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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

イシガケチョウの集団吸水

2025-05-23 | 雑感

イシガケチョウ
タテハ科。大きさは50mm程。ヒラヒラとかつ素早く飛ぶ。熱帯種であるが温暖化によって和歌山以北にも北上しているという。林道や疎林に多く、基本的に平野部にはいない。


今日散歩していたらイシガケチョウの集団吸水に出会った。その数は十数頭。このような数の本種に出会ったのは初めてである。

たいていの蝶は水分とミネラル補給のため吸水を行うが、集団吸水はあまりみかけない。今回はしばらく観察していたら、次々に集まってきた。何かが信号となっているようだ。

集団吸水には集団化による捕食回避や、好適な吸水場所の情報共有という適応的意味があるらしい。今回の場合は後者が当てはまろうか。よほどおいしい水場であったのであろう。

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今後、本ブログは「はてなブログ」に移行します。
○移行先の新ブログURLは
https://kuchihigenomuragani2025.hatenablog.com/
しばらくの間は「goo」と「Hatena」の2足の草鞋で掲載しています。
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イシガケチョウの集団吸水。他にツワブキの葉の下に5・6頭隠れていた。




はてなブログに移行しました

2025-05-21 | 雑感
NTTドコモが運営するポータルサイトgoo(グー)は、関連する一連のサービスを今年中に終了するらしい。当ブログもしかり。2025年11月18日をもってサービスを終了するとのお達しがあった。大手が運営していたのでこんなことが起きるなんて予想だにしていなかったが、意外に余力がなくなってきているのであろう。

私のブログは定年後のボケ防止ならびに備忘録として2018年4月に開設し、今日まで280回にわたって気ままに雑感を書き綴ってきた。サービス終了に際し、以下の2つの選択肢を考えた。
①サービス終了と同時に、ブログを止める
②他のサービスに乗り換える

当初は①を選ぶつもりでいたが、やはりボケ防止は必要であると思い直し、ブログは続けることにした。グーブログは終了にあたって、「Ameba」と「はてな」の両ブログサイトを推奨し、データ移行サービスも整えている。どちらでもよかったが、語の響きの好みで後者を選んだ。

さっそく移行案内手引きに従って行ったところ、あっけなく完了した。新ブログのタイトルは再び屋号を用い、Kuchihigenomuragani2025とした。
○移行先の新ブログURLは
https://kuchihigenomuragani2025.hatenablog.com/

という次第で、今後しばらくは、「goo」と「Hatena」の2足の草鞋で掲載していく。


目と鼻の先に断念した西穂丸山がある。いつかリベンジしたいが。。。

上高地に行く ④上高地で見かけた花

2025-05-17 | 雑感




残念ながら野鳥撮影は難しかった。声はたくさんしていたが、どれも小さく、そしてすばしっこく・・・。花は期待以上に観察できた。

ミヤマキケマン(あかんだな駐車場)

ヒメオドリコソウ(白川郷)

エゾムラサキ(白川郷)

コバネキヌゴケ(花ではないが・・・)

エンレイソウ

シロバナエンレイソウ

オオタチボソスミレ

ツボスミレ

コミヤマカタバミ

スズラン

ニリンソウ。見かけるのは一輪ばかり

ネコメソウ。水辺の草

ハルトラノオ。純群落が散見された

ヒレハリソウ?

フッキソウ

マツバトウダイ

ムラサキケマン

種不明

おまけ。アカケダニ、登山中に見られた美しいダニ

上高地に行く ③上高地散策

2025-05-17 | 雑感

宿泊した大正池ホテル。


昨日膝を痛めてしまったため、ホテルのある大正池から上高地バスターミナル間はバスを利用し、散策は河童橋周辺に限定、明神方面は断念した。それでも、最終的な歩数は13000歩に達した。

帰りのルートは私にとって鬼門(何度も渋滞で失敗)である名古屋経由を選んだが、工事の影響で案の定渋滞に遭い、大阪周りよりも距離は短いものの1時間ほど長くかかった。

ともかく無事に戻れた。上高地は無理をしても行く価値は十二分にがあった。そして、最も良かったのは、大正池ホテルの自室からの眺め、特に刻々と変化する焼岳と池の表情が、どの時間を切り取っても絶妙であった。それは、宿泊者しか味わえない贅沢な特典。

