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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

パラオのサンゴ(⑤サザナミサンゴ科) *** パラオに行った話

2024-05-09 | 雑感
 本シリーズの最後として、コロール島岩山湾で観察されたサザナミサンゴ科の種を紹介する(表1)。これまでと同様に、同定は画像解析によるものであり、信頼性は高くはなく、自信も無い。特にキクメイシ類はお手上げである。
 今回の観察によって78種のサンゴ(有藻性イシサンゴ類)が確認された。この結果は観光がてらの片手間の産物であり、しかも大半がスノーケリングによるものであるため、把握できたのは全体の一部に過ぎない。ただし、江口(1935)が岩山湾から記録したのは111種であるので、今回の確認種数が少な過ぎるというほどでもない。
 また、これまで日本で見たことがない種にたくさん出会えることを期待していたが、観察された種は日本で記録されているものばかりであった。これには少々がっかりとさせられたが、裏を返せば日本のサンゴの種多様性が著しく高いことを表していると言えよう。「日本を極めれば、インド・西太平洋域のかなりの部分を制することができる」。これは、テッポウエビの研究で経験した感触であるが、同様のものが分類群が大きく異なるサンゴでも得られたことは、今回の最大の成果かも知れない。
 末尾になるが、パラオでの生活・活動・調査、すべてにおいて支援いただいたTK氏に心より御礼申し上げる。



Astrea curta Dana, 1846 マルキクメイシ


Coelastrea palauensis (Yabe & Sugiyama, 1936) パラオカメノコキクメイシ


Cyphastrea chalcidicum (Forskål, 1775) コトゲキクメイシ





Cyphastrea microphthalma (Lamarck, 1816) トゲキクメイシ


Cyphastrea spp.


Dipsastraea pallida (Dana, 1846) ウスチャキクメイシ

Dipsastraea spp.


Echinopora pacifica Veron, 1990 タイヨウリュウキュウキッカサンゴ


Favites halicora (Ehrenberg, 1834) マルカメノコキクメイシ


Favites magnistellata (Chevalier, 1971) オオマルキクメイシ


Favites sp.


Goniastrea edwardsi Chevalier, 1971 ヒラカメノコキクメイシ


Goniastrea pectinata (Ehrenberg, 1834) コカメノコキクメイシ



Goniastrea retiformis (Lamarck, 1816) コモンキクメイシ


Merulina ampliata (Ellis & Solander, 1786) サザナミサンゴ


Merulina scabricula Dana, 1846 ウスサザナミサンゴ


Paragoniastrea australensis (Milne Edwards & Haime, 1857) ウネカメノコキクメイシ


Pectinia alcicornis (Saville-Kent, 1871) アザミウミバラ


Platygyra lamellina (Ehrenberg, 1834) ノウサンゴ


Platygyra pini Chevalier, 1975 ヒメノウサンゴ


Platygyra ryukyuensis Yabe & Sugiyama, 1936 リュウキュウノウサンゴ




Platygyra sinensis (Milne Edwards & Haime, 1849) シナノウサンゴ




パラオのサンゴ(③ミドリイシ科以外のシズカテマリ亜目) *** パラオに行った話

2024-05-09 | 雑感
 今回はコロール島岩山湾で観察されたミドリイシ科以外のシズカテマリ亜目の種を紹介する(表1)。なお、同定は撮影した画像に基づき、骨格は見ていない。さらに、専門外なので同定には自信が無い。特に塊状のハマサンゴ類はお手上げである。

Leptoseris explanata Yabe & Sugiyama, 1941 センベイサンゴ


P24, depth 28 m.

Leptoseris scabra Vaughan, 1907 ハシラセンベイサンゴ

上段:P24, depth 20 m. 下段:P24, depth 15 m.

Pavona decussata
(Dana, 1846) シコロサンゴ

P23, depth 1-4 m.

Pavona explanulata (Lamarck, 1816) ヒラシコロサンゴ

P28', depth 1-4 m.

Turbinaria mesenterina (Lamarck, 1816) スリバチサンゴ

P2, depth 2 m.

Turbinaria stellulata (Lamarck, 1816) ヒメスリバチサンゴ

P24, depth 17 m.

