以前、ジャパンスタンプオークションでeBayが出所の大正白紙未使用の偽物が記録のため出品されていたと記憶している。その品物のeBayでの出品者と同一人物と思われる者が、再度、eBayで菊切手と田沢切手大正白紙の偽物を出品していたので記録しておくことにする。大正白紙というより昭和白紙の印象。
上海カスタム印の最初のタイプを押して、上海フランス局を経由してロンドンに送られたカバー、結果は£2,395。知人にこのカバーを教えられた時、珍しい印が押してあるカバーと思ったが、再度日付をよく見たらと教えられて、あっと思わされたもの。このカバーもこれまでのと同じ出品者の品物で、他の出品物を念のため確認したらほぼすべて偽物、かつポジティブ評価が100%という御仁。作製者は、英語を母国語とせずかつ繁字体中国語に慣れていないと推測されるので、中国大陸製か?
なお、このフランス局カバーは、上海からフランス郵船で逓送されたもので、カバー自体は上海カスタム印を除けば本物だろう。
なお、このフランス局カバーは、上海からフランス郵船で逓送されたもので、カバー自体は上海カスタム印を除けば本物だろう。
米国5¢切手に福州IPO印押し米国宛カバー、結果は£4,544。福州IPO印の本物とこのカバー上の印影を並べてみた。なお、福州IPO印が複数存在したという話は聞いたことがない。このカバーの出品者もこれまでと同じ。
上海書信館封皮にドイツ20pf貼り上海ドイツ局消しコンビネーション使用ドレスデン宛、結果は£313.21。ドイツ局の日付印は真正のものと異なるので、ドレスデンの日付印も偽物か。この品物も出品者はこれまでと同じ。
紅印花大字1分を貼ってサンフランシスコに宛てられた形を取ったラッパー、結果は£888。冷静に考えれば、このような使用例は存在しないことが分かると思うが・・・切手の状態が悪く、タイしているラッパーに影響を与えていないことに変だと気が付かないと。これも出品者は同じ人。
小龍3額面セット貼り大沽カスタム印消し、アメリカ5¢上海アメリカ局消しカバー、結果は£2,285。これも出品者は同じ。カバーに貼られたアメリカ切手の状態に比べて、2級品の小龍切手を使ってコンビネーションカバーに仕上げている。大沽カスタム印の日付手書きはちょっとひどすぎ・・・
台湾Takow(現高雄)海関から1875年に香港に宛てられた形のカバー、結果は£4,513。これも、出品者は前と同じ。本物とされている同じようなカバーが2点知られており、それらを真似て丸ごと作ったもの。下の写真の右側は本物とされているカバーの一部分であるが、左側は筆跡を真似ようとしているが「臺」の字など異なり、「緘」の15画目はうまく書けなかったためかもう一度なぞっている。「湾」の字を見る限り、繁字体中国語に慣れていない人物が作ったような気がする。
米国3¢封皮に切手加貼(1枚脱落)Hanover1883年1月23日差出、中国通州宛カバー、上海で大龍切手を加貼した形を取っており、出品者はブラックライトの画像を何枚か加えている、結果は£2,800。出品者は、これまで紹介した品物の出品者と同じ、上海と北京の日付印は偽物であるが、カバー全体まるごと作成したものだろうか。