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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

夢のロケット、花と散る

2024-03-13 | 雑感
散歩の途中でロケット打ち上げを見た。残念ながらトラブルがあり、発射数秒後に爆破された。

過疎の町、串本の、躍進の起爆剤として、10年近く串本町はこのイベントに一極集中させてきたが、それが花と散った。悲惨すぎて、しばらくは立ち直れそうにない。







ミサゴは餌捕りに3回失敗して立ち去る

2024-02-12 | 雑感
目の前でミサゴがホバーリング。狩りの気配。急いで予想着地地点に照準を合わせる。

1回目のダイブ、失敗

2回目、失敗

3回目、失敗、立ち去る

今日の1枚 ウミアイサの徒競走

2024-02-09 | 雑感
健康のために毎日90分程度歩いている。ただし、ただ歩くだけではつまらないので、生物や風景を観察しがてら、季節の移ろいを感じながら歩くのである。さらに、カメラを携帯して、目についた生物や風景を撮る。最近の被写体は鳥が多いが、玉が短いので個体のアップをきれいには撮ることは難しい。

その日に撮った画像の中で満足なものがあれば、1枚を選んでデスクトップの背景にしてパソコンを開く度にそれを眺める。

そんな「今日の1枚」は毎日更新されることもあれば、1週間以上同じ場合もある。更新の決め手は、面白みとか季節感である。


2日前の「今日の1枚」。大島架橋を背景にしたカルガモの群れの採餌。冬の弱い日差しの中の、のどかな1枚。


今日の「今日の1枚」。橋杭岩の前でのウミアイサの採餌風景。浅瀬であったため、皆、小走りして魚を追っている。ほほえましい1枚。

冬の風物詩 二景

2024-01-17 | 雑感
今日の散歩で印象的だった光景


うつぼ干し
串本の食文化。細かく切って素揚げし、甘醤油に付けて食べるのが一般的であるが、あぶっただけでもおいしい。


さんまの丸干し
南紀一帯の食文化であるが、熊野地方の方がよく目にする光景である。

散歩の時はとにかく小さい双眼鏡

2024-01-11 | 雑感
分類屋の性で、毎日の散歩の際に目についた生物の種名やその種の付随情報をつい知りたくなる。雑草の一種とか、名も無き生物とか、一期一会とかで済ますことができないのである。いくら散歩が健康維持のためであっても、自然観察の楽しみがなければ、それは味気ないものとなり、継続のためのモチベーションは到底維持できない。

散歩の途中で気になった生物に出会うと、デジカメで撮影し、画像をパソコンの画面に開いて種名を調べる。最近はグーグルレンズの信頼性が向上してきたので、1次同定をこれに頼り、最終的に図鑑や関連サイトで種を確定させ、種の情報を収集する。

ところが、鳥の場合は撮影が難しい。そばに寄れないし、じっとしていてくれない。例え写せても、小型の鳥は、手持ちのカメラでは米粒程度にしかならない。そこで、活躍するのが双眼鏡である。

双眼鏡はこれまで2台持っていたが、何れも現在使用不能状態。そのため、今回、新たに購入した次第である。これまでの物はどれも大きくて重く、野鳥観察目的で出かける時でないと、邪魔になる代物であった。そこで、購入に際しては、とにかく携帯性(小さくて軽いこと)を必須条件に、安価、倍率は8か10、そこそこの性能、眼鏡可、日本のメーカーの条件を付加して選択した。

5000円クラスで上記の条件に適合する物はいくつもあり選択に悩んだが、最終的に口コミを参考にして、ナシカ10×21 UC-MC(定価3300円)を選んだ。性能的に厳しいところはいくつもあったが、この価格では致し方なかろう。見え方はまずまずであるが、小型10倍双眼鏡の宿命か、視野が狭いため山野の小鳥は追えないし、探せない。大型の鳥か、水面に浮かぶ水鳥向きである。また、眼鏡仕様にはなっているが、ちょっと厳しかった。ただし、総合的には満足で、携帯性が抜群であるメリットは、多くの不満を凌駕する。