Galaxea astreata (Lamarck, 1816) オガサワラアザミサンゴ

上段:P24, depth 15 m. 中・下段:P33, depth 14 m. 備考:小笠原の個体群とは違う感じがする。

Pachyseris rugosa (Lamarck, 1801) シワリュウモンサンゴ


1段目:P26, depth 1-4 m. 2段目:P23, depth 1-4 m. 3-4段目:P33, depth 10 m. 備考:岩山湾の代表種、群体形の変異が著しい。

Pachyseris speciosa (Dana, 1846) リュウモンサンゴ

P28', depth 1-4 m.

Bernardpora stutchburyi (Wells, 1955) コハナガササンゴ

P23, depth 1-4 m.

Goniopora columna Dana, 1846 エダハナガササンゴ


P24, depth 20 m.

Goniopora cf. lobata Milne Edwards & Haime, 1851 ハナガササンゴ

P24, depth 23 m.

Goniopora sp.

P28', depth 1-4 m.

Porites cylindrica Dana, 1846 ユビエダハマサンゴ


1段目:P23, depth 1-4 m. 2段目:P26, depth 1-4 m. 3段目:P23, depth 1-4 m. 4段目:LIP, depth 3 m. 備考:岩山湾の代表種

Porites rus (Forskål, 1775) パラオハマサンゴ


1段目:P33, depth 3 m. 2・3段目:LIP, depth 2 m. 4段目:LIP depth 2 m. 5・6段目:P28', depth 3 m. 備考:和名のとおり、岩山湾の代表種で、群体形の変異が著しい。

Porites spp.

撮影地点省略。

パラオのサンゴ(②ミドリイシ科) *** パラオに行った話

2024-05-08 | 雑感
 パラオ・コロール島の岩山湾において様々な活動を通じてサンゴ(有藻性イシサンゴ類)の画像を撮影し、それを基に岩山湾のサンゴ相の一端を把握することができた。今回からは、分類群順にその成果を紹介したい。なお、調査の概要は前話(パラオのサンゴ(①調査の概要))を参照されたい。

 今回紹介するのはミドリイシ科の種である。内訳はミドリイシ属10種、アワサンゴ属0種、トゲミドリイシ属1種、アナサンゴ属0種、ニオウミドリイシ属1種、コモンサンゴ属10種の合計22種である(表1)。
 熱帯域に位置しながら、サンゴの中で最も種多様性が高いミドリイシ属とそれに次ぐコモンサンゴ属の種数が極めて少なく、アワサンゴ属やアナサンゴ属の種に至っては全く観察されなかったが、これは特殊な地形的環境下にある岩山湾におけるサンゴ相の特徴であるかも知れない。また、観察方法が主にスノーケリングによる浅場の調査に限定されたことも関係しているものと思われる。なお、ミドリイシ属の同定においてはKS氏に協力いただいた。



Acropora awi Wallace & Wolstenholme, 1998 フトヅツミドリイシ

LIP, depth 2m.

Acropora digitifera (Dana, 1846) コユビミドリイシ

LIP, depth 1 m.

Acropora echinata (Dana, 1846) トゲヅツミドリイシ

LIP, depth 3 m.

Acropora gemmifera (Brook, 1892) オヤユビミドリイシ

LIP, depth 1 m.

Acropora cf. halmaherae Wallace & Wolstenholme, 1998

P26, depth 2 m.

Acropora intermedia (Brook, 1891) トゲスギミドリイシ

LIP, depth 3 m.

Acropora loripes (Brook, 1892) マルヅツハナガサミドリイシ

P26, depth 2 m.

Acropora microphthalma (Verrill, 1869) コエダミドリイシ

LIP, depth 2 m.

Acropora muricata (Linnaeus, 1758) スギノキミドリイシ

上段:P23, depth 4 m. 下段:LIP, depth 3 m.

Acropora aff. tenuis (Dana, 1846) ウスエダミドリイシ

LIP, depth 2 m.

Anacropora spinosa Rehberg, 1892 トゲミドリイシ

上・中段:LIP, depth 2 m. 下段:P26, depth 3 m. 備考:本種はほぼ全て地点で観察された。岩山湾を代表するサンゴであるとみなされる。

Isopora brueggemanni (Brook, 1893) フトエダミドリイシ

上段:P26, depth 2 m. 下段:P26, depth 2 m.