日程
○3日目 ほぼ晴れ(歩数13200、歩行5時間。車471km、7時間20分、燃費24.4km)
05:00 起床・大正池散策、06:23 バスで上高地バスターミナルへ、06:37 上高地散策~河童橋でライブカメラに映る、07:49 バスで大正池ホテルに戻る、09:00~河童橋周辺散策+五千尺ホテルでデザート、12:18 あかんだな駐車場発、13:45 ひるがの高原SA、(名古屋経由)、17:20 奥伊勢SA、19:35 自宅着


ホテル自室からの焼岳と大正池の眺め


上高地河童橋周辺。どこを切り取っても絵葉書のよう。

上高地で最も有名な河童橋。画像は早朝であり、昼は混雑する。

直前の目撃情報。登山道でこれに出会わなくてよかった

上高地に行く ②西穂ミニ登山

2025-05-17 | 雑感

ロープウエイ頂上から西穂連山を望む

2日目は西穂ミニ登山が主行事。どうしても北アルプスの大パノラマが見たくて西穂丸山に登り、西穂山荘から上高地に下りるコースを選んだ。ところがである。海はプロでも山はアマチュア、いささか雪山をなめていた。予想はしていたがロープウエイを降りたら一面銀世界。アイゼン無しの雪上歩行で山荘にたどり着いたものの、途中で妻が転倒し、心身共にダメージを受けてしまった。そこで丸山は断念し、上高地までの下山に専念することにした。

山荘から上高地までの西穂高岳登山道は急勾配ではあるが、目印が整備されており、尻滑りを駆使して迷うことなく雪道は降りられたが、雪が途絶えた後半の山道で、今度は私が膝を痛めてしまった。なんともなさけないポンコツ夫婦である。ストックを杖代わりに上高地登山口まで下りることはできたが、翌日の日程に影響を与えてしまった。

日程
○2日目 ほぼ晴れ(歩数20000、歩行6時間)
04:00 起床・朝食(パン、明宝ハム)、4:51 高山出発、05:45 あかんだな駐車場、06:00 平湯バスータミナル、07:00 濃尾バスで平湯発、07:33 新穂高ロープウエイ乗り場着、08:30 新穂高第1ロープウエイ、08:43 新穂高第2ロープウエイ、08:53 西穂高口駅着、09:30 西穂ミニ登山開始、11:00 西穂山荘・昼食(カレー、豚汁・焼きおにぎり)、12:11 下山(西穂高岳登山道)、15:39 上高地登山口、16:34 大正池着・大正池ホテル泊


山頂駅から北アルプスの山々を望む


山頂駅~西穂山荘(標高2367m)



西穂山荘~中尾根手前。ここまではかなりの残雪。


中尾根~上高地登山口。中尾根を過ぎると雪がなくなり、下界は春へと変わる。

上高地に行く ①白川郷を見て高山泊

2025-05-17 | 雑感


旅行は終活の一環である。

数年前から体に自信が持てなくなってしまった。そのため、「体がまだ動く内に”やりたいこと”をやっておかないと」、という強迫観念を持つようになった。

旅行は”やりたいこと”の1つである。特に行っておきたい目的地は国内では2つある。1つは幼少期を過ごした北海道千歳市付近の変貌ぶりを見とどけること。三つ子の魂ではないが、当地では幼稚園と小学校低学年時代を過ごし、その大地に今へと続く私の基本的な自然観というものが醸成されたように思う。そして、当地を離れたて以来、もう60年近く再訪していない。あのどこまでも続く地平線と、印象的なフランスベッドのポツンとした看板はどうなったであろうか。

他の1つは、国内では自然景観が最も美しいとされる上高地である。1度は自分の目で見ておきたい。という次第で数日前に彼の地を訪れた。

しかしながら上高地は遠い。家がある本州最果て・最南端の地から500km、車で7時間かかる。たぶん2度と行かないであろうから、ついでに憧れの白川郷も訪問地に含めた。日程は2泊3日、初日が白川郷、2日目は西穂ミニ登山、3日目は上高地散策をそれぞれ各日のメインに据えた、なかなかの欲張り強行軍。当初、車のルートは距離が短い名古屋経由を予定していたが、新名神と湾岸が工事で渋滞が予想されたため、行きは大阪経由を選んだ。

日程
○1日目(2025年5月13日) 快晴
(自宅-白川郷:520km、6時間40分、燃費20.6km。散策歩数19000)
03:42 自宅出発、05:28 紀ノ川SA、07:42 多賀SA、10:25 白川郷、13:28 高山到着・散策、15:00 KAjette入宿、晩食は麺屋真菜で高山ラーメン


