op's weblog

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レビュー:スーパー!

2011年08月19日 00時41分34秒 | Weblog
平日にしてはえらく混んでるな~と思ったら、『ウィークエンド・シャッフル』の課題作品になってたのね。



昨年末『キック・アス』が話題になったし、あらすじから『タクシー・ドライバー』も連想したので、何となくそれらに近いイメージを持って観に行った。のだが、観おわっての印象は、ある意味ネタバレになるのかもしれないが、1980年代に日本でも人気があったアービングやカーヴァーの小説だった。いや、それどころかフォークナーや(シャーウッド・)アンダスンの、和訳されていない短編が原案だよと言われても納得してしまうだろうし、ハメットが書いていてもおかしくない。要は、米国人が伝統的に抱えてきた“課題”が米国の伝統的な小説の組み立てで語られている、但し映画で、ということなのだろう。ちなみにこれらの作家は僕が今でも好きな連中なのでけなしているわけではない。


言うまでも無く、この映画では、「絵」が全てを語っている。

「さえない僕の人生は、これだけだ。これまで僕が手に入れた“すごいもの”はこれしかない。」

そして宝物の一つを「奪われた」ことから始まる苦悩と恐怖に満ちた台風のような時間が過ぎ去り、また「失う」ことで、主人公は彼の内と外の世界が変わったことに気づく。つまり「本当に変身」を「得て」映画も終わる。

「僕って何なの?」という問いを、心ならずもユニークな方法で徹底的に追求し続けた結果、主人公は「僕というものの定義」と「外の世界の意味」を知る。


一風変わった装いの成長物語と言えるが、この“課題”が長年引き継がれ繰り返し語られてきたこと、この問いがこのように問われてきたと言う点で、僕は僕にとって、彼の国が日本よりしっくりくる。
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