Montipora altasepta Nemenzo, 1967 コツブエダコモンサンゴ

LIP, depth 1-2 m.

Montipora carinata Nemenzo, 1967 アカジマトゲコモンサンゴ


LIP, depth 1-2 m.

Montipora digitata (Dana, 1846) エダコモンサンゴ

LIP, depth 2 m.

Montipora efflorescens Bernard, 1897 ハシラコモンサンゴ

LIP, depth 1-2 m.

Montipora florida Nemenzo, 1967 ハナコモンサンゴ

LIP, depth 2-3 m.

Montipora hispida (Dana, 1846) トゲコモンサンゴ

1・2段目:P2, depth 1-2 m. 3段目:P26, depth 1 m. 4段目:LIP, depth 2 m.

Montipora stellata Bernard, 1897 シゲミコモンサンゴ


LIP, depth 1 m.

Montipora stilosa (Ehrenberg, 1834) コブトゲコモンサンゴ

LIP, depth 2 m.

Montipora sp. A

LIP, depth 2-3 m. 備考:カカンコモンサンゴに似ているが相違点が多い。

Montipora sp. B

LIP, depth 3 m. 備考:トゲコモンサンゴに酷似するが、枝がコブコブしている。


パラオのサンゴ(①調査の概要) *** パラオに行った話

2024-05-07 | 雑感


 パラオでは観光と共に、異世界であるパラオのコモンサンゴと、日本のサンゴ礁学を築いた先輩方を輩出した旧パラオ熱帯生物研究所のフィールド(岩山湾)を見たいという願望があった。そのため、今回のパラオ旅行では活動場所を岩山湾に絞り、当該海域における様々な活動を通じて海中を覗き、パラオのサンゴ相を垣間見ることができた。そこで、今回からはパラオのサンゴについて若干の知見を紹介したい。なお、サンゴの同定は撮影した画像に基づき、骨格標本は調べていないので、同定はかなり怪しいことを予め了解いただきたい。

 岩山湾(図1-3)はコロール島の南側に位置し、コロール島と大小40の島々に囲われ、さらに南の沖合は堡礁に取り囲まれ、外洋からの波の影響を受けない静謐な環境にある。ただし、潮汐流が生じるため、水道部は強い流れが生じる。各島々の周囲は急峻で、最大深度は40mに達する。

 パラオ熱帯生物研究所の初代研究員は岩山湾をA~Pの16の区域に分割して海中生物相の概要を把握し、さらに岩山湾に浮かぶ全ての小島にローマ数字を振り分け、かつ日本名を与えた(図1:Abe, Eguchi & Hiro 1937)。今回の調査地点は、この90年も前の資料に基づいて選抜した。ちなみに、地点33付近は竜宮湾と名付けられ、往時はサンゴ群集が特に美しかったことから、地点28’は月影潭と名付けられた美しい名称から、地点23と26は港からの到達性が良いことからそれぞれ選んだ。ただし、地点24の選択は、船長の誤認(本当はかつてサンゴの種多様性が最も高いとされた地点19を指定)のためである。

 図2に岩山湾における活動とその行程を示す。4月12日はパラオ国際サンゴ礁センターの船を用いて3地点(2、24、33)でスキューバを用いて調査を行った。13日はカヤックツアーを行ったが調査はなし。14日はスノーケリングで港周辺のマングローブを覗き、地点23を調査した。陸に上がった後に、地元のおばさんからクロコダイル(イリエワニ)が出るから気をつけるように言われたが、そのおばさんはさばいた魚のアラを海に捨てていた。どうりで。15日はサップに弁当と機材を積んでツーリングし、地点26と28’をスノーケリングで調査した。16日と17日は水路を挟んでパラオ国際サンゴ礁センター(PICRC)の対岸にあるロングアイランドパーク(LIP)前の海岸を、スノーケリングで調査した。なお、パラオ熱帯生物研究所(Palau Tropical Biological Station)跡地はPTBSとして記してある。

 図3にAbe, Eguchi & Hiro(1937)が設定した地点番号と小島名、ならびに今回の調査地点(赤丸)を示す。
 悲しいことに、岩山湾という伝統的な名称は、今は通用しない。かつて、岩山湾を見下ろす高台に日航ホテルがあり、ここから眺める眺めは「パラオ松島」と呼ばれ、やがてはその絶景から岩山湾を日航湾(Nikko Bay)の別名で呼ばれるようになったそうである。このホテルは2002年に閉鎖されたが、廃屋と共にその名称は湾の名前として今でも残っているのである。