白川郷。凝縮された映像で見ていたほどではないが、それなりに良い。


高山市内。上段は飛騨地方のお守りであるさるぼぼ。お団子が名物とのことで、昼はみたらし団子、五平餅、高山牛饅を食べ歩いた。当地の観光は、それ用に整備された観光店街を歩くことになるが、興をそそられない。それよりも、川を挟んだ反対の通りが静かで、祭り関係の店や家屋が並び趣がある。下段の画像はそんな中にあった床屋。強い昭和感を放っていた。


愛車となった新型ギア。よく走り、かつとても運転しやすい。この車を買わなければ、飛騨・信州旅行は思いつかなかった。今回は1000kmを走り、平均燃費は22km/ℓもあった。

紀伊路紀行③ 印南町内 20250505

2025-05-08 | 雑感

紀伊路印南町内の地図(赤線が古道:和歌山県提供の紀伊路マップから引用)


1年も間隔が空いたが、紀伊路歩きの3回目は印南町内の切目中山王子、切目王子、斑鳩王子を詣でた。行程は岩代駅(駐車:10時頃)-岩代王子(通過)-有馬皇子結び松の記念碑-徳本上人名号碑-榎木峠-切目中山王子-切目駅(昼食:12:30頃)-切目王子-コンビニ(休憩)-斑鳩王子-平和橋(旧街道を川沿いを上る)-切目駅(15:30頃)。総歩数は約2万歩、距離は約10km。



有馬皇子結び松の記念碑:国道沿いにあり貧弱な松が植えられているが、もう50年もすれば名所になろう。悲しい歴史が偲ばれる。中段は江戸時代後期に描かれたもの(紀伊国名所図会より)。


榎木峠:距離は長く舗装路ではあるが、傾斜の緩やかな静かな農道。


切目中山王子:この横からの印南の町の眺望が素晴らしい。



切目駅:駅舎内には松下太紀さんの蛙アートが展示されている。あちこちの標識にも蛙マークがあり、さすが蛙大橋の町である。なお、切目王子にはこの先にある切目川を渡るが、地図に載っている切目橋は建て替え中であるため、国道を利用する。


切目王子:格式の高い五体王子の1つであり、紀伊国名所図会にも描かれている。


斑鳩王子


印南街道:斑鳩王子を下るとやっと蛙大橋が見えてくる。印南川沿いは旧街道が走り、当時の繁栄の痕跡を示すが、今は悲しいかな廃屋ばかりが並ぶ。この街道は同じ川沿いにある古座街道に似ている。


印南駅から見た蛙大橋と旧印南驛の大橋(紀伊国名所図会より)。両者は同じ場所ではないが、そう離れてもいまい。


蛙大橋:実は今回のメインはこれでした。見られて満足。

サンゴに生じる虫瘤の謎~受動的か能動的か

2025-05-08 | 雑感
これまで多数のコモンサンゴ類標本を採集してきたが、その中で異常な数の虫瘤が生じたものに出会ったことがある。虫瘤とは正確には虫瘤状粒状突起とでも表現され、個体を取り巻く個体壁が個体と共に突出し、さらに個体壁が膨張してドーム状に変形した奇形個体を指す。虫瘤の直径は約2mm、内部は空洞で、他生物が居住した痕跡は認められない(標本は漂白してあるので軟体質は残らない)。さて、この標本の場合、個体のほとんどが虫瘤状に変形し、正常な個体はほとんど認められなかった。当初はこれを珍種と判断してMontipora sp. MUSHIKOBU ムシコブコモンサンゴと暫定的な名前を与えて区別していたが、後にMontipora nodosa イワトゲコモンサンゴが何らかの寄生生物の影響を受けた奇形標本であると判断された。それは、この種の他の標本のいくつかにおいても虫瘤が散見されたためである。


Montipora nodosa イワトゲコモンサンゴに生じた異常な数の虫瘤:標本は慶良間諸島産、目盛り及びバーのサイズは1mm。


この標本の発見以降、しばらくは虫瘤を生じた標本は見かけなかったのであるが、宮古諸島で採集した、イワトゲコモンサンゴとは系統が大きく異なるMontipora fungiformis(仮にコモンサンゴAと呼ぶ)からも多数の虫瘤が発見された。虫瘤の形はイワトゲコモンサンゴと変わりないが、コモンサンゴAでは採集された4標本全てにおいて多数の虫瘤が確認された。これらの標本では、正常な個体は虫瘤よりも優占し、かつ同一の虫瘤形成パターンを有した。すなわち、
①個体壁の一部が肥厚しながら個体と共に突出
②個体壁が膨らみドーム状に変形
③最終的に個体壁は頂部に空いていた莢開口部を閉じる

