op's weblog

文字通りのログ。経験したことや考えたことの断片のアーカイブ。

アルマズ・プロジェクト

2009年07月09日 20時09分07秒 | Weblog
インターネットのおかげで、高額なものを買ったりするときは事前にかなり下調べをするようになった。だからあまり失敗した経験はないのだが、貧乏性のせいか、ときどき安物買いの銭失いをする。

環境配慮にフォーカスしたカンファレンスに、ガンガン冷房が効いた中で半日参加してすっかり疲れてしまった後、豪華な無料ブッフェをパスして映画を見に行った。

久しぶりに都内に出るので、前日に検索して見つけたのだが、

「1998年11月、ロシアの宇宙ステーションが墜落した。ウクライナの反体制過激派グループは、当局を出し抜いてそこからブラックボックス(フライトレコーダー)を回収する。彼らが発表した映像には、宇宙ステーションで起きた「事件」が映し出されていた。…」というgooの紹介と上映館、水曜日は割引という情報だけ確認して行ったわけだ。

映画館の入り口には「吐いたり眩暈する人もいるから気をつけな」という張り紙があるし、紹介内容を見る限りそうとうきつい内容になると思ったし、案の定ロビーにいるのは野郎ばかり。直前にかき込んできた「富士そば」の冷やし肉そばをもどさなければいいがと思いながら、ちっさなホールの後ろの方に陣取る。ドキュメンタリーだろうがフィクションだろうが、何しろ映画館でいわゆるこわい映画を観るのは初めてなのだ。

で、始まってしばらくすると、まず、「こいつら本物の宇宙飛行士か?」と。素人目には宇宙ステーションの設備等は本物にしか見えないのだが、出てくる連中にプロフェッショナルやスペシャリストの匂いがしないのだ。しゃべりは自然なのだが、テレビで時々見かける宇宙飛行士が例外なく漂わせている、エリートとしてのプライドの高さや意志の強さ、“高性能な処理装置”という雰囲気がどうも薄い。

それでも、あらすじを見る限り非常にリアリティがある話だし、翻訳監修に宇宙センターだかどこだかの人がクレジットされていたので、そのまま観ていたのだが、今度は映像がいやにピントが合っていることが気になってきた(この映画に関する予備知識があって、楽しもうと観に来た人とは逆の感想かもしれない)。で、ますます疑念がふくらむ中で、トラブルが深刻化してゆくのだが、乗組員達はパニックになるばかりで打つ手なし。「アポロ13」を一度でも観たことがあるなら笑止である。問題解決能力とメンタルが傑出しているからこそ宇宙飛行士になれるのだ。

「なんだ、クローバーフィールドか」とようやく気がついてどっと脱力する。最後のほうになると、ロシアの乗組員がフライトレコーダー?のカメラに向かって英語で話し始めてしまった。

宇宙船などの道具や基本的なアイデアはよい。が、撮り方や脚本の細部の詰めが甘いので“真面目な客”は(うまいところまで)だましきれず、エンターテインメントと知って来た客にはやや感情移入が難しい舞台設定であることもあり、いまいち盛り上がりに欠ける内容かもしれないなと。もったいない素材です。まあ、一生懸命つくった感じがあって好感は持てるし、そもそもだいたい映画ってこんなパターンが多いけど。
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