図1. 90年前に作成された岩山湾の地図。岩山湾はA~Pの16の区域に分割され、岩山湾に浮かぶ全ての小島にローマ数字を振り分け、かつ日本名が与えられている(Abe, Eguchi & Hiro 1937)。


図2. 岩山湾における活動行程。


図3. 岩山湾の小島名と島番号、ならびに今回の調査地点(赤丸)。


図4. パラオ熱帯生物研究所跡。跡地は住民の住居になっていたが、門は今でも残っている。

図5. 往時のパラオ熱帯生物研究所。


図6. パラオ熱帯生物研究所研究員であった元田 茂氏の意思を継ぎ、弟子の大森 信氏が建てた碑。


図7. 現在のパラオ熱帯生物研究所とも言えるパラオ国際サンゴ礁センター。

図8. 高台からの岩山湾の眺め。かつて日航ホテルから見られたという岩山湾の絶景を求め、それが眺望出来る場所を探し回ったが、残念ながら見つからなかった。



図9. 小雨煙る日航ホテルの廃墟。放置されているのが不思議。


図10.岩山湾内。湾内は迷路になっており、地図なしでは彷徨うかもしれない。


図11. 90年前に記された島の識別番号が今もいくつか残っている。番号は29であるので、岩山湾内で2番目に大きなカイバック島であることが分かる。


図12. 地点2「タコノキ島前」の礁池内景観。岸寄りはリュウキュウスガモ?が群生し、深みにはキクメイシ類やトゲコモンサンゴが多く認められたが、ミドリイシ類は見られなかった。スガモは衰退傾向とのこと。


図13. 右は地点23「上之島」、中は地点24「中之島」、左は地点25「下之島」。


図14. 地点23「上之島」の海中景観。湾内部ではミドリイシが少なかったが、ここでは比較的多く認められた。どの地点も共通するがハマサンゴ類が優占する。


図15. 地点24「中之島」の海中景観。サンゴ被度や種多様性は高い。水深30mまで潜ったが、海底は泥が堆積し、サンゴはまったく見当たらなかった。


図16. 地点26「ほう島」と海中景観。キクメイシ類とハマサンゴ類が多い。パラオクサビライシは当地の名前が付くだけあって、ほぼ全ての地点で認められた。


図17. 地点28「’月影潭」とその海中景観。木々に囲まれ池のような神秘的な入り江で、わずかに口が開いている。静寂に包まれ、時間が止まっているかのように思われた。いかにもワニが出てきそうであったが、ワニはマングローブ域にしかいないとのこと。どの地点もパラオハマサンゴ(2段目)がやたら多い。また、テルピオス(黒色もしくは灰褐色のカイメン)が蔓延し、サンゴ群集はかなりの被害を受けていた。


図18. 地点33「双子島」の海中景観。サンゴの被度は高いのであるが、暗く殺風景で、竜宮湾と言われた面影は見られなかった。ミドリイシ類が皆無であったせいであろうか。見慣れぬ形のシワリュウモンサンゴ(1段目と2段目)とパラオハマサンゴの大型群体がが目立った。



図19. 地点LIP「ロングアイランドパーク」の海岸と海中景観。利用者が比較的多い公園で、駐車場やシャワーが完備されている。対岸にみえるのはパラオ国際サンゴ礁センター。水路に接しているため、船が猛スピードが往来するが、航路より岸側が一般に開放されている。強くはないが流れがある。岩山湾はミドリイシ類やコモンサンゴ類相が貧弱なためがっかりしていたが、期待しないで最後に入ったこの地点は、ミドリイシ類とコモンサンゴ類のパラダイスで、ミドリイシ類8種、コモンサンゴ類9種が確認された。2段目はスギノキミドリイシ、3段目は種不明のコモンサンゴ類(骨格を精査しないと種を特定できない)、最後はトゲミドリイシの大群落。水深2mでこのような群落に出会えるとは。

パラオの鳥 パラオに行った話(1) 