歴代双眼鏡
上段:ビクセンアスコット(10×50)。前回のハレー彗星接近(1986年)の際に購入したもので、星空観察用として活躍していたが、防水なのに20年程前にレンズ内側にカビが生えて使用不能となっていた。
下段左:日本光学(7×35 富士山マーク)。義父の形見で、製造が1960年頃の歴史的なニコンの銘機、その驚くべき鮮明な視界は現行の精鋭機種と比較しても遜色なく(思う)、昨年まで野鳥観察用の現役として活躍していた。ところが、ついにピント調整が故障してしまった。
下段右:新規購入のナシカ10×21 UC-MC。とにかく小さい。色を赤にしたのは家内に持ってもらうため。


ウミアイサ:本日はこの鳥の観察でナシカが活躍しました。

マガモのシンクロ

2024-01-02 | 雑感
天気が良いのでお弁当を持って、少し遠いが三重県にある紀伊半島では最も美しい、お気に入りの浜に出かけた。この浜には小川が注ぎ、冬鳥が少し見られる。

浜で食事を済ませ、小川の脇に移動し、腰を据えて冬鳥を眺めた。最初は警戒して遠くに泳ぎ去っていた鳥たちが目の前に戻って来てくれた。

カモ類はマガモとヒドリガモの2種、それとコサギとイソシギ、遠くにはウミネコの大群。今年はオオバンがいない。

真っ先に目についたのが、マガモの雄同士の番。周囲には単独雌も散見されたのに。雄同士が番になったため、あぶれた模様。

この番、たいへん仲が良い。採餌の際も息がぴったり。素晴らしいシンクロ。得点は100点。しばらく見とれていた。









死しても屍と価値を残す紀伊半島最大のサンゴ 

2023-12-23 | 雑感
紀伊半島最南端にある我が町の西隣町は、以前は研究者を含め一般ダイバーの立ち入りが許可されなかったため、海中の状況が伝わることはなかった。従って、その町の地先にある、紀伊半島最大のサンゴも、世に知られることはなかったはずである。ところが、1989年に実施された和歌山県沿岸のイシサンゴ分布調査によって、それは奇跡的に発見された。その調査は、ダイバーが船から曳行されたボードにつかまり海底を探索する方法(マンタ法)で行われ、海底の状況を線でしか捉えることができないため、船の航路がほんの少しでもずれていたら発見されることはなかったのである。

そのサンゴの種名はコブハマサンゴで、直径約8m・高さ5mあり、徳島の1000年サンゴには及ばないが、九州以北ではそれに次ぐ大きさであると思われる。

最初の発見から凡そ20年後の2010年に、再びマンタ法での調査で当地を訪れた際に、1発で本サンゴに当たらなかったため、船を止め、20分ほど遊泳探索してなんとか探し出すことができた。しかしながら、久しぶりの再会を楽しむことはできなかった。サンゴはほぼ完全な斃死状態、それも骨格が新しかったため死後1~2年と思われた。津波や環境の激変に耐え、500年以上もの長きにわたって生きてきたと思われる、紀伊半島で最も古いサンゴが、ごく最近になって人知れず死んでいたのである。なんということか。近年の環境は、サンゴにとって酷であり、長寿を奪っている。


2010年に再会した巨大コブハマサンゴ。壊滅状態であったが、死後新しく、庇状の突起はきれいに残っていた。

最後はちょっとうれしいニュース。このサンゴは死んでしまったが、サンゴが歩んだ環境を復元すべく、サンゴのコアを掘削し、それを元に同位体解析を行うプロジェクトが始まった。今年度はサンゴ位置を特定し、状態を把握する予備調査が計画され、本日、道案内のために調査に同行した。

