op's weblog

文字通りのログ。経験したことや考えたことの断片のアーカイブ。

131011テニスメモ(いまさら楽天オープン観戦メモ②)

2013年10月12日 09時44分18秒 | Weblog
テレビではモンフィスのノラクラテニスに翻弄され気味だったジョコビッチが冷汗の準決勝進出を決め、次はマジメ同士のナダル対ヴァヴリンカがしっかり打ち合って1stタイブレーク。ただ観客の方は悪い癖?が出て、ウソのラインコールを叫んで主審を混乱させる始末。以前ラオニッチ対ロディックの決勝戦マッチポイントを邪魔して終わらせてしまい非難轟々だった東洋人カップルを思い出す(確かロディックの帽子飛ばしパッシングショットがあった試合)。


楽天ジャパンオープン2013本戦3日目、センターコートの第2試合はデル・ポトロ対ベロックの同国対決。試合の方はいつもの通りじっくりとペースを上げてゆくデルポに対し、最初からやや諦め気味のベロックはラリーが続かない。唯一の見せ場はデルポのあまいドロップボレーを股の間から叩いて抜いてみせたショットで、あれだけでプレイオブザウィークになれる。

次の覇権を握る最有力候補であるデルポはよくその破壊力が注目されるが、実際の試合運びはとにかく堅実がモットー。第1セットいっぱいかけて徐々に調子を上げてゆき、その間はとにかく無理をしない。遠いボールを諦めるのも早い。が、そのかわり届く範囲はとにかくしっかり返す。なにせ公称身長198cm、無理しなくても守備範囲はそこそこ広いので、相手は自然にリスクが高いエリアを「狙わされる」ことになる。第2セットに入るとサービスのコースも動きもレベルが上がってゆき、ますます相手は手詰まりになってゆくのが定食コース。ラオニッチ同様サイズを生かしたテニスなのだが、戦略的にはレンドルとよく似ている。強いしクレバーだがすごく面白いかと言ったら、基本的に「攻撃側の失敗を重ねさせてゆくための」攻撃が殆どなので…


そういえばべロックは厚い当りのシングルバックハンドを打つ。今大会では最近初戦負けが続いていたアルマグロが活躍したが、直接彼のプレイを観た人によるとバックハンドのスイングスピードと打ち出されるボールの威力は相当強烈だったようだ。で、この日の帰り道、雑誌で見かけた、フェデラーのバックハンドについて著名コーチが分析(賞賛)している特集がちょっとひっかかった内容だった。何の実績も権威も無い素人が個人ブログに書いているというエクスキューズ前提での反論になるが、やはりフェデラーのバックハンドは弱点である。その弱点の多くは実は技術的なものではなく、子供の頃からバックハンドショットが弱かったという心理的な理由と、得意なフォアハンドで試合を組み立てたいという戦略的なものだろう。だから基本的にフェデラーのバックハンドストロークは、攻めるより攻めをかわしたり、次にフォアハンドに回りこめる時間をつくるための使われ方をすることが多い。一方、シングルバックハンドが得意なガスケやアルマグロ、ヴァヴリンカ等は、それほどフォアに回り込むことに固執せず、より早い段階でバックで叩くことを決め、厚い当たりで攻撃するのだ。フェデラーのバックハンドは球種は多彩だが、単体でポイントを決めにくる要素は少ないので、サービスやフォアハンドとは違い、(レシーブ同様)あまり怖さがない。

技術的な側面を見ると、同じように振り切っているように見えても、前に挙げたバックハンドのハードヒッターに比べると威力も狙って打ち込む場所も落ちる。これはバックが得意な連中とフェデラーやサンプラスのフォームを比較するとわかるが、バックにより自信がないグループは肘を曲げてラケットを低く構え、ボールを腕のスイングで持ち上げるようにループスイングでトップスピン打っている。対して、得意なグループは、振り始めから腕をほぼ真っ直ぐに伸ばし、かなり直線的な(しかも水平に近い)軌道で打つ。さらに、旧世代のシングルバックハンドの名手としてフェデラーと特集で比較されていたエドベリ含め、トップスピンのための回転をかける作業は、腕の振りでは殆ど行わない。直線的な(必然的にスイングスピードはより速くなる)腕の振りの副産物である手首の下から上への回転、しかもラケットが水平からヘッド側が高くなる、しっかり加速がついた状態の時ボールをヒットしているのだ。一方、バックが(相対的にではあるが)弱い選手は、しばしば加速が充分ではない、ラケットヘッドが下がっているか水平の状態でヒットし、腕を振り上げることでボールへの入力を補おうとしているのだ。結果、バックが強い連中のショットは、打点が高く、厚い当たりで回転もより強烈なものになっている。

脱線ついでにフェデラーの今後について述べるなら、昨日モンフィスに負けた試合もそうだったが、フォアやネットプレイを活かすためにはまずサービスの「制圧力」を上げるしかない。キャリア終盤のサンプラスのように、技術もそうだがポパイのような筋肉をつけることも考えていいと思う。ストロークは、レシーブ含めやはりバックハンドでも積極的に攻めるしかないだろう。そのためにより許容範囲が広いラケットを選択するのはアリだ。この場合、極端に面の広いモデルではなく、空気抵抗を下げながらヒットできるエリアを広げるために、ラケットフェース周りのフレームを、正面から見た厚さを削り、横から見た厚さをふやしたモデルにするアプローチがより適していると思う。


神を恐れぬ論陣を張ってなお観戦記は続く…(笑)



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