2024-05-03 | 雑感


 前話で述べたように、先日、妻とパラオに行ってきた。旅行を計画した年始の頃は、パラオへの航空便は、台湾かグアム経由しかなかった。グアム経由は週数便、台湾経由は週1便がそれぞれあり、今回は台湾旅行も兼ねて後者を選択した。
 滞在は台湾が合計2泊、パラオが7泊。時間の束縛をほとんど受けないゆったりとした旅行となった。今話からはその旅行譚を何回かに分けて紹介したい。

 最初はパラオの鳥の話。バードウオッチャーとしてはほぼ初心者であるが、パラオでも鳥の観察を楽しみにしていた。予め見られそうな鳥を予習し、日本にはほぼ分布しない以下の3種との出会いを優先候補として望んだ。①ナンヨウショウビン、②シラオネッタイチョウ、③ミツスイ。

 鳥見は早朝の散歩に集中させようと意気込んでパラオ入りしたのであったが、それが初端にくじけた。
 パラオの人はたいがい犬と鶏を飼う。犬は愛玩ではなく番用で、放し飼いである。しかも、どれも大きくて厳つい。さらに、何れもよく吠え、かつ人を追いかける。「犬が慣れれば吠えなくなる」と言われたが、現地人でもたまに噛まれるとも聞いた。また、狂犬病はないと言われたが、ちゃんと予防注射をしているとは思えない。この余所者を通りから排除するシステムによって、散歩は断念を余儀なくされ、鳥見は専ら宿泊した友人のベランダ越しとなった。

 そんな条件下ではあったが、上記の①と②を含む以下の14種を撮影することができた。ただし、ハチドリに似た花蜜食種のミツスイは、普通種とのことであったが、残念ながら出会は叶わなかった。
 種名表記は和名 学名(英名)現地名の順である。

①ナンヨウショウビン Todiramphus chloris teraokai(Collared Kingfisher)TENGADIDIK

なんという美しさであろう。光沢のある青緑。しいて上げればエジプト青か。普通種で、電線にとまっているのをよく見かけたが、近寄れなかった。額の白い模様が白目を剥いているように見えて、一瞬ギョっとした。

②シラオネッタイチョウ Phaethon lepturus(White-Tailed Tropicbird)DUDEX

パラオの海鳥の代表種。岩山湾でよくみかけたが、近寄れず、しかもじっとしてくれない。たぶん、とまっているよりも飛ぶ姿の方が美しい。

③セキショクヤケイ Gallus gallus(Red Junglefowl)MALKUREOMEL

ニワトリの原種。パラオでは各家庭で放し飼いしているし、野生化もしている。犬は襲わないとみえる。周年かもしれないが、どの雌も雛を連れていた。

④ネズミメジロ Zosterops finschii(Dusky White-Eye)CHETITALIAL

もし同定が合っていれば、パラオ固有種である。

⑤スズメ Passer montanus(Eurasian Tree Sparrow)