幸い、サンゴはすぐに見つかった。死後15年ほどの間に浸蝕が進行し、前回、サンゴの側面に認められた複数の庇状の突起は消失していたが、まだ、崩落は免れていた。来年、掘削にうまく成功すれば、紀伊半島の古環境を読み取ることが可能となる。巨大サンゴは死んでも屍とその価値を残した。

なお、今回、漁師さんへの聞き取りによって、本サンゴの死因を特定することができた。犯人はオニヒトデ。2008年頃に、サンゴがある場所の岸寄りで、ナガレコ(トコブシ)獲りの際に大量のオニヒトデが観察されていた。隣町におけるオニヒトデの大量発生の情報はこれまで得られていなかった。


2023年12月に撮影された巨大コブハマサンゴのほぼ斃死群体


ごくわずかに生き残っていたコブハマサンゴ。生残部は全体の1%程度であるが、このまま好環境が50年以上続けば、復活するかもしれない。

オーディオとはあきらめなり

2023-12-15 | 雑感
ブラームス交響曲第1番はたまに聴きたくなる。特に第4楽章終盤の至高のコーダ。これまで、この曲はカールベーム・ベルリンフィル(1959)が最良と思っていたが、カラヤン・ベルリンフィルとの違いをじっくりと聞き比べをしてみたくなった。ところが、住宅街故、スピーカーを大音量で鳴らして比較することができない。といって、まともなヘッドフォンはない。あるのは、ウォークマンに付属していた有線イヤホンとソニーの無線イヤホン、それにウエブ会議用の格安ヘッドセットである。この中で音質が最も良いのは、有線イヤホンであるが、ベームとカラヤンを比較できるほどの代物ではない。そこで、この際、人生最後となる、まともなヘッドフォンを調達することにした。

オーディオを始めた50年ほど前の高校生の頃、パイオニアのヘッドフォン(たぶんSE-205)を持っていた。音が良く、形も格好良く、たいへん気に入っていたのであるが、いつの間にか手元から消失していた。以降、今日に至るまで音楽観賞用のヘッドフォンを所持することはなかった。


パイオニア SE-205(出典:http://20cheaddatebase.web.fc2.com/pioneer/pioneerindex.html)

今回の購入の際にも、パイオニアのヘッドフォンを1番の候補に上げて調べたのであるが、国内老舗オーデイオメーカーの末路のご多分に漏れず、パイオニアの音響部門はブランド名を含めて1990年代に別会社に譲渡されていた。そして、現在販売されているパイオニアブランドのヘッドフォンはDJ・Club向け専門に特価している。そこで、機種選定は白紙状態に戻して調べ直した。後付けではあるが、選定の条件は、クラッシック観賞にも向いていること、透明で輝きのある音質であること、耳への負担が少ない開放型であること、価格の上限は2万円付近であること、とした。

都会、特に東京や大阪であれば、専門店で直接試聴して機種を選ぶことができる。しかし、本州最南端の僻地住まい、選定はウエブでの評価や口コミに頼らざるを得ない。そこで、様々なウエブ情報を可能な限り当たってみた。その結果、分かったことは、同じ機種でも良いと言う人もいれば、悪いと言う人もおり、人の耳は当てにできないということだ。

最終的に参考にしたのは、ユーチュ-ブに開設されている「ヘッドフォン試聴部屋 hporz.blogspot.com」である。作者は自身の概要に「魚沼のロックバンドYellowGateの鍵盤担当であり、100種のヘッドフォンを試した男」とあり、内容はタイトルとサブタイトル「ヘッドフォン試聴部屋〜百聞は一聴にしかず:ヘッドフォンの音は実に個性豊かです。いろんな機種の音質の違いを聴き比べてみてください」にある様に、マイク付き人型ダミーにヘッドフォンをセットして録音し、それを試聴できるようにしたものである。本サイトの最大の利点は、代表的な機種全てを試聴して、自分の耳で音の良し悪しを判断できることである。


ヘッドフォン試聴部屋〜百聞は一聴にしかず(出典: https://hporz.blogspot.com/search/label/_SONY)

