉や、その後のやりとりは、あくまで逸話として伝わっているものですが、それでもやはり日本人として胸にグッとくるものがあります。

フェラーズ准将の恋愛話は、これも意見が分かれているようですが、映画としては
ありなのかな。
フィクション部分も当然ありますが、これも映画の演出として許容範囲内だと思います。
何より、繰り返しになりますが、難しいテーマをよく映画化したと思います。
日本人なら見て損はしない作品だと思います。
コメント
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