これらの標本の観察から、虫瘤は本種に普遍的に備った形質のようにも見受けられる。そうであれば、虫瘤は本種にとって何らかの適応的意味があるはずである。しかしながら、虫瘤形成によって個体の機能を失う事により得られる利益が何であるか想像が及ばない。

もしかしたら、虫瘤は何らかの生物の寄生によって作らされた寄生生物の住居かもしれない。これが正しければ、寄生生物が宿主を巧みにコントロールし、住居を作らせていることになる。このたいへん興味深い発見は「Nature」級の論文となること間違いないが、話が出来すぎていてかえって信憑性に欠ける。

そのため、こうも考えられる。「虫瘤は寄生生物に対抗するためのサンゴ側の防除反応かもしれない」。この説が一番自然か。ただし真実は未だ藪の中。



Montipora fungiformis コモンサンゴAに生じた多数の虫瘤:標本は宮古島諸島、目盛り及びバーのサイズは1mm。

ハナイカの繁殖~昔の仕事

2025-05-07 | 雑感

ハナイカ:興奮時(上)と隠蔽時(下)


先日、若い研究者から報文の別刷り請求があった。

研究者間では別刷り請求があったら無償で応じなければならないという暗黙の了解があり、私も先達の研究者からたくさんの別刷りを分けていただいた。

しかしながら、関心を持たれない生物達を研究してきたため、自分に別刷り請求が来ることはほとんどなかった。新種記載論文を出しても請求がくるのはほんの数件程度といった次第、張り合いはなく、まったく自己満足の世界である。

さて、今回、久しぶりに別刷り請求があったのは、40年以上も前の大昔に、水族館業務の一環で手がけたハナイカの4世代累代飼育に関するものである。愛着のあった生物であったが、寿命が1年しかないはかない命がとてもやるせなかった。昔の仕事の話。


求愛行動




卵内の発育段階


孵化直前


孵化脱出


孵化直後の稚仔

大雲取越のさわりを歩く-亡き友人の声は聞こえたか

2025-05-07 | 雑感

大雲取越の行路(田辺市熊野ツーリズムビューローの古道地図を引用)


もう20年前の話。知人の紀伊民報記社さんの設定で、古老ガイドによる熊野古道大辺路は富田坂を歩いた事があった。この時のガイドさんは、当地にあったとされる「姥捨て山」探索をライフワークに手がけていたり、霊感はあったりと、とてもユニークな人であったのであるが、この人からとても興味深い話を聞かされた。熊野古道の中でも難所の一つとされる「大雲取越」を夜中に一人で歩いていた時に、ザッザッと音を立てた落ち武者の行進に出会ったそうである。同行した友人はその話にたいそう関心を示し、その後、しきりに夜中の「大雲取越」敢行を所望されていたのであるが、残念ながら彼が存命中にはその実現は叶わなかった。

数日前、帰省中の娘がどこか歩きたいというので、「大雲取越」のさわりをコースに選んだ。「大雲取越」は熊野本宮大社から熊野那智大社を結ぶ山深い参詣道で、「小雲取越」を含めると30kmにも及ぶ熊野古道屈指の難関である。ここを一度に完歩するのは体力的に無理であるので、那智大社寄り1/10に当たる高原公園-色川辻(約3km)往復をコースとし、帰りは車道を歩いた。ただし、ただ歩いただけではない。上述した古老ガイドが落ち武者の亡霊に出会ったと思われる地点「亡者の出会い」をコース内に含めた。

高原公園に車を止め、通常の参詣ルートとは逆向きにハイキングを開始、90分ほどかけて展望台のある舟見峠に到着、ここで昼食を取り、「亡者の出会い」を通過し、出発から150分で色川辻に到達した。

さて懸案の地点である「亡者の出会い」。解説付きの看板が立ててあったのでそれと分かったが、他とあまり変わりない尾根中にある。解説を読むと、当地は古より亡くなった親族や友人に出会う場所であるらしい。幸いにも亡き友人の姿や声は感じなかった。


石畳の道が続くよく整備された古道である





ちゃんと看板と解説があり、とてもうれしい。


途中に出会ったギンリョウソウ。幽霊のような花。


ウンゼンツツジ:小型で可憐なツツジ。今が最盛期。ウンゼンと名が付くものの、雲仙には分布しない。和歌山県ではウンゼンツツジとは呼ばず、コメツツジと呼ぶ。