このサイトのお陰で、最終候補として銘機として特に有名なAKG-K701が残った。なお、AKG(アーカーゲー)は元々オーストリアのメーカーであったが、サムソンが買収し製品は中国で生産されている。また、サムソンの買収以降、ウイーンに残った技術者は、オーストリアンオーディオを立ち上げている。

ところがである。AKGを発注寸前にどんでん返しとなった。それは、ユーチューブでカラヤン・ベルリンフィルによるブラームス第1(1981年東京公演)を聴いてしまったからである。それは、カラヤン・ベルリンフィルの到達点とも言える壮大で華麗な演奏。その重厚で圧倒的な音の洪水を耳にして、「繊細なAKGではこれを鳴らしきれないかもしれない」と感じた。そのため、機種選定は振り出しに戻り、再び「ヘッドフォン試聴部屋」で対「東京公演」用の機種を選び直した。


カラヤン・ベルリンフィルによるブラームス第1:1981年東京公演(出典:https://www.youtube.com/watch?v=rCsBPIEhcHg)

選ばれたのは、スタジオモニターヘッドフォンとして名高いソニーのMDR-7506(12800円、サウンドハウス)。上述した選定条件をすっ飛ばし、開放型ではなく密閉型である。それでも、メリハリと厚みのある明瞭な音作りは「東京公演」を鳴らすのに、ふさわしいと思ったからだ。


購入したソニーのMDR-7506(通称青帯)

本機種が届いてさっそく様々なジャンルの楽曲を聴いてみた。音質を一言でいえば、ライブハウスの臨場感。音域や空間は広くはなく、まとまっている。クリアーでメリハリがあり、嫌みのないドンシャリサウンド。低域の主張は、ロックやジャズでは少々耳に付くが、交響曲では厚みが出て好ましい。低域に厚みがありながら、意外にもボーカルは前面に出ず、1歩下がった位置で聞こえる。ただし、声音はとても率直で歌い手の素顔がのぞける。銘機と言われるだけのことはある。音域と空間の狭さ、低域の強調感、ボーカルの主張と艶の少なさには少々難があるが、総合的には「良い音」であり、音質はこれはこれで満足である。欲を言えば切りがないし、完璧なものなど存在しない。オーディオは投資と音質が必ずしも一致せず、人の欲望の強さも相俟って沼にはまりやすい。オーディオはあきらめが肝心である。

さて、ソニーのMDR-7506を使用してのブラームス第1のカールベーム・ベルリンフィル(1959)とカラヤン・ベルリンフィル(1987)を聞き比べた。甲乙付け難かったが、カラヤンに軍配を上げた。しかしながら、バーンスタイン・ウイーンフィルも小澤征爾・ボストンフィルもとても良い。要は曲が良いということだ。ユーチューブでは様々な指揮者のこの曲を視聴することができるが、皆、コーダの所で一段と熱が入っている。特にバーンスタインとバレンボイムは爆発している。全ての音楽家にこの曲は愛されている。

最後に、本機種を用いてのブラームス第1(カラヤン・ベルリンフィル:1981年東京公演)を聴いた感想であるが、本機種では音源の粗さが目立ってしまい、演奏に集中できなかった。皮肉な結果であるが、本機種ほどになると、音源の質も要求されると言うことだ。

今日の飛ぶもの

2023-12-06 | 雑感

晩秋の雲
絹雲は青い空に映えるので好きである


餌を待つクロサギ
半年前は片足を引きずっていて心配したが完治したようだ


危険な物体
事故の後なので飛行自粛中かと思いきや5機編隊で飛んでいた。モニターを覘かず撮ったらこの有様


チョウゲンボウ
たまに見かけるがなかなか近寄らせてくれない。今日はなんとか画像に納めることができたが、そっぽを向いていたことが分かり残念。

和名の命名について考える-愛情と想像力はあったか

2023-11-29 | 雑感
最近、あるサンゴの和名改称に共著者の一人として関わった。そして、既に広く認識されている和名を変えることに、些かの労力を費やした。本当に改称すべきかどうか、熟考が必要だったからである。

国内で用いられる生物の正式な種名には、学名と和名がある。学名は世界共通の唯一の種名で、その安定のためには厳格なルール(動物ならば国際動物命名規約)がある。一方、和名は言うまでもなく国内のみで通用する日本語の種名で、学名のような厳格なルールはない。そのため、しかるべき学術誌以外でも、また、研究者以外でも「気軽」に付けられたし、変えることもできた。例えば、その道の権威と自負する研究者が、後進の者が付けた和名が気にくわないと言ってコロコロと和名を変える場面を往々にして目にしてきた。

命名に関してはそんな「軽い」和名ではあるが、学名のみが通用する狭い研究界を離れれば、使用されるのは和名であり、生物の認識名としては学名よりも重要性がはるかに高い。近年になり和名の安定性を憂慮する機運が高まり、様々な学会において、学名に準じたルールの策定が行われるようになった。それらに共通するのは、差別的な表現の使用廃止と、和名の安易な改変の禁止である。


さて、前置きが長くなったが、種子島がほぼ唯一の生息地であると共にタイプ産地でもあるサンゴの1種に、ハナサンゴモドキ Euphyllia paraglabrescens Veron, 1990 がいる。大きさは直径15cmほど、短く太い枝が放射状に伸びた花束状の骨格を持ち、生時は触手の先が泡状に膨らんだポリプによって完全に被われ、色彩は緑色、褐色、それらの斑模様と様々である。

本種の和名はハナサンゴとモドキ(擬き)の合成名で、近縁のハナサンゴEuphyllia glabrescensに似て非なる種であることを表す。

本種は近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種であるとして、2017年に環境省海洋生物レッドリストで絶滅危惧 IB 類に指定された。本指定を契機に、種子島では行政や住民が一体となった本種の保全活動が推進され、2019年には鹿児島県の天然記念物として指定され、その保護が図られている。このように、本種は地域にとって最も重要な海洋生物、あるいは島の宝として認識されてきているのであるが、一方で「にせもの」や「まがいもの」の意味を持つ「モドキ」が付いた命名に対する批判と共に、「今後の保全のためにもより大切にしたいと思えるような種名に変えて欲しい」との要望がしばしば寄せられていた。冒頭に述べた「あるサンゴ」とは本種のことである。


和名は、基準となる既知種に似た近縁種に「ニセ~、~ダマシ、~モドキ」の接頭語や接尾語を付けて作られる場合がある。しかしながら、生物に対し愛があり、自分が命名した種が後にその種名を背負ってどのように歩むのか、少しの想像力があれば、「モドキ」「ダマシ」「ニセ」といった種にとってはなはだ不名誉で尊厳を欠いたレッテルは付けなかったはずである。また、一昔前の研究者の多くには、「和名は不要、和名なんて何か付いていればよいし、適当に付けておけばよい」、といった和名を卑下する認識もあった。

今回の和名改称問題に関与して、「研究者は、学名のみならず和名においても命名に当たっては、その種への愛情と種名が背負う運命に対する想像力を持つことが肝要である」と、自らへの反省の意味も込めて唱えたいと思った次第である。

蛇足であるが、「ニセ、ダマシ、モドキ」に対する学名として「para、pseudo、opsis」がある。サンゴ分類学の権威であるVeron博士は件の Euphyllia paraglabrescens を命名したが、学名自体が「ハナサンゴモドキ」でもあったのである。さらに驚くべきことに、博士は同じ出版物においてハナサンゴモドキ以外にも同じ属の種に Euphyllia paradivasa  Euphyllia paraancora の2種にpara付きの学名を提唱した。「para」3連発とはよほどこの用語がお気に入りだったようであるが、この安易さからは愛情と想像力は感じられない。






「まがいもの」という不名誉なレッテルが付けられたハナサンゴモドキ