パラオで見かけると親近感がある。

⑥カラスモドキ Aplonis opeca oril(Micronesian Starling)KIUID

小型のカラスのように見えるが、ムクドリの仲間である。島にはカラスがいないが、生態学的位置は同じかもしれない。普通種だが、やはり寄れない。

⑦ナンヨウハシブトゴイ Nycticorax caledonicus pelewensis(Rufous Night Heron)MELABAOB

今回見た中では最も大形の種。海岸ではよく見かけた。飛ぶと美しい。

⑧クロサギ Egretta sacra(Pacific Reef Heron)SECHOU

ややこしいが、画像はクロサギの白色型である。

⑨パラオクイナ(仮称) Gallirallus philippiensis pelewensis(Buff-Banded Rail)TERIID

道路によく出てくる。パラオ固有亜種?。和名はないようである。

⑩ムナグロ Pluvialis fulva(Pacific Golden Ploveri)DERARIIK

海岸で最も目撃される種。あまり人を恐れない。

⑪シロハラコビトウ Phalacrocorax melanoleucros(Little Pied Cormorant)DEROECH

パラオの鵜は少し派手である。見たのは1回だけ。

⑫エリグロアジサシ Sterma sumatrana(Black-Naped Tern)KERKIRS

シロアジサシに似るが目の横に黒帯がある。

⑬ヒメクロアジサシ Anous minutus(Black Noddy)BEDAOCH

パラオでは最も多いアジサシ。冒頭の画像も本種である。

⑭シロアジサシ Gygis alba candida(Fairy Tern)SECHOSECH

シラオネッタイチョウと見間違うほど優雅に飛ぶ。

パラオに行く

2024-04-07 | 雑感
パラオはパプアニューギニアとフィリピンの間、赤道近くの太平洋上に位置する小さな島国である。先の大戦前、パラオは日本統治下にあり、様々な思惑によるものの、ここに小さいながら純粋にサンゴを研究するための研究所が建てられた。そして、後の海洋生物学を担う28名の若き生物学徒が数ヶ月から数年の任期で派遣された。彼らは当地で華々しい業績を輩出するものの、研究所は開戦によって短い生涯を終えた。さらに残念なことに、日本のサンゴ礁研究は、このパラオ熱帯生物研究所の終焉と共に、長い停滞期を歩むことになった。

かくして、パラオ熱帯生物研究所は伝説と化し、サンゴ礁研究に携わる者であれば、誰もがその名前に敬愛と憧れを抱く。

閑話休題。妻がこの3月で定年退職した。これまで、自分は調査や採集で各地を飛び回っていたが、妻にはいつも留守番ばかりをさせていた。そこで、妻への慰労を兼ねて、退職記念旅行を画策した。第一候補は妻が大好きなハワイであったが、彼の地は物価高騰で年金生活者には敷居が高くなり過ぎてしまった。ではどこが良いか。海外で、海がきれいな所。
そういえば、友人がパラオに出向中、任期は今年度一杯と聞いていた。また、パラオはサンゴ研究者の聖地。パラオに行かない理由はない。ということで、今月、パラオに行く。

ただし、悲しいかな、研究者の性で、ファンダイビングというものができない。潜ればついサンゴを探してしまう。今回も1日はパラオ国際サンゴ礁センターの船をチャーターして、画像撮影によるサンゴ相の記録を行う予定である。かつてのパラオ熱帯生物研究所のフィールドであった、そして先人達が青春を謳歌した岩山湾で。


パラオの位置


パラオの中心地であるコロール島


コロール島と岩山湾、ならびにパラオ熱帯生物研究所跡地




歴代の研究員が重用した岩山湾の測量図(Abe, Eguchi & Hiro 1937より)


研究員が描いた当時のコロール島(佐藤 2017より)


夢のロケット、花と散る

2024-03-13 | 雑感
散歩の途中でロケット打ち上げを見た。残念ながらトラブルがあり、発射数秒後に爆破された。

過疎の町、串本の、躍進の起爆剤として、10年近く串本町はこのイベントに一極集中させてきたが、それが花と散った。悲惨すぎて、しばらくは立ち直れそうにない。







ミサゴは餌捕りに3回失敗して立ち去る

2024-02-12 | 雑感
目の前でミサゴがホバーリング。狩りの気配。急いで予想着地地点に照準を合わせる。

1回目のダイブ、失敗

2回目、失敗

3回目、失敗、立ち去る

今日の1枚 ウミアイサの徒競走

2024-02-09 | 雑感
健康のために毎日90分程度歩いている。ただし、ただ歩くだけではつまらないので、生物や風景を観察しがてら、季節の移ろいを感じながら歩くのである。さらに、カメラを携帯して、目についた生物や風景を撮る。最近の被写体は鳥が多いが、玉が短いので個体のアップをきれいには撮ることは難しい。

その日に撮った画像の中で満足なものがあれば、1枚を選んでデスクトップの背景にしてパソコンを開く度にそれを眺める。

そんな「今日の1枚」は毎日更新されることもあれば、1週間以上同じ場合もある。更新の決め手は、面白みとか季節感である。


2日前の「今日の1枚」。大島架橋を背景にしたカルガモの群れの採餌。冬の弱い日差しの中の、のどかな1枚。


今日の「今日の1枚」。橋杭岩の前でのウミアイサの採餌風景。浅瀬であったため、皆、小走りして魚を追っている。ほほえましい1枚。

冬の風物詩 二景

2024-01-17 | 雑感
今日の散歩で印象的だった光景


うつぼ干し
串本の食文化。細かく切って素揚げし、甘醤油に付けて食べるのが一般的であるが、あぶっただけでもおいしい。


さんまの丸干し
南紀一帯の食文化であるが、熊野地方の方がよく目